相模原南署 「ながらスマホ」注意喚起 死亡事故発生地点で啓発
道路交通法の改正により、11月1日から自転車のながらスマホ・酒気帯び運転の罰則強化などをされたことを受けて、相模原南署は10月31日、木もれびの森入口の交差点で啓発活動を行った。自転車の往来が多く、過去、自転車と大型貨物の死亡事故が発生した同交差点で学生らに法改正の内容を周知した。
「明日からながらスマホ、酒気帯び運転の罰則が強化、追加されるのはご存じですか」―。
帰宅途中の学生らを中心に、同署の署員と第二交通機動隊白バイ隊員がチラシ約300枚を手渡した。木もれびの森入口交差点は高校や大学があることから、通学自転車の往来が多く、2019年に自転車と大型貨物車の衝突による死亡事故が発生している。チラシを受け取った70代の男性は「自転車ではなくても、スマホを見ながら歩く人やヘッドホンしている人は注意が周囲に向いていなく危ないなと感じる。取り締まるのはいいことだと思う」と語る。
今回の法改正では、自転車運転中にスマホで通話する、画面を注視する行為などの「ながら運転」の罰則が強化。これまで5万円以下の罰金だったが、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金となる。また事故を起こした場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる。
酒気帯び運転は罰則を追加。これまでも飲酒して自転車を運転することは禁止されていたが、罰則の対象となっていたのは、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある「酒酔い運転」で、「酒気帯び運転」は対象外だった。今回は「酒気帯び」の状態で自転車を運転した場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。また車両や酒を提供した人なども同じ罰則となる。
自転車事故、3割超
同署の署員は「区内では自転車のながらスマホはあまり見かけない」としながら「それでも一時不停止などで毎月数件は検挙している。南区は自転車事故の多いエリア。法改正の周知を進めて安全運転に努めてもらいたい」と話す。
10月31日現在の南区内の自転車事故の発生状況は166件(前年比48件減)。全事故の3割以上を占め、神奈川県で5番目に多い件数となる。