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カラフルに光る魚はうまいのか? 焼いてもまだ光る<イトヨリダイ>を食べてみた

サカナト

イトヨリダイ(撮影:俊甫犬)

ある日、鮮魚店をのぞいてみると、イトヨリダイが1230円で売っていました。

大きさは20センチ弱で、他にもホウボウとイトヒキアジが並んでいたので迷ったのですが、縁があるイトヨリダイを選んで購入してみることに。

【画像】原料にイトヨリダイを使用することもある鹿児島の名物

というのも、3年前の1月、筆者は漁港で新鮮なソコイトヨリというイトヨリダイの近縁種を拾ったことがあるのです。せっかくだから食べてみようと思ったのですが、元々死んでいたものを食べるのは危険だと判断し、その時は味を確かめるのに至りませんでした。

イトヨリダイってどんな魚?

イトヨリダイはスズキ目イトヨリダイ科の代表種。近縁種にソコイトヨリがいて、タマガシラの仲間もこの科に分類されます。

水深18~250メートルに生息し、日本では新潟県~九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、鹿島灘~九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海に生息しています。

ソコイトヨリ(撮影:俊甫犬)

イトヨリダイとは、お腹側の色で見分けることができます。鮮やかな黄色をしているものがソコイトヨリ、白いものがイトヨリダイです。

イトヨリダイ(撮影:俊甫犬)

イトヨリダイの体表の驚くべき特徴とは

イトヨリダイは、体表の黄色いラインに驚くべき特徴があります。ブラックライト(紫外線)を当てると黄色のラインが光るのです。

ブラックライトを当てると光る!(撮影:俊甫犬)

紫外線を当てると光るというのは、イトヨリダイのみならず、この水深に生息する魚類によくある特徴。一説によると、彼らは紫外線が見えており、仲間を見つけるためとされているのだとか。

イトヨリダイをさっそく調理してみる

捌いてみると、腹膜も鮮やかなオレンジ調のピンク色で、お腹の中までトロピカルな雰囲気です。

鰓耙(さいは)と呼ばれる、エラに付属するプランクトンを濾して食べるための器官があり、一定の間隔を開けてフォーク状の短い棘が生えています。まるで、見た目はラブカの歯のようですね。

イトヨリダイの鰓耙(撮影:俊甫犬)

頭と骨はオーブンで焼き、出汁として使用します。

ちなみ調理した後に紫外線を当てていたところ、まだ発光していました……!

まだ光るイトヨリダイ(撮影:俊甫犬)

まずはアクアパッツァ風で食す

三枚おろしに苦戦して、肉がうまく切れず、少し見栄えが悪くなってしまいましたが、うまく可食部をゲット。味付けはシンプルにニンニクと塩・酒のみで、素材の味を優先してみました。

味は普通(撮影:俊甫犬)

味は白身魚らしく淡泊なのですが、深い味わいとさわやかな香りがして美味しかったです。

鱗煎餅と出汁を取ったラーメン 骨煎餅にも挑戦

イトヨリダイラーメン(撮影:俊甫犬)

出汁を取ると旨味と香りが立ち、インスタント麺ですら上品な一品に。思わずスープを全部飲み干してしまいました。

調理中に取った鱗も、揚げればパリパリになり、塩を振ると美味しく食べられます。かなり質の良い“スナック菓子”ですね。

イトヨリの骨煎餅

頑丈な骨も食べられます(撮影:俊甫犬)

骨煎餅は、出汁を取るのに使った骨を揚げて食べられるようにしたもの。

イトヨリダイでも作ってみましたが、骨が丈夫で、しっかり揚げないと骨が噛み砕けず、なおかつ鋭いので危険。あまりおすすめはできませんが、カリカリ食感がくせになります。

筆者は鮮魚店で普段あまり売られないものをみると、ついつい気になってしまう性分。今回はようやくイトヨリダイを食すことができました。

普段は見かけない魚も購入してみると、楽しいですよ。

(サカナトライター:俊甫犬)

参考文献

中坊徹次(2018)、小学館の図鑑Z 日本魚類館、小学館

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