市内4飲食店 観光振興の起爆剤へ 初開催「ブルワリーマラソン」
近年、クラフトビール市場が拡大している。ビアバーの増加や大手メーカーの参入、居酒屋でも取り扱うようになった。市内も例外ではない。あす2月1日(土)から市内4つの飲食店を巡る企画「湘南を楽しもう!ブルワリーマラソン」が初開催。「モキチクラフトビア」(南藤沢)の高橋将太さんは「各店、個性的な味わいのクラフトビールを藤沢のカルチャーにしたい」と展望を描く。
スタンプ集めサービス券に
イベントを主催するのは「モキチ」のほか、「ラープブリュワリー」(湘南台)、「アマテラス」(江の島)、「オーラブリューイング」(藤沢本町駅付近に6月開業予定)。「うちが開店した14年前に比べ、ブルワリー(醸造所)も増えた。ビールで藤沢を盛り上げられないか」と高橋さんは昨秋、以前から親交のあったラープで働く渡辺恭利さんに相談した。他店にも声を掛け、数回の打ち合わせを経て、イベント開催に至った。
企画内容は、それぞれのブルワリーを巡り、クラフトビールまたは料理を注文すると、スタンプカードがもらえる。スタンプが3つたまれば、各店で利用できるサービス券になる仕組み。料理では、酒粕(モキチ)と自家製モッツアレラチーズ(ラープ)を掛け合わせたコラボ料理も用意している。
開催期間は4月30日(水)まで。サービスは5月(オーラは6月)以降に受けられる。
お気に入りの一杯に出合う
1994年の酒税法改正で最低製造量基準が緩和され、全国に多くのブルワリーが誕生した。クラフトビールは「小規模なブルワリーでつくられる多種多様なビール」と定義されるジャンルで、その土地の風土や文化、食材、水を生かしたものが多く、遠方からお目当てのブルワリーを訪れるファンも少なくない。
モキチの一押しは、熊澤酒造(茅ヶ崎市)から毎日仕入れる「HAZYIPA」。グレープフルーツを思わせるジューシーかつ、ホップのほろ苦さを感じる。
「偶然の産物」と前置きした上で「SHONANDAILAGER」を差し出したのは、ラープの小浪直之社長。「醸造の時に麦芽の種類を間違えた。でも試飲してみると、通常のラガーよりも重めでしっかりした味になった」と商品化した。
アマテラスは、湘南の白波のような泡立ちが特徴の「SURFBLUE」などのラインナップ。苦みと香りのバランスが良く、2杯、3杯と飲みたくなる味だ。
会社員とブルワーの”二足のわらじ”を履くのが、オーラの大浦真琴代表。副業のため高額なタンクではなく、業務用冷蔵庫とビニール袋を使用して醸造する島根県の石見麦酒で4カ月、週末に修行を重ねた。まだ開店前だが、すでに12種類は醸造できるという。
「自慢のビールで藤沢を盛り上げたい」。主催者たちは声をそろえた。
問い合わせはラープの渡辺さん【電話】0466・53・9377。