大口商店街×横浜創英高 生徒の発想で新商品 第1弾は能登屋の練り物
横浜創英高校=西大口=の生徒たちが、大口通商店街の老舗練り物店「能登屋」と共同で新商品を開発した。商店街の活性化を目指す生徒たちの斬新な発想と、地元に根差した老舗の技術が融合したユニークな商品が、地域に新たな活気を生み出している。
新商品開発の取り組みは、同校の生徒約20人の有志たちが主体となって進める地域貢献活動「横浜創英タウンプロジェクト」の一環。シャッターを閉める店が増えつつある大口通商店街の現状を知った生徒たちが、「地域のために何かできることはないか」と考えたのが始まりだ。
能登屋との連携は、昨年秋に行われた探究学習や、商店街の納涼夜店イベントに生徒たちが協力したことから発展した。
同商店街の会長でもある能登屋の北出貴洋代表は「我々だけでは思いつかない、新鮮なアイデアは非常にありがたい」と高校生との取り組みを歓迎。生徒たちから出されたさまざまな新商品案の中から、若者向けの視点や実現可能性を考慮し、商品化を進めた。
3種類を販売
第1弾として開発されたのは3種類。5月1日から先行販売されている「あまねり」(150円)は、すり身の塩味とあんこの甘さが特徴の意欲作だ。購入客からは「意外な組み合わせだが美味しい」と好評で、プロジェクトメンバーの加藤優翔さん(3年)は「創英の女子生徒からも人気です」と話す。
5月末からは、キャベツや紅生姜が入った「お好み揚げ」と、砕いたヤゲン軟骨の食感が楽しめる「ピリ辛軟骨ボール」の2品も店頭に並ぶ予定。いずれも自社製造の強みを生かし、北出代表と生徒たちが試作と試食を何度も重ねて完成させた自信作だ。
軟骨ボールのアイデアを考えた鹿島哲さん(同)は「何事にも代えがたい経験ができた」と笑顔で話す。リーダーを務めた池田希さん(同)は「自分たちのアイデアが商品としてお店に並ぶのを見て、地域に貢献できていると実感できうれしい」と振り返る。
文化祭でも
生徒からは食べ歩き用のカップなども提案したほか、冬にはおでん向けに肉団子入り商品の販売も計画中。加えて、他店でのメニュー開発も進行しているほか、9月の同校文化祭での試食販売も目指している。