幻のうどん!? 加賀藩献上の味【高岡屋本舗】江戸期の手延べ製法を260年以上守り続ける氷見糸うどん
富山県氷見市の名物、手延べうどん。
能登からそうめん作りが伝わったのが起源とされ、手延べならではの強いコシともっちりとした食感が特徴です。その味わいにファンも多く、香川の讃岐うどん、秋田の稲川うどんと並べて日本3大うどんに挙げる人もいるほど。
そんな氷見の手延べうどんの老舗として知られるのが、「高岡屋本舗」。
創業は江戸中期。かつては加賀藩に御用うどんとして献上されていたと言われ、260年以上続く歴史を持ちながらも、当時から変わらない手作りの製法を貫いています。
“一糸伝承”の誇り すべて手作業の氷見糸うどん
高岡屋本舗を代表するのが、“一糸伝承”の名を持つ「氷見糸うどん」。
昔ながらの製法を守って作り続けていて、乾麺ではなく半乾燥の半生麺。
コシが強くもっちりした手延べうどん本来の食感やのどごしを味わうことができます。
こねる、ひねる、のばすーー手作業でしか生み出せないコシ
そのコシを生み出しているのが、すべての工程を手作業で行う昔ながらの製法。
足踏みや手こねを繰り返し、さらに手延べで麺を細くしていきます。
板状にのばした生地を切って麺にするのではなく、1本の麺を手作業で延ばしていくことで独特のコシが生まれます。
機械では再現できないため、大量生産には向かない手延べ製法。
太さやこね具合を確かめながら、1本1本、力加減やバランスを手で調整し、延ばしていきます。
延ばしては細く、延ばしては細く…こうして手作りする様子が、まるで糸を作っているように見えたことから「糸うどん」と呼ばれるようになったのだそう。
大量生産や域外流通には向かない“幻のうどん”
手間暇をかけることでしか生み出されないこのコシこそが、氷見の手延べうどんが長年にわたって愛されている理由。うどんファンから讃岐・稲庭と並んで3大うどんに推す声があがるのも納得です。
そんな定評の反面、大量生産には向かず、地域外での流通もわずかに限られていたことから、なかなか味わうことができない“幻のうどん”との呼び声も。
物流の発達によって以前よりは通販などで手に入れることが簡単になりましたが、それでも量より質にこだわり、“一糸伝承”の誇りとともに昔ながらの製法にこだわっています。
細めん、よもぎ、昆布…さまざまなラインナップ
高岡屋本舗では、糸うどんのほかにも、太さの違う細めんや、昆布うどんやよもぎうどんなど、さまざまな商品をラインナップしています。
細めんは、そうめんにルーツを持つ手延べならではのつるんとしたのどごしが自慢で、冷たい出汁につけて食べると◎。さらに練りこんだよもぎの風味や昆布のうまみを味わううどんも気分や季節によって楽しめそうです。
富山土産としても上位にランクインする氷見の手延べうどん。おうちで楽しむのはもちろん、贈答などにもどうぞ。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2025年1月15日放送
記事編集:nan-nan編集部
【高岡屋本舗】
住所 富山県氷見市伊勢大町1丁目6−7
営業時間 月~金曜 8:30~19:00
土・日曜 9:00~19:00
定休日 1月1日