新潟のローカルスーパー「原信」で見つけた「ふのりそば」は「へぎそば」と何が違う? 食べ比べてみたら…原信の新潟愛を感じた
新潟県には、「へぎそば」という郷土料理がある。
主な特徴は「へぎ」という器に盛られることと「ふのり」という海藻が使われていること。
県内ではかなりメジャーな食べ物で、新潟県で生まれ育った筆者は小学校中学年くらいまでそばといえばへぎそばのことだと思っていた。
ある日新潟県のローカルスーパー「原信」で、そんなへぎそばに関する気になる商品を発見した。
・ふのりそば?
それがこちらの「ふのりそば」。お惣菜コーナーに置かれていて、価格は税抜き398円だった。
どうやらへぎそばと同じように「ふのり」が使われているようだが……それってつまり「へぎそば」なのでは? わざわざ名前を変えることに、何か理由はあるのだろうか。
そこで、乾麺のコーナーに置いてある「へぎそば」を購入し「ふのりそば」と食べ比べてみることにした。
まずはへぎそばを茹でる。特別な調理法などは必要なく、普通の乾麺と同じようにお湯で茹でれば完成だ。
その間にふのりそばも準備しておこう。蓋を開封してみると、そばの他にめんつゆ・ほぐし水・刻みのり・青ねぎ・わさびがセットになっていた。
これならいつでもどこでもそばを食べられる! お弁当として優秀だ。
2つのそばの準備が整ったところで、いよいよ実食といってみよう。違いに気づきやすいよう、両方を交互に食べてみると……
────なるほど。
まず、味の違いは全くと言っていいほど分からない。どちらもそばの風味が控えめな代わりにツルっとした食感を楽しめる、へぎそばらしい味だった。
ただやはり茹でたてというだけあって、へぎそばの方がより弾力がある。食感だけならそばというより茹でたてのうどんみたいだ。
ふのりそばの方も普通の蕎麦と比べると弾力がある方だとは思うのだが、やはり調理から時間が経ってしまっているためか多少パサパサしている感じがあった。
また、よく見ると麺の色も少し違っている。ふのりそばは淡い緑色だが、へぎそばの方はどちらかというと茶色寄り。
筆者は今まで「へぎそば=淡い緑色」だと思っていたので意外だった。商品によってこんなにしっかり違いがあるんだな。
・原信の新潟愛
ということで、「2つの商品の違いはほぼ食感だけ」ということが分かった。
じゃあなんで名前が違うんだろう……と個人的に想像してみた結果、
「へぎそばは盛りつけに『へぎ』を使う可能性もあるから『へぎそば』。ふのりそばは既にへぎではない器に盛りつけられているから『ふのりそば』」
なのではないかと予想。
ほとんど同じであろう麺を使っているにも関わらず安易に「へぎそば」という商品名にしないあたり、原信って本当に新潟を大事にしているんだな……と思った。
出先で手軽にへぎそばを味わいたい方にはお惣菜コーナーの「ふのりそば」を、へぎそば本来の弾力などをしっかり楽しみたい方には乾麺の「へぎそば」をおすすめしたい。
皆さんも機会があったら、これらの商品で新潟ならではのそばの味を体験してみてはいかがだろうか。
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.