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ニューヨークで「だしの日」祝うイベントが開催

タイムアウト東京

ニューヨークで「だしの日」祝うイベントが開催

トリュフオイルはもう脇に置いておこう。新しい「味の隠し玉」が注目を集めようとしている。

久原本家がアメリカで展開する「Kayanoya USA」が、和食に独特の深みをもたらす「静かな主役」であるだしを祝う、2週間にわたるイベントをニューヨーク市全体で開催している。これは2025年10月15日(水)の「National Dashi Day」(アメリカにおける「だしの日」)に合わせたもの。ニューヨークでも人気の日本食店が集結し、だしのピュアで奥深い、うまみの魅力をを引き立てる、限定メニューやドリンクを提供している。

参加店は、「Taku Sando」「Bessou」「Raku」「Rice & Miso」「Kato Sake Works」の5つのレストランとバー。久原本家の茅乃舎無添加だしパウダーを使った特別メニューが初披露されており、控えめな存在に思えるだしが、スープストックの枠をはるかに超えて活躍できることを示すショーケースとなっている。

ブルックリンの「Taku Sando」では、だしパウダーと黒胡椒入り海塩を使った「だし玉子サンド」が、1日50個限定で登場。チェルシーの「Bessou」では、野菜だしカレーのブレンドを使った「だしカレー唐揚げ」を揚げたてで提供している。

「Raku Midtown」では、ハマグリとマツタケ、そしてもちろんだしを使った贅沢な「マツタケハマグリうどん」を展開。ブルックリンの「Rice & Miso」では、「ダイコンと油揚げの味噌汁」と「オムライスのおにぎり」を組み合わせたセットが楽しめる。「Kato Sake Works」では、自家醸造の日本酒をベースにした「だしインフューズドカクテル」を(文字通り)シェイクしてサーブする。

無添加のだしづくりで知られる、130年の歴史を持つ日本の調味料メーカーの久原本家は、今回のキャンペーンを、アメリカの食文化に改めてだしを紹介する好機と捉えている。

Kayanoya USAが10月に公開した新しいウェブサイト「NationalDashiDay.com」では、「だしは、旨味の純粋なエッセンスです」と、表現。レシピやシェフのストーリー、家庭でも楽しめるハウツー動画などを通して、だしの魅力を発信している。

飲食店とのコラボレーションに加え、同ブランドでは「だしスターターキット」を発売。かつお節やコンブにハードルを感じている人でも、日本の味に気軽に触れられるようにするためのセットだ。

教育的な側面と招待の意味を併せ持つこの取り組みは、スープやソースはもちろん、カクテルやサンドイッチにまで、だしが「静かな深み」を加えられることを伝えている。

「Raku」でうどんをすするにしても、「Kato Sake Works」でうまみを味わうにしても、ニューヨークで開催されるこのイベントが示すのは一つ。意外にもニューヨークの次なるフレーバーブームは、控えめなだしの鍋から生まれるかもしれない、ということだけだ。

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