犬の目が失明してしまう『危険な病気』4選 見逃してはいけない初期症状とは?
犬の目が失明する主な原因や症状とは
犬の目が失明してしまう原因として、加齢を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、実は加齢だけでなく、若年性の疾患や目以外の部位に関わる病気で失明してしまうこともあります。
また、散歩中の事故や怪我などで失明してしまうケースもあるので、日頃から愛犬が危険なトラブルに遭わないよう注意が必要です。
犬の目が見えなくなってしまうと、周囲のものにぶつかる頻度が増えたり、活動量が減ったり、匂いを頼りに行動する様子を見せたり、飼い主が触れるとびっくりする素振りを見せるようになるといった変化が見られます。
目が見えない不安から、鳴いたり吠えたりする頻度が増えることもあるので、こうした異変が現れたら、早めに動物病院で検査してもらいましょう。
犬の目が失明してしまう『危険な病気』4選
犬の目が失明してしまう原因には、どのような病気があるのでしょうか。ここでは失明原因となる危険な病気と見逃してはいけない初期症状を解説します。
1.白内障
白内障は、眼の水晶体が濁ることで視力低下が進行していく病気です。加齢とともに発症しやすくなるという印象がありますが、実は遺伝性要因が強く、若年でも発症する疾患です。
一度発症すると、白内障を完治する方法はありませんが、早期発見・早期治療によって進行を抑えることはできます。
白内障の初期症状を見極めることは極めて難しいとされていますが、眼球をよく観察し、若干でも白く濁り始めていたら早急に受診することをおすすめします。また、眼科診療を行う動物病院で健康診断を受けると、早期発見につながる可能性が高まるでしょう。
2.進行性網膜萎縮症
進行性網膜萎縮症とは、網膜が徐々に萎縮することで薄くなっていき、視細胞が機能しなくなることで最終的に失明に至る恐ろしい疾患です。
初期症状では、夜や暗い場所で周囲のものにぶつかるようになったり、歩行に不安を感じているような様子を見せ始めます。症状が進行すると、明るい場所でも同じように視力低下を思わせる行動を見せるようになります。
こちらも完治する治療法は残念ながらありません。しかし、進行を遅らせたり、日常生活を快適に過ごせるようケアすることは可能なので、早期発見により生活の質の向上を目指しましょう。
3.緑内障
犬の緑内障は、眼圧が上昇することで視神経や網膜の周りが障害を受け、目の痛みや視覚障害を発症する病気です。こちらも完治する方法は今の所確立されておらず、進行を遅らせる治療が行われます。
初期症状では、目の表面が白く濁ったり、目が以前よりも大きくなったり、白目が充血したりといった変化が現れます。
症状が進行すると、ものにぶつかるようになったり、小さな段差で躓くようになったりと視覚に異常をきたしているような様子を見せ始めるので注意してください。
4.網膜剥離
網膜剥離は、網膜が眼球の内側から剥がれてしまい、視力低下を引き起こします。進行すると、最終的に失明に至るので、早めに治療を行い、進行を食い止めることが重要です。
初期症状では、なかなか症状に気付きにくく、少し症状が進行した段階で左右の瞳孔の大きさの違いが出たり目やにが増えるなどの異常が現れ始めます。また、ものにぶつかったり壁に頭を擦り付けたり、動きが鈍くなるといった行動の変化も現れるでしょう。
網膜剥離は、高血圧などの全身疾患が原因で発症するケースもあるため、日頃から生活習慣に気をつけてください。
まとめ
犬の目が失明してしまう病気には、目に直接的に関係する疾患はもちろん、高血圧や糖尿病など、全身の疾患が原因となって発症するケースもあります。日頃から生活習慣に気をつけ、目の状態や愛犬の行動をよく観察し、少しでも異常が現れたら受診しましょう。
(獣医師監修:寺脇寛子)