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「介護離職」を防げ 近距離モビリティを活用し、高齢者の自立した移動を支援する福利厚生

月刊総務オンライン

「介護離職」を防げ 近距離モビリティを活用し、高齢者の自立した移動を支援する福利厚生

WHILL(東京都品川区)は7月2日、日野エンジニアリング(東京都八王子市)で「WHILL(ウィル)福利厚生パッケージ」が導入されたと発表した。近距離モビリティWHILLを手軽に利用できる社内体制を整えることで、従業員の介護と仕事両立支援を目的とし、企業の福利厚生向けに6月3日にリリースされたパッケージだ。

総人口の約3割が65歳以上 企業に求められる「介護離職」防止策

日本の総人口は減少しているが、65歳以上の人口は過去最高の約3割(出典:総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」)に上り、要介護要支援認定者数も今後増加が見込まれる。

こうした状況の中、2人に1人以上が仕事をしながら親や家族の介護に携わっており、介護を理由に離職する人も年々増加するという事態に陥っている。これらを踏まえ、2025年4月に、働く世代も仕事と両立しながらケアを続けられるよう育児・介護休業法が改正されたが、各企業においてもまた、介護離職への対応が求められている。

介護を理由に離職する人は増加基調

日野エンジニアリングは、今回、従業員が安心快適に働き続けられる制度拡充の一環として「WHILL福利厚生パッケージ」を導入した。同社にも育児・介護と仕事を両立する従業員が在籍しており、幅広い働き方ができる職場づくりを進めてきた。また、障がいを持つ従業員や、一時的に怪我などをした従業員が働きやすいよう、オフィス内にウィルを配備する取り組みも行っている。

日野エンジニアリング本社エントランスに配備されているWHILL Model C2

電動車椅子規格のウィルを、高齢の親が移動手段として利用できる福利厚生

ウィルは介護保険適用対象を含めた4機種が展開され、長距離歩行が困難な人が移動手段や、自動車・自転車の代替として利用できるモビリティ。実際にウィルを利用した人の感想として「外出の意欲や頻度が上がった」「以前は出不精だった家族が楽しそうに出かけるようになった」など、生活の質(QOL)が向上したという声が上がっているという。

「WHILL福利厚生パッケージ」では、電動車椅子規格で開発されたウィルを、導入企業の全従業員(パート・アルバイト含む)とその家族が、低負担かつ柔軟に生活に取り入れることができる。

働く世代の多くが介護で直面する、「親の免許返納を考えているが、その後の移動手段を探している」「介護に付きっきりにならず、家族には自立した生活を送ってもらいたい」「足腰が弱ってきた家族に、国内旅行や家族イベントに参加してほしい」といった要望に対応することで、介護離職の防止につなげていく。

同社は、同パッケージの内容を以下の通りとしている。

 ・ウィル全4機種を対象に、生活に取り入れやすい、かつ柔軟な形での支援

 ・介護福祉、ダイバーシティなどの社内理解を目的とした従業員向け勉強会の実施

 ・ウェルビーイングやD&I推進を目的とした自社主催セミナーなどでの登壇対応

 ・社内理解を目的とした試乗会用デモ機無償貸し出し

発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。

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