家計も予算を決めれば貯金できる!2025年の年間お金計画の作り方
家計管理といえば家計簿をイメージしませんか?毎月の収支管理も大切ですが、貯蓄のカギは「予算」です。年間予算を設定すると目先の収支に振り回されず、貯蓄で挫折しにくくなります。
本記事では「年間予算」の概要と、具体的な計画の立て方を紹介します。今年はなかなか貯められなかったというあなたも、来年こそ目標貯金額を達成しましょう。
家計管理の難しさやよくある悩み
多くの人が貯蓄や家計管理に挑戦するものの、現実はなかなか難しいようです。例えば「予算を立てても結局オーバーしてしまう」「突発的な出費にうまく対応できない」といった悩みをよく見聞きします。これらの原因の一つに、月単位の収支管理にしか目が向いていない点が含まれるでしょう。
貯蓄を着実に進め、家計管理を効率化するためには、年間の見通しを立てることが大切です。では年間予算とは具体的にどのようなものか、年間予算の具体的な作り方について次の章から詳しく解説していきます。
年間の予算作り・お金の計画とは?
年間予算は1年分の支出と貯蓄を先に決め、その計画に基づいて日々の家計を調整していく考え方です。毎月のおおまかな出費を管理しながら、年間としては目標をしっかり守って年末に目標貯蓄額を達成できればOKとします。
「家計簿とどう違うの?」と思うかもしれませんね。家計簿は過去の支出を記録するもので、未来の計画である年間予算とは役割が違います。年間予算を立てて毎月やりくりをしながら、家計簿で実際にお金をどう使ったか振り返っていけると理想的です。
家計管理で年間予算を作るメリット
家計管理の年間予算を立てると、自然と家計管理への意識が高まり、精神的な余裕も生まれて貯蓄も進みやすくなります。3つのメリットを具体的に見ていきましょう。
①お金の使い方が上手になる
まず家計の年間予算を立てる際には、過去1年間の支出を振り返る必要があります。そのため、無駄遣いが見えてくるなどお金の使い方への意識が高まります。また各月ではなく年間でお金の配分を考えられるようになるため、支出をコントロールしやすくなります。例えば「7月は結婚式に呼ばれているから、ゴールデンウィークは近場で楽しもう」といった具合に、前後のイベントを考慮しながら計画的にお金を使えるようになります。
②目先の収支に一喜一憂しなくなる
毎月の支出が一定である人は少ないでしょう。想定外の出費がかさんで予算オーバーの月があると、そこで家計管理や貯蓄への心が折れてしまうかもしれません。しかし年間予算を立てていれば「ボーナスの使い道を見直して補填しよう」と柔軟性と余裕をもって対応できるでしょう。一時的な赤字にも落ち着いて向き合えるようになり、家計管理のストレスを軽減できます。
③貯蓄を続けやすくなる
年間予算を立てると、1年後に貯蓄額がどれだけ増えているか具体的な数字で表れます。特に貯蓄の目的を決めていなかったとしても「これだけ貯まったらスーツを新調したい」「来年は習いごとを始めようかな」と夢や目標が浮かんでくるかもしれません。すると、自然と貯蓄への意欲が高まって家計管理のモチベーションも保ちやすくなります。
年間予算の設定の仕方~5ステップ~
年間予算は年間収支の把握が肝です。まずは通帳または銀行口座のWeb明細とクレジットカードの利用明細を手元に用意して、5つのステップを順番に進めてみましょう。
①年間の収入を把握する
年間の収入が分からなければお金の配分を考えることはできません。まずは銀行口座の入金履歴を確認し、給料やボーナスなど全ての収入を集計しましょう。
ノートへの手書きでも、ExcelやGoogleスプレッドシートへの入力でも、好きな方法で集計結果を記録しておきます。
②年間の固定費を把握する
次に、毎月必ず支払う「固定費」を費目ごとに集計します。家賃や住宅ローン、水道光熱費、スマホ代、保険料、サブスクリプションサービスの利用料など、通帳やクレジットカード明細を見ながら書き出しましょう。
なお、水道光熱費や通信費は季節や月ごとに変動するため、変動費に含めても問題ありません。
③年間の変動費を把握する
変動費は月ごとに金額が変わりやすい費用です。主に食費や日用品、医療費などが該当します。これらの日常的な出費の集計はなかなか難しいかもしれませんが、完璧を求めずクレジットカードの明細から拾える限り拾っていきましょう。現金主義の人は1カ月分だけでもレシートを取っておいて、集計した結果に12をかけて年間の変動費としましょう。
④年間の特別費を把握する
毎月は発生しないものの比較的まとまった出費が特別費です。例として、帰省費用、旅行費、冠婚葬祭、車検、家電の買い替えなどが該当します。カレンダーを振り返りながら1~12月までに発生した特別費を洗い出して集計しましょう。
⑤年間予算を立てる
年末の預金残高から元日の残高を引くと、年間の収支が分かります。赤字の場合やもう少し年間の貯蓄を増やしたい場合は、②固定費、次に③変動費の順に節約できるところを探します。なぜなら固定費は一度見直すだけで高い節約効果を期待できるためです。最も見直しやすい固定費はサブスクリプションサービスです。あまり使っていないサービスは思い切って解約し、必要だと感じた時にまた登録する形がおすすめです。
とはいえ、厳しすぎる節約は長続きしません。控えめと感じる程度の無理のない金額がちょうどよいといえます。
年間予算作りに役立つおすすめツール
ここでは年間予算作りがよりスムーズになるExcelシートやアプリを紹介します。
【日本FP協会:家計の収支確認表】
先述した5ステップの集計結果を収入欄、支出欄に記入していくと年間の収支が整理された形でまとまります。なお年間の収入については、通帳から集計した給料・ボーナスを「年間の手取り収入」に記入するだけで問題ありません(税金や社会保険料が引かれた金額が振り込まれるため)。
日本FP協会「便利ツールで家計をチェック」
【Microsoft:ライフ マネー プラン シート (1年間、10年間)】
「1年間」のシートにイベントや収入・支出を入力するだけで、集計結果を自動で計算してくれるシートです。シート上部には貯蓄額の推移を表す棒グラフも表示され、1年間のお金の流れを視覚的に把握できます。
Microsoft「ライフ マネー プラン シート(1年間、10年間)」
【今日の予算(アプリ)】
「今日の予算」はスマートフォン向けの家計簿アプリですが、年間予算作りにも使えます。年間予算作りで支出をほとんど把握できていなかった人は、まず本アプリで家計簿を1カ月つけてみてください。その月の支出を12倍して年間の収入から引くと、おおまかですが年間の貯蓄額が算出できます。年間貯蓄額を「積立貯金機能」に入力してゴールを12月31日に設定すれば、年間予算と同じ効果を得られます。
ただし「今日の予算」はAppleユーザー向けアプリです。Androidユーザーは次の「おカネレコ」を試してみてください。
今日の予算
【おカネレコ】
基本的な使い方は「今日の予算」と同様です。ただし本アプリは年間予算の設定機能がなく、月ごとの設定となります。年間の全体像を捉えられないため、Appleユーザーなら「今日の予算」をおすすめします。
2秒家計簿おカネレコ
まとめ
最後に、本記事の要点をおさらいしておきましょう。
①年間予算とは1年間の支出を事前に決めて家計を管理していく方法
②年間収支から支出を見直す形で年間予算を立てる
③貯蓄を増やしたければ、まず固定費、次に変動費の削減を
年間予算を立てると支出と貯蓄のバランスをとりながらお金を使えるようになり、精神的にも余裕が生まれます。うまく活用して来年こそ貯蓄の目標を達成しませんか。