江のピコサポーター 小鳥のオブジェお召し替え 優しさつなぐ、手編み衣装の輪
江ノ電江ノ島駅前の車止めに”ちょこん”とたたずむ小鳥のオブジェ「江のピコ」。手編みの服を着た可愛らしい姿で、通行人や観光客の目を楽しませている。もともと近隣に住む女性が毎月一人で服を着せていたが、同様の動きは全国に広がっていった。今では地元ボランティアのサポートチームによって活動の輪が続いている。
1999年の冬、駅売店で働いていた故・石川カツコさんが「寒そうだから」と服を着せたことが始まりだった。その可愛らしさが観光客の注目の的となり、小さな観光スポットに。その後、近隣に住む小池三四子さんが友人の遺志を継ぎ、服作りを続けていた。
後継者がいないという小池さんの言葉を受け、江ノ電120周年事業の一環として2022年に「江のピコ編み物グランプリ」が開催。編み図を公開して衣装を公募したところ、全国から131点の作品が集まった。
同時に着せ替えの手伝いに手を挙げた人たちによって結成されたのが、ボランティアチーム「江のピコサポーター」だ。江ノ電ファンや、江の島好きで江のピコを撮影していた人など多様な顔ぶれの6人で構成。毎月、グランプリで集まった衣装に着せ替え、インスタグラムで発信を続けてきた。投稿には海外からの反応が寄せられることもあるそう。メンバーの一人で、横浜市から約1時間かけて活動に参加している佐藤由紀子さんは「一着一着手が込んでいて愛を感じる。大好きな江のピコに関われてうれしい」と笑顔を見せる。
より多くの人に活動を知ってもらい、輪を広げようと先月、「湘南江の島春まつり」に出展。事前にサポーターが用意した手編みのマントに、毛玉やフェルトのワッペンなど飾りをつけて衣装を作れる体験会を開いた。「頭のポンポンがかわいいね」、「色使いが素敵」と参加者は盛り上がり、思い思いの衣装が出来上がった。作品の一部は実際に着せ替える予定だ。
今年10月には、手元の応募作品をすべて着せ終わる。これからはサポーターが作成した服を着せることも視野に入れ、新メンバーを募集しているという。
江のピコがおめかしを始めてからおよそ四半世紀。優しさの輪はまだまだ広がっていきそうだ。