南区 空家対策に企業と連携 西部地区モデルに支援窓口
横浜市南区は11月29日、不動産に関するコンサルティング業務などを行う(有)マックホーム=南区大岡=と空家問題に関する連携協定を締結した。南区西部地区を対象とし、空家の活用方法や土地・建物の処分等の悩みに関する無料の相談・支援を同社が担う。締結期間は2026年3月末まで。
2018年の国の「住宅・土地統計調査」によると、南区の一戸建ての空家戸数は、戸数の多い港北区、旭区に次いで市内3番目の1560戸。空家率は西区(4・5%)に次いで中区と同率の4・4%だった。南区区政推進課は「古い木造住宅密集市街地が広がる中心部で、特に建物の高齢化も進んでいる」と話す。今後、さらに空家が増加すると予想される。
空家の活用や処分は、状況によって選択肢が異なり、比較検討や煩雑な手続きに、不安や負担を感じる人も少なくない。そこで、市は民間事業者など多様な主体と連携することを掲げる。
今回、連携するマックホーム(【電話】045・730・0912)は、南区西部地区や港南区上大岡周辺を得意とする不動産会社。10年ほど前から、空家相談に対応してきた。他区で企業と連携している先例を聞き、南区役所に提案を持ちかけた。煩雑な手続きを必要とする土地建物の処分の行程を示すだけでなく、具体的な対応やサポートで最終地点まで並走。必要であれば他業種の紹介もしてくれる。桑澤政治代表は「空家の対処は、年数を経るほど大変になる。次代に負担を残さないためにも早めに対応したほうがいい」と話す。
区役所はこうした取り組みの周知を区民に行うほか、同社と空家所有者らをつなぐ。担当課は「どこに何を相談すれば分からない人も多いよう。自身の課題がどこにあるか、解きほぐす一助になれば」と話した。