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冤罪事件はなぜ起こる? 公安・司法・メディアの罪を総ざらい

文化放送

6月13日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、「公安・司法・メディアの罪を総ざらい」というテーマで、ジャーナリストの青木理氏に話を伺った。

神奈川県横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」をめぐる冤罪事件。2023年、東京地裁が「警察・検察の違法捜査であり、事件はでっち上げだった」として、国(東京地検)と東京都(警視庁)に賠償を命じた。

国と都は今月11日、最高裁に上告することを断念した。

長野智子「大川原化工機事件って、ずっと青木さんは発信され続けて」

青木理「ちょっと手前味噌ですけれども、マスメディアがほとんど報じていなかった時期から、僕は雑誌でルポを書いたりとかして、僕なりにかなり当初から取材してきたテーマですね」

長野「そうですね」

青木「一般的に冤罪事件っていうと、たとえば警察が逮捕して、検察が起訴をして、刑事裁判をやった結果、無罪になるとか、あるいはその時は有罪だったけれども後に再審があって無罪になった去年の袴田さんの事件も典型的な冤罪なんですけれども。大川原化工機事件は、2020年の3月に警視庁公安部が大川原化工機社長の大河原さんら3人を逮捕したんだけれども、初公判の僅か4日前に検察が起訴を取り下げているんですよ。つまり、刑事裁判が開かれていないんです。言葉を変えれば、裁判をやるまでもなく検察が『もう有罪立証できません』と。だから自ら白旗を上げて、すごすごと引き下がったっていう意味で言えば、冤罪は冤罪なんですけれども、冤罪って表現すること自体がちょっと憚られるくらいの虚構・捏造・でっち上げという事件ですよね。賠償が命じられるのは当然なんですけれども、逮捕も違法、起訴も違法、取り調べも違法、罪刑法定主義に反するっていうふうに裁判所につい先日、東京高裁の国家賠償請求訴訟の判決で言われて。僕も長い間、刑事事件とか刑事司法とかの取材をしてきて、こんな事件聞いたことないですよ」

長野「いやぁー、ほんとにひどいですよね。そもそもなんですけど『なんでこんなことをしたんだろう?』っていうことですよね」

青木「タイトルに言ってくださった『公安・司法・メディア』っていうことなんですけどね、これ僕に言わせると、僕が取材をしてきたような、あるいは長野さんも取材されてきたような、この国の司法だったり警察だったりの矛盾が、この事件に全て凝縮されているんですけど。いまお尋ねの『なんでこんなことをしたのか?』っていう意味で言えば、すごく深い話なんですけど、ごく簡単にできるだけ言えば、刑事警察って殺人事件がありましたっていったら、現場で聞き込みをしたりとか証拠を集めたりして下から積み上げていって、事件を犯人にも追い詰めてくじゃないですか。公安警察っていうのは基本的に政治警察なのでどっちかっていうと『こいつら危ないな』って思ってるような団体を、公安警察が看守をして情報収集して、何かあったら強制捜査したりとか逮捕したりとかするっていう、ある種、トップダウンの政治警察なんですよ。言葉を変えれば、見込み捜査がお家芸みたいなところがあって、特に政治の意向、冷戦体制だったら共産主義の脅威だとか、あるいは最近だと経済安保とか、中国への技術流出は許さないみたいな政権が旗を振ると、それに合わせた事件を作りにいっちゃうんですよ。で、公安部としては、特に安倍政権で公安警察と政権がものすごく密着をして、その政権が経済安保だっていう旗を振ったので、彼らは『これからは経済安保のところに自分たちのレゾンデートル(存在意義)を持ちたいんだ』っていう欲望と相まって、ある種、事件を作っちゃった」

長野「なるほどぉ」

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