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「プロテストのその先へ」飛ばす力と笑顔を強みに|大学生女子ゴルファー松山りなの挑戦

Sports

「いつか全米女子オープンに出場したい」

純粋無垢な笑顔の奥に、まっすぐに世界を見据える大学生ゴルファーの松山りなさん(以下、松山)。芹澤信雄プロを中心に多くのプロゴルファーを擁する『TEAM SERIZAWA』のメンバーです。国内トッププロにも匹敵する圧倒的な飛距離を武器に、2024年の最終プロテストでは合格まで1打差に迫りました。20歳を迎えたいまの彼女に、これまでの選手生活や将来の目標を伺います。

「1年でスコアを半分に」ゴルフの楽しさを知った小学校時代

ーーゴルフを始めたきっかけを教えてください。

松山)きっかけは家族の影響です。祖父母と母がやっていたので、小学校4年生のときに自分から「やってみたい!」と言い始めました。プロを目指す人の中で、始める時期としては私のまわりだと遅めなのかなと思います。家族がやっていたこともあり、やりたいと言ったあとは気づいたら練習するようになっていたという感じですね。

ーーゴルフの魅力を感じ始めたのはいつ頃ですか?

松山)ゴルフの練習を始めてわずか2ヶ月で大会に出たのですが、スコア168でダントツのビリでした。まわりの方から「よくちゃんと数えたね」と言われたことをよく覚えています(笑)。その会場での出会いから、初めて先生について習い始めました。すごく熱心な先生で「来年はスコアを半分にしよう」と目標を立て、頑張った結果、翌年の大会ではスコアが89になりました。その過程でゴルフの楽しさに気づいていきました。

松山りなさんの幼少期

TEAM SERIZAWAに入って「人生が変わった」

ーー現在はTEAM SERIZAWAで活動されていますが、それはどのような経緯だったのでしょうか?

松山)3年前に、芹澤プロの番組に出演させていただく機会があり、番組の流れの中で「弟子にしてください」と言ったことがきっかけです(笑)。私の本心としても、芹澤プロのことはもちろん以前から知っていましたし、選手としてのすごさだけではなくとても優しくて雰囲気が私に合っていると感じていたので、チームに入れるとわかって本当に嬉しかったですし、まさか本当に叶うとは思っていませんでした。

ーー今振り返って、芹沢プロとの出会いはやはり大きかったですか?

松山)TEAM SERIZAWAで活動させていただくようになってガラッと人生が変わりました。技術面でいえば、もともと飛ばすことだけが得意だった私が、アプローチとパターの名手である芹澤プロにしっかり教えていただいたことでスコアアップにつながったと思っています。環境面では、西山ゆかりプロや林菜乃子プロとも一緒に御殿場で練習させていただく貴重な経験ができています。プロの皆さんがいると気が引き締まりますし、練習も有効な時間になって成長につながっていると実感しています。

ーー松山りな選手自身の魅力や特徴はどのようなところにあると思いますか?

松山)“飛ばす”というところは自分の大きな特徴だと思っています。実は、中学生のころは全然飛ばなくて、200ヤード飛ぶか飛ばないかでした。自分でもなぜかわからないのですが、練習していく中で飛距離が出るようになり、飛ばすのが楽しいという思いが膨らんでいきました。
いまはアベレージで255ヤードくらいだと思います。本当に一打一打、100%の力で頑張って振っています。試合でほかの選手が飛ばしているのをみると負けたくないという気持ちにはなりますね。

TEAM SERIZAWAメンバーの林菜乃子プロ(写真左)との練習は、松山さんにとって貴重な経験になっています。

わずか1打差で届かなかったプロテスト 悔しさを経て次の挑戦へ

ーー2024年のプロテストを振り返って、今率直に感じていらっしゃることを聞かせていただけますか?

松山)正直、今でもふとしたときに「なんで1打で落ちちゃったんだろう」と思ってしまうことはあります。
ただ、悔しさは2023年のプロテスト方がより強かった気がします。二次予選で落ちてしまって、“そこにもいけない私”というのを突きつけられたのですが、今回は悔しさと同時に、「次はいける」と希望も感じることができました。

ーーご自身の中で2025年シーズンの目標にしていることはありますか?

松山)いつも思うのですが、アプローチとパターが苦手なので改善していきたいです。とくに今年はパターに重点的に取り組みたいと思っています。プロテストでも急に暗示がかかってしまって近い距離で打っても入らない場面があったので、メンタルの部分も含めて頑張っていきます。プロテスト合格は当たり前と思って、技術的な課題にフォーカスしながらその先に向けて進んでいきたいです。

2024年 ユピテル・静岡新聞SBSレディースでは、ベストアマを獲得。今後の飛躍が期待されます。

自ら選んだ道で学業とゴルフを両立し、“笑顔”で目指す憧れの舞台

ーー現在は早稲田大学の通信課程に在学されていますね。プロゴルファーも目指しながら大学進学を選んだのはどのような理由があるのでしょうか?

松山)昔から大学に行きたいという思いがあり、高校生の途中までは大学に行ってゴルフ部に入るつもりで考えてました。
高校2年生で初めてヤマハレディースオープンに出させてもらったときに「やっぱりプロになりたい」と思うようになったのですが、大学のゴルフ部に入ってしまうと4年生までプロテストが受けられません。でも進学はしたい、という想いもある中で、いろいろと調べて現在の形になりました。

ーー大学生活はいかがですか?

松山)通信課程なので基本的にキャンパスには通わないのですが、課題やレポートはちょっと大変ですね(笑)。内容としてはいろいろな分野を学んでいるのですが、私は子ども家庭福祉論という授業が好きです。虐待を受けている子どもたちが受けている支援の実態だったり児童相談所の中でも虐待の問題があるというお話だったりと心が痛むような授業ではあるのですが、学びながら私が将来プロになって支援できたらいいなと感じています。

ーーご自身が思う松山選手らしさや、大切にしていることはありますか?

松山)いつも笑顔でいたいと思っています。笑顔は元気を与えてくれると思うので、プレーでうまくいかないことがあったときには意識して笑顔になることで切り替えることを心がけています。

ーー憧れの選手や将来的に出場してみたい大会はありますか?

松山)憧れの選手はリディア・コ選手と原英莉花プロです。以前原プロのツアーを観に行ったのですが、1人だけオーラが違うように感じてとても印象的でした。かっこよくて憧れの選手です。
いつか全米女子オープンという、世界最高峰の舞台に出場したいという想いや憧れがあるので、そこに向けて頑張っていきたいです。

ーーありがとうございました!

鍼のメーカー『セイリン』がスポンサーに

ーー日々のコンディショニングではどのようなことをされていますか?

松山)普段からお風呂上がりに自分でストレッチをしているのですが、それに加えて鍼治療もしていただいています。私は結構首が痛くなりやすいのですが、鍼の力でそれが緩和された感覚があります。

鍼治療をする選手も多いと言われるゴルフ界。TEAM SERIZAWAの選手たちも、シーズンが始まるとなかなか時間がなく、鍼の力を借りて短時間で回復することを重要視している選手も多いとのこと。コンディショニングの幅の広がりが松山選手の競技生活のさらなる追い風になっていくのではないでしょうか。

オリエンタルマート by セイリン

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