シクフォニ「このメンバーと一緒にここに立てていることを誇りに思います!」 2日間で約16,000人を魅了、幕張メッセ公演をレポート
SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅰ -CHAOS-
2024.10.27 幕張メッセ イベントホール
超大型オーディションで見事に運命をつかみ取った6人からなる、2.5次元タレントグループのシクフォニ。2024年8月に結成2周年を迎えますます勢いに乗る彼らが、10月26日・27日に千葉・幕張メッセ イベントホールにて『SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅰ -CHAOS-』と題した2ndライブを開催。ダークでカオスな世界へいざない、嬉しいお知らせも届けてくれた2日目の模様をお伝えする。
2日間で約16,000人を動員した今回のライブ、もちろん客席は超満員だ。オープニング映像に続き、ギリシャ建築柱がそびえるステージに姿を現し後ろ向きに横並びとなった6人。暇72(ひまなつ)は赤、雨乃こさめは水色、いるまは紫、LANはピンク、すちは緑、みことは黄色と、スタイリッシュな新衣装をまとったそれぞれの背中がメンバーカラーのライトを浴びると、シクファミ(シクフォニファンの呼称)が大歓声を上げる。すかさずの1曲目は、2024年10月5日に動画公開された「Sledgehammer」だ。気迫に満ちた歌とフォーメーションダンスでいきなり圧倒する6人は、歌詞さながら“王”の風格を漂わせている。<妥協はしない><怯まない>6人の精神性を宿した「d0gmq」、それぞれの個性と<天上天下唯我独尊!!!>ぶりを思い知る「SHALL WE GONG!?!? -1st battle-」とたたみかければ、メンバーカラーのペンライトを大きく振るシクファミの熱狂も加速していく。
お互いのネイル自慢をしつつ順繰り自己紹介をし終えると、次々とマイクトラブルに見舞われていく6人。ついには照明まで落ちて何事かと案じていると、再びライトが照らしたステージには椅子に座った6人の姿が。すらりと伸びる足を組み替えながらのチェアダンスを披露した「しっくす。」、とんでもなく中毒性が高いではないか。
柔らかパステルカラーのライトの下でポップに歌ってダンス……かと思いきや狂気的な混沌の渦に巻き込む「MeDi信」の最後にステージに倒れ込んだ6人。「本公演はシクフォニメンバー消失のため以上で終演となります」というアナウンスに続きエンドロールが流れ始めるというまさかの展開にざわめく場内だったが、これもシクフォニらしい仕掛けのひとつ。映像に忍ばせた“反撃は終わらない”というメッセージ通り、ソロステージでライブを再開することとなった。
「昨日に負けないくらいの声聴かせてくれ!」と呼びかけ、「Breaking down」でロック&パワフルな歌声で高ぶらせたすち。「Rainy Journey」のキュートな歌声と軽やかステップでかわいいを極めた雨乃こさめ。「鏡鬱し」で狂気をはらんだ高笑いに始まり変幻自在な歌声で翻弄した暇72。それぞれに作詞も手がけるソロ曲は3人3様、放たれる個の色はとても鮮烈だ。
それぞれのメンバーカラーのジャケットにお召し替えした6人は「アンダーリズムサーカス」で再びステージにそろい、和情緒漂う「Kiss in the Dark」では華麗なターンも。同じく和情緒が映える「六幻」では儚げな歌声をていねいにつないでいく。
「迎えに来ました幕張メッセ!」と手を差し出し、最後にはひざまずいて愛を誓った「Juliet」でキラキラ眩い王子様オーラを放ったみこと。切れ味鋭いラップナンバー「Villainous」で「俺が選んだおまえだけは最後まで守り抜く!」と宣言したいるま。メンバーとシクファミへの愛を感じずにはいられない「Flags」にありったけの想いを込めたリーダーのLAN。このソロパートでも、それぞれの歌詞・歌唱・パフォーマンスに個の色がはっきりと浮かび上がっていた。そんな6人が集うシクフォニは、可能性の宝庫でもある。
暇72、雨乃こさめ、すちが客席を3つに分けて“ドキドキウェーブ対決”を繰り広げたのち、いるま、LAN、みことがステージに合流。見覚えのある黒いマント衣装をまとい、いるまの「せーの」でシクファミがタイトルコールしたのは1stオリジナルソングの「J0KER×JOK3R」だ。大舞台でマントの裾を翻しながら堂々歌い踊る“始まりの曲”に、どうしたって胸が熱くなる。
演出のファイヤーボールが豪快に噴き上がった2周年記念楽曲「Burn it All」、メンバーもシクファミもみんなでタオルをぐるんぐるん回した「Desperate Track」と、“頂点を掴み取る”覚悟を見せた6人。シクファミに今伝えたいことを言葉にしていった。
暇72「今日のライブを迎えるまでに、新しい環境に変わったりして正直大変だった。でも、ここまでやってこられたのはリスペクトできるメンバーがいたから。今日は支えてくれた周りの人と拳を交わして感謝を伝えたんだけど、おまえらとも拳を交わしたい。本当にありがとう」
すち「世界観増し増しのライブができました。夏に事務所から独立してここまでくるのに、メンバー同士でぶつかることもあったけど……それはお互いにシクフォニを大事に想っているからで。個人的に痛めている足や歯をちゃんと治して、また戻ってきます!」
みこと「なにをやっても長続きしなかったけど、やっと出会ったシクフォニ、僕はこの活動が大好きです。なにもなかった僕を受け入れてくれて、居場所を与えてくれて、生きる意味を与えてくれてありがとう。僕の活動が誰かを笑顔に、幸せにできていたら嬉しいです」
いるま「この2日間、最高の時間をすごさせてもらいました。独立後、マジでメンバー同士ぶつかることもあったけど、これだけ多くのリスナーさんに支えてもらってこのステージに立てました。このメンバーと一緒にここに立てていることを誇りに思います!」
雨乃こさめ「自分にとって歌もダンスもするっていうのは苦手なことなんだけど、今日は報われたような気がしました。僕の座右の銘は、“楽しくないと活動じゃない”。今日も楽しいライブができて本当によかったです、ありがとう」
LAN「メンバーみんな、この先のことも考えて全力で活動をしています。ケンカをしたのは実はすちと僕なんですけど、メンバーと一緒にいたい、シクフォニでいたいという気持ちは同じ。嘘偽りなく、手を抜くことなくこれからも活動していくので、見守っていてください」
それぞれの胸中を明かし、「ありがとうな」と言い合って肩を組んだメンバー。6人はもちろん、シクフォニとシクファミを結ぶ絆も決して揺るがない。
カラフルなテープがステージ両サイドから勢いよく飛び、大きなコール&レスポンスで一体感を高めた「2 many fighterz」。「夢みたいな景色でした、これからも夢みたいな景色を現実にしていきます!」と頼もしく決意表明した「eND oF FaNTaSY.」。メンバーがステージを去ったあとには、2025年開催の待望の1stライブツアーが告知され、シクファミの歓喜の声が響いた。
グループの正式名称「シクスフォニア(SIXFONIA)」の由来は、英語で6を表す“Six”と、交響曲を表す“sinfonia”からなる造語であり、“6人で新しい音楽を作っていく”という意味が込められているという。シクフォニは、これからもシクファミとともに色鮮やかな希望を奏でていく。
文=杉江優花