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『SPY×FAMILY』ロイド、アーニャ、ヨルたちの名言・名台詞まとめ! 温かな人間関係と残酷な戦争を描く人気作を言葉から紐解きます。

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。敏腕スパイの父・ロイドと殺し屋の母・ヨル、超能力者の娘・アーニャが互いに正体を隠しながら仮初の家族として暮らす日々を描いたホームコメディ作品です。

元々は他人だった彼らが生活を共にするなかで、少しずつ家族になっていく姿に胸を打たれる一方で、素性を明かしていないからこそ起こるハプニングやドタバタ劇がユニークで、その人気から2022年にはTVアニメ化。子供から大人まで幅広い世代に人気を博し、様々な企業と多数のタイアップも話題に。2025年10月からはTVアニメSeason3の放送も決定しています。

本稿ではそんな『SPY×FAMILY』の名言をキャラクターごとにまとめました。アーニャを中心にコミカルで平和な日常が描かれる一方で、東国と西国の関係はいつ戦争が起きてもおかしくないほど緊張したものであるというシリアスな一面も持つ本作。温かな人間関係と残酷な戦争を描く作品の本質が垣間見えます。

※本稿にはネタバレ要素が含まれます。

ロイド・フォージャー

 

「子どもが泣かない世界 それを作りたくてオレは スパイになったんだ」(1話)

アーニャを孤児院から引き取ってすぐのこと。スパイ<黄昏>を襲撃してきた敵組織にアーニャが誘拐されてしまいます。一度は見捨てることも考えたロイドでしたが、優しい彼はそうすることができず、アーニャを助け出すため危険を顧みず敵地へ。助け出された安心感から泣くアーニャに、戦時下で泣くことしかできなかった幼い頃の自分を重ね、自分がスパイになった理由を思い出します。冷静沈着なスパイの優しい信念に心打たれたファンも多いのではないでしょうか。
 

「誰かのために 何かのために過酷な仕事に耐え続けることは 普通(なみ)の覚悟では務まりません 誇るべきことです」(2話)

幼い頃に両親を亡くし、弟を養うために必死で殺し屋の仕事をしてきたヨル。そのせいで世間ずれしている彼女は、素性を隠して働く市役所では同僚たちから浮いた存在でした。“普通”ではない自分に劣等感を感じていたヨルでしたが、ロイドはそんなヨルのことを「素敵です」と言い切り、この言葉を続けました。ヨルはこの言葉に救われたからこそ、ロイドに偽装結婚を提案しようと思ったのではないでしょうか。
 

「病める時も 悲しみの時も どんな困難が訪れようとも 共に助け合おう」(2話)

ロイドからヨルへのプロポーズの言葉です。一般的な結婚の誓いである「病める時も 健やかなる時も」とは違うのが偽装結婚の彼ららしい言葉選び。落ちていた手榴弾のピンを引き抜き、それを指輪の代わりにする演出もとても粋でロマンティックです。
 

「子どもの気持ちを軽んじるのが貴校の教育理念なのでしたら 選ぶ学校を間違えました。」(5話)

イーデン校での面接で、本当の母親のことを思い出させる質問をされたアーニャ。ロイドは質問の変更を願い出るも、意地悪な面接官は許可しません。涙を流すアーニャを前に心では「任務のために我慢だ」と自分に言い聞かせていましたが、ついに我慢しきれずにこの言葉を告げて自ら面接を切り上げました。ロイドは自分のことだけならきっと我慢できたはず。仮初の家族を傷つけられて激怒する姿に、本物の愛を感じます。
 

「素敵な姉弟だなと思って ずっと2人で支え合ってきたんですね」(13話)

ヨルの弟・ユーリが初めてフォージャー家を訪れた時のこと。シスコンのユーリに終始悪態をつかれるロイドでしたが、ヨルとの仲睦まじいやり取りを見て、この言葉を伝えました。家族はおろか頼れる友人もおらず、スパイとして孤独に戦ってきたロイド。偽装結婚だとバレないよう、ユーリに対してたくさんの嘘をついていましたが、この言葉だけは彼の本心ではないでしょうか。
 

「演じてばかりでは疲れてしまう事もありますからね」(14話)

ユーリが保安局の人間だったため、姉であるヨルの素性を疑い、盗聴器を仕掛けて身辺を探るロイド。結果、ヨルは秘密警察との繋がりはなく、潔白が証明されることに(殺し屋ですが)。良き妻になりきれないと落ち込むヨルに対し、ロイドは理想像を追求して努力することは素晴らしいとしたうえで、こちらの言葉を伝えます。そのままのヨルでいるよう伝える一方で、スパイとして常に何者かを演じているロイドの本音とも取れる一言です。
 

「予期せぬ星獲得 上場の結果なのだが… 何だろう それよりもテロを未然に防いだ時のような──誇らしい気分だ」(16話)

プールで溺れている子に気づき人命を救ったアーニャ。学校では星(ステラ)を授与され、ロイドとしても任務遂行に一歩近づくことに。しかし、ロイドはそれ以上の喜びを感じ、「よくやったな」と娘を褒めます。穏やかな笑顔は彼に父性が芽生えていることを物語っています。
 

「戦争はもううんざりだ」(20話)

西側諸国と東国の戦争を望む大学生集団が西国の大臣の暗殺を企て、それを阻止するために動く<黄昏>たち。「必ず止めろ」という管理官(ハンドラー)に対し、「わかってます 管理官 オレも同じ気持ちです」と返し、この言葉を続けました。戦争を経験しているからこそ、彼らは戦争を回避させるため必死で暗躍しているのだとわかります。
 

「ヨルは充分がんばってるよ」(30話)

スパイ<黄昏>の同僚であり、精神科医ロイドの同僚であるフィオナが自宅を訪ねて来た時のこと。<黄昏>に強い恋心を抱くフィオナは、隙あらばヨルから妻の座を奪おうと鋭い目で彼女を観察しますが、そんな彼女の目の前でロイドはこの言葉を妻に投げかけ、ヨルは目を潤ませます。長い間彼を見てきたフィオナは、仮初の家族に向けた作り物の笑顔に滲む微細な本心を感じ取ります。ファンとしてはすっかり温かい家族となったフォージャー家に和みますが、<黄昏>に恋するフィオナにはとても苦しい状況で胸が痛みます……。
 

「オレたち国家機関が血反吐を吐きながら築こうとしてる世界を その腕一本で成し遂げてしまうんだ」(35話)

未だ母や妻として自信が持てないヨルに対し、ロイドは自分が幼い頃、母親の腕の中が好きだったこと、戦時下であっても母がそばにいてくれたら安心して眠れたことを話し、アーニャもヨルのことをそんな風に頼りにしていること、立派な母親であることを伝えます。もう顔も覚えていない実母のことを語りながら、ロイドは改めて母親の存在の偉大さを感じているようです。
 

「無茶はするな ウチにもお前が死んだら悲しむやつがいる」(58話)

火事が起きたアパートに取り残された子犬を救い出し、さらに放火犯にも噛みつき逮捕に一躍買ったボンド。ロイドはお手柄を褒めつつ、この言葉を伝えます。「おまえはまずフォージャー家の一員であることを自覚しろ」とも。言い諭すロイドの表情は父親そのもので、彼の優しい人柄が滲み出ています。
 

「無知とは なんて無力で なんて悪」(62話 後編)

幼い頃、突然の開戦により平和な日常も家族も友達も何もかもを失った<黄昏>。彼は敵国・東国を恨み、銃を取って国に言われるがまま一兵士として戦争に参加していました。しかし、開戦の本当の理由も、なぜ家族や友達が死ななければならなかったのかもわからず、盲目的に戦争に参加する自分を顧みてこの言葉が胸に浮かんできます。そんな彼の元に現れたのは陸軍情報部のスカウトマン。彼の誘いを受け諜報員となった<黄昏>は、その才能を発揮し、あらゆる情報を持つ西国一のスパイと謳われるまでになったのでした。
 

アーニャ・フォージャー

 

「ちちものすごいうそつき でも… かっこいいうそつき!」(1話)

人の心を読む超能力を持つアーニャ。父・ロイドがスパイであることも、仕事のために沢山の嘘をつき続けていることも彼女には全てお見通しなのですが、彼の嘘が世界の平和のため、子供が泣かない世界のためのものだということもわかっています。かっこいいうそつきの父、素敵ですね。
 

「だいじょうぶます こわくない」(4話)

名門イーデン校の面接試験に赴いたフォージャー一家。ところが、校内の飼育舎から動物たちが逃げ出し、受験者たちはパニック状態に。しかし、群れのボスである大牛をヨルが一瞬で鎮め、場を治めます。わけがわからないまま倒された牛が怖がっていることを読み取ったアーニャは牛を撫でながらこちらの言葉をかけます。落ち着きを取り戻した牛は他の動物たちを連れて飼育舎に戻っていきました。アーニャの優しさに心が洗われます。
 

「100てんまんてんです ちちもははもおもしろくてだいすきです ずっといっしょがいいです」(5話)

イーデン校の面接試験で両親に点数をつけるとしたら何点か聞かれた際の回答です。大好きな理由が「おもしろくて」というところがなんともアーニャらしいですね。回答を聞いたロイドとヨルの驚いた様子にもほっこりさせられます。しかしながら、「ずっといっしょにいたい」という娘の願いをロイドはどのように受け止めているのでしょうか……。
 

「つよくてかっこいいははすき!」(7話)

ヨルの買い物中、イーデンの制服を着ていたため身代金目当てのチンピラたちに誘拐されかけたアーニャ。しかし、駆け付けたヨルがあっという間にチンピラを蹴散らし、無事助けられます。料理が大の苦手で普通の母親らしいことをしてあげられないと落ち込むヨルに、アーニャはこの言葉を伝えます。アーニャに憧れられる時点でヨルは素敵な母親ですよね。
 

「いきなりなぐってごめんなさい アーニャほんとはおまえとなかよくしたいです…!」(9話)

入学初日にダミアンを殴ってしまったアーニャ。翌日、父のミッションため、世界平和のためにもダミアンに謝ろうとするも、彼の取り巻きが心の中で考える自分への悪口を読み取ってしまい、その心はズタズタに。その結果ボロボロと涙を流しながら謝罪することに。涙の真実を知るはずもないダミアンはそのしおらしさにハートを射抜かれるも、まだ幼い彼はその気持ちを認めることができず、赤面して激しく取り乱します。ここからアーニャとダミアンのラブコメ(?)が始まったのです。
 

「じなんはそんなことしない」(28話)

勘違いからダミアンを目の敵にする同級生・グルーマンが、ダミアンに喫煙と暴行の容疑をかけようとした際のこと。グルーマンの噓の報告を問い詰める教師に対し、アーニャは毅然とした態度でダミアンを擁護。「アーニャみてた そのこ かってにころんだだけ」と証言したことでダミアンの容疑は晴れ、ダミアンは庇ってくれたアーニャのことをさらに意識するようになりました。
 

「じなんもかっこよかった‼」(75話)

イーデン生が社会科見学へ向かうバスがテロリストにジャックされた際のこと。アーニャをはじめとする生徒たちの機転によって無事犯人たちは逮捕され、生徒たちも全員無傷で救出されました。中でも犯人に対し勇敢に立ち向かったアーニャをダミアンが照れながらも褒めると、アーニャも自分をヒーローのように庇ってくれたダミアンを褒め返します。バスジャック事件のダミアンは本当に男前でした!
 

ヨル・フォージャー

 

「普通の母親らしくふるまうことはできなくとも 私にできることを精一杯がんばろう!」(7話)

掃除は得意ですが、料理は大の苦手であるヨル。偽りの家族だとはわかっていても愛情深い彼女は、アーニャに普通の母親らしいことをしてあげたいと思うように。料理をするため買い出しをするも、少し目を離した隙にアーニャがチンピラに誘拐されかけますが、ヨルが4人の男女をあっという間に蹴散らし救い出します。そんな強くてかっこいい姿をアーニャに褒められたヨルは、自分ができることを頑張ろうと心に決めたようです。
 

「ちょっとした意地悪くらいなら笑って流せるのがカッコイイお姉さんですよ」(8話)

強い母に憧れて必殺パンチを教えてもらったアーニャ。イーデン校入学初日に、高慢な態度でいけ好かないダミアン・デズモンドにムカつき、必殺パンチを放とうとしたとき、母のこの言葉を思い出します。ヨルはパンチだけではなく、真の強者が感情に任せて力をふるわないことや相手を許す寛容さもきちんと娘に教えていたのです。まあ、結局我慢できずに殴ってしまうんですが……。
 

「ロイドさんはアーニャさんにとって立派な父親です!」(10話)

勉強を嫌がるアーニャに頭を悩ませるロイド。そもそも自分自身が理想の父親とは程遠いものだったと父として過ごしたこれまでの自分を振り返り、彼らしくない落ち込んだ様子を見せます。そんな夫にヨルはこの言葉を送りました。娘のことを話し合う2人は偽装結婚とは思えないほど立派な夫婦であり、立派な両親だと感じられるシーンです。
 

「結婚相手がロイドさんで良かったです!」(14話)

良き妻になろうと頑張るものの、なかなかうまくいかず落ち込むヨル。沈んだ気持ちのままロイドにそのことを謝罪すると、ロイドは「理想像を目指すことに縛られ過ぎず、演じないそのままのヨルでいていい」と励ましてくれました。そんな優しい夫にヨルが返したのがこちらの一言です。安心したヨルの穏やかな笑顔はまるで本物の夫婦のよう。一方、任務のためにヨルを利用しているロイドは、この言葉に罪悪感を募らせます。
 

「お2人に認めてもらえるのが 笑ってもらえるのが 単純にこんなにも嬉しいだなんて…」(24話)

家族においしいものを作りたい一心で、2人に内緒で料理の特訓をしていたヨル。母が作ってくれていた思い出の南部シチューを再現することに成功した彼女は、早速2人に振る舞います。いつもは倒れてしまうほど不味いため、ドキドキしながら口にした2人でしたが、そのおいしさにびっくり。アーニャは「これすき!」と喜んで食べています。そんな2人の姿を見て嬉しさに涙を溢れさせるヨル。仮初の家族から本当の家族への変化が感じられます。
 

「人に刃を向ける者は自らが向けられても文句は言えません」(53話)

とあるマフィアの要人を護衛する任務を与えられたヨル。亡命のために乗り込んだ豪華客船で大勢の殺し屋たちの襲撃に遭いますが、仲間一人の援護射撃のみでほとんどを彼女一人で返り討ちにしてしまいます。敵の一人から「皆殺しにしちまいやがった ひでー女だ」と言われたヨルが返したのがこちらの言葉です。吹き出しの外には「もちろん私も」とあり、彼女もまた殺される覚悟を持って殺し屋をやっていることがわかります。
 

「私は戦うことをやめないッ!!!」(53話)

元々は弟の他愛ない暮らしを守りたい一心で殺し屋の仕事を始めたヨルでしたが、今は弟も立派に成人し、市役所の仕事もあるためお金にも困っておらず、殺しの仕事を続ける理由がわからなくなっていました。迷いの隙を突かれ、窮地に追い込まれた時、頭に浮かんできたのは仮初のはずの家族のこと。彼らが平穏に暮らせる世界のために戦うことを決意したヨルは、力強く立ち上がり反撃を開始します。
 

シルヴィア・シャーウッド(ハンドラー)

 

「敵の人間性を否定し殺し続け それでも しかし復員後に心を病み 後悔と恥辱に涙しゲロを吐き自ら命を絶った者が身近にいたことは? 大学では「戦争」を習わなかったようだな ボウヤたち?」(20話)

西側諸国と東国の戦争を望む大学生たちが大臣暗殺テロを企て、<黄昏>の属するWISEはその実行犯の一部を捕えます。捕まってなお横柄な態度で戦争を求める彼らに、WISEの管理官であるシルヴィアは「おまえら人を殺したことはあるか?」と問い、続けて「砲撃で手足がちぎれたことは?骨が砕かれる音を聞いたことは?爛れる肉の臭いを嗅いだことは?目の前で親兄弟が崩れた家に潰されていくのをみたことは?恋人の肉片が壁にへばりついているのを見たことは?」と問いかけます。言わずもがな、それらは全て彼女が経験した「戦争」であり、本当の意味で戦争を知る言葉にテロリストたちは沈黙。ホームコメディながら反戦のメッセージも強く描かれる本作において重要な意味を持つ台詞です。
 

「今日が平和で何よりだ」(22話)

大臣暗殺テロが未遂で終わり、テロに使われた犬たちを心配するアーニャに、犬たちを丁重に扱うことを約束したシルヴィア。犬を新しく家族として迎え入れられることを喜ぶアーニャを見て「私もあれくらいの娘がいた」とロイドに話し、こちらの言葉を続けました。「いた」と過去形であるため、おそらく先の戦争で娘を亡くしたと推測されるハンドラー。そんな彼女の一言にとてつもない重みを感じます。
 

「自分の頭で考え続けろ」(63話)

東国の人気オペラ歌手が西国を訪問することとなり、東西関係改善の足がかりとなることが期待されていました。そんなとき彼の不倫疑惑やマフィアとの繋がり、パワハラといったスキャンダルが掲載された週刊誌が出回り、その評判は急降下。ところがしばらくすると、その記事が嘘であるという反証記事の載った週刊誌が発売されます。それらの記事を鵜呑みにする新米職員に対して放った一言がこちらです。楽して正解を得ようとせず何が正しいのか自分の頭で考え続けるよう苦言を呈しました。インターネット上で様々な情報が溢れる昨今、心に留めておきたい言葉ですね。
 

ヘンリー・ヘンダーソン

 

「ただただ権力にへつらうだけのワシに教育者たる資格なし…‼」(5話)

フォージャー家がイーデン校の面接試験を受けた際、面接官を務めたヘンダーソン。しかし、いっしょに面接官を務めた先代校長の息子・スワンが、私欲を満たすためだけに悪意ある質問を投げかけ、アーニャを泣かせてしまいます。子どもの気持ちを軽んじるイーデン校に失望した、と自主的に面接を切り上げたロイドたちの姿を見たヘンダーソンは、「我が校を侮辱したのはどっちだ…」とスワンの顔面をグーパンチ。誇りあるイーデンの教師らしいエレガントな行いですね!
 

「教育こそが人格を養い争いを止めるのだ 小さなケンカも 世界の紛争も」(97話)

こちらはヘンダーソンが19歳、イーデン校高等部3年生だった頃の言葉です。その頃東西の国際関係は既に冷え切っており、世界各地でも紛争が起きていました。彼は身近で起こるケンカも国同士の戦争も、教育で止められると信じ、教職を志します。その気高い精神は今でも変わらず、アーニャをはじめとした生徒たちに教えを説いています。

「帰ってこい帰ってこい帰ってこい帰ってこい」(99話)

イーデン校で教師となったヘンダーソン。イーデンの後輩であり教え子でもあるマーサが「国防婦人軍」として戦争へ行き、その後新聞で彼女が前線兵となったことを知ります。彼女が戦地へ赴いてからも文通をしていたヘンダーソンは、彼女の弱音が綴られた手紙に涙し、どうか無事に生きて帰ってほしいと切実な願いを込めた手紙をしたためます。悲痛な想いに胸が苦しくなった読者も多いことでしょう。
 

マーサ・マリオット

 

「…お嬢様 物事や他人を知ったつもりになってはいけません まずそれをやめることが大人への第一歩ですよ」(36話)

ベッキーが幼い頃からお世話役として彼女を見守ってきた女執事・マーサ。幼稚園の頃、気位が高く気も強いベッキーは周囲の子たちと衝突することが多く、イーデン校への入学も「程度の低い連中と群れてもいいことない」と消極的でした。そんな彼女をマーサはこの言葉で優しく諭します。嫌々入学した学校でアーニャと出会い、楽しく学校生活を過ごしているベッキーを、マーサは嬉しく思っているようです。
 

「知ろうとすることと同じくらい「わからない」というのを受け入れることも大切ですよ」(102話)

若い頃に兵士として2度の東西戦争に参加したマーサは、戦場が悲惨だという真実以外、戦争が起こる原因も複雑に絡み合った世の中の事情もわからなかったと言います。その話にモヤモヤするというベッキーに対し、彼女はこの言葉を伝えました。「わからない」ことは不安であるため物事を決めつけて「わかったつもり」になって不安を解消しようとすること、そしてそれが人間の弱さであり危険なことであると諭します。
 

その他

「あたしだけはアーニャちゃんのいいとこちゃんと知ってるもんね!」/ベッキー・ブラックベル(9話)

 
アーニャが入学式の日に仲良くなったベッキー。初日からダミアンと派手にケンカをしてしまったせいで他のクラスメイトから距離を置かれて陰口を言われるアーニャは、心の声が聞こえてしまう事もあって大きな不安に駆られていました。しかし、ケンカの経緯を知るベッキーのこの一言でアーニャの不安は払拭されます。アーニャと仲良くなりたいと言うベッキーの笑顔がとってもキュートで癒されますよね。
 

「ボクは姉さんのいるこの国を守るためだったらなんだってする 何だって だ」/ユーリ・ブライア(11話)

 
姉・ヨルを愛してやまないユーリ。表向きは外務省職員として勤務する彼は、東国の国家保安局(秘密警察)としての裏の顔を持っています。姉には心配をかけたくない、汚れ仕事をしていると知られたくないという理由から素性を隠していますが、彼が危険な仕事を頑張るのは全てヨルのため。シスコンの面白キャラとして描かれがちなユーリですが、この一言からは大好きな姉を守りたいという強い気持ちが伝わってきます。
 

「おまえはウチの学校が手違いや不正で星(ステラ)くれるような三流校だと そう思ってんのか?」/ダミアン・デズモンド(17話)

人命救助によって星獲得者新入生第一号となったアーニャは一躍校内の有名人になります。しかし、そのことを僻む同級生たちがアーニャが不正して星を取ったと陰口を叩き、ダミアンにも同意を求めました。その時にダミアンはきっぱりとこの言葉を返します。他人の功績を僻むのではなく、正しく評価して悔しがるダミアン、家柄だけではなくその精神も超一流です!
 

「その手がこの子の未来を繋いでくれたのよ」/オルカ・グレッチャー(55話)

こちらは、護衛任務を完遂したヨルが護衛対象のオルカから送られた感謝の言葉です。幼い息子とともに命を狙われていたオルカは、ボロボロになりながら自分たちを守ってくれたヨルにハグしながら感謝を伝え、最後に息子を抱っこしてくれるよう勧めます。手がベトベトだから、と遠慮するヨルに対し、オルカはこの言葉を送りました。赤ちゃんを抱くヨルの横顔がとても穏やかで心にジンときます。
 

「間違ったことを間違ってると言えない世界になる方がよっぽど怖いじゃん!」/ビディ(73話)

こちらはアーニャたちが乗ったスクールバスをジャックしたテロリスト・ビリーの娘の言葉です。学生運動に参加する娘を心配したビリーは反政府団体に出入りすることをやめるよう言った際、彼女は「信念のために死ぬのは怖くない!」と言い切り、この言葉を続けました。しかし、彼女は政府のデモ鎮圧に巻き込まれて亡くなってしまい、ビリーはその怒りと悲しみからバスジャックを起こしたのでした。
 

「お姉さんの前にまず自分を守れるようになりなよ でないと守れるものも守れやしないよ?」/クロエ(89話)

こちらはユーリの保安局の同僚・クロエがユーリに対して言った言葉です。大好きな姉を守りたい一心で無茶ばかりするユーリ。先の任務で<黄昏>を取り逃がしたことでもっと強くなりたいと焦るあまり普段以上に冷静さを欠く彼にクロエはビンタを食らわせます。弟を大切に思う姉のためにも、まずは自分を大事にするよう言い聞かせるのでした。
 

「不見識を自覚せぬまま他者を断じるのは下衆のすることです」/マシュー・マクマホン(91話)

こちらは市役所の部長であり、ヨルの所属する闇組織ガーデンの一員マシュー・マクマホンの言葉です。父親を戦争で亡くした市役所職員ミリーが、戦時中に首相だったデズモンドの妻メリンダに対し「極悪人」と言い放ちます。その際、マクマホンは開戦したのはデズモンドのひとつ前の首相であると認識の間違いを訂正し、この言葉で彼女を諫めました。現代人も心に留めておくべき金言と言える一言ですね。
 

「君のような子は国の宝だ 健やかに育て」/ジークムント・オーセン(92話)

こちらはフォージャー家の隣に引っ越してきた老夫婦の夫ジークムント・オーセンがアーニャに言った言葉です。昔大学教授をしていたジークムントに古語の勉強を教わるアーニャは、皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)になって何をしたいか問われ、「せかいへいわ!」と答えます。そんなアーニャをジークムントは優しく抱きしめ、この言葉を送りました。優しくアーニャを抱きしめる姿にジーンとしてしまいます。
 

名言から感じる作品の本質

アーニャの可愛さや喜劇的に描かれるフォージャー家の日常に癒される『SPY×FAMILY』。それゆえに多くの人の心をとらえ、アニメ化によって一大ブームとなったのはもちろんなのですが、キャラクターたちの言葉に注目すると本作ではシビアに戦争が描写されていることに気が付きます。まもなくアニメSeason3も放送されるので、台詞に注目しながらアニメを見返したり原作を読んでみてはいかがでしょうか。
 

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