業務用オーブン内で19歳のウォルマート従業員焼死 同じ職場の母親が発見の悲劇(カナダ)
カナダ、ノバスコシア州ハリファックスのスーパーマーケット「ウォルマート」で19日、インド出身の19歳の女性が業務用オーブン内で死亡した。死因は明らかになっていないが、遺体を見つけたのは同じ職場に勤務していた母親だった。カナダのニュースメディア『CBC.ca』などが報じた。
【写真】従業員が命を落としたウォルマートのハリファックス店は、現在も閉鎖されている
19日夜、ウォルマートのハリファックス店に勤務していたグルシムラン・カウルさん(Gursimran Kaur、19)が、ベーカリー部門のウォークインオーブン内にて変わり果てた姿で発見された。ウォークインオーブンは業務用で、人が一人入れる大きさであり、外からは鍵がかけられないという。
グルシムランさんの家族を支援するために立ち上げられたクラウドファンディングプラットフォーム「GoFundMe」の専用ページによると、シーク教徒のグルシムランさんは母親と一緒にイギリスからカナダに移住し、2年前から親子でウォルマートで働いていた。ところがその夜、母親は娘がいないことに気づき、1時間経つと不安を感じて捜し始めた。
同僚らに「娘を見なかったか」と聞いて回ったが、「ここは大型店なので、きっとどこかで客の対応に追われているのだろう」と相手にされなかった。さらに携帯にも連絡がつかず、母親は「娘がこの時間帯に携帯電話の電源を切っているのはおかしい」とパニックに陥り、店の管理担当者に助けを求めた。
そして数時間後、母親がベーカリー部門のウォークインオーブンのドアを開けたところ、グルシムランさんの焼け焦げた遺体を発見した。
ハリファックス地域警察が「ベーカリー部門のオーブン内に女性が閉じ込められている」との通報を受けたのは午後9時半頃で、通信指令員は「オーブンは加熱された状態で、店のスタッフが電源を切ることができるかどうかは分からない」と伝えていた。
ただ、ハリファックス地域警察が到着した際、遺体はすでにオーブンの外に出されており、グルシムランさんはその場で死亡が確認された。
なお、ハリファックス店は現在も閉鎖されており、同地域警察は「捜査は複雑化し、長期化する恐れがある」と述べ、グルシムランさんの死が事故なのか、それとも事件性があるのかについては明かしていない。
グルシムランさんの悲劇の死を受け、インド北西部パンジャーブ州在住の父親と男きょうだいは緊急ビザが下り次第、カナダに駆けつける予定だ。また、母親はショックを受け、心理カウンセリングを受けており、「娘がオーブンの中でどのようにして命を落としたのか。なぜ自分が捜し始めるまで、誰も気づかなかったのか。一刻も早く答えて欲しい。娘のために正義を!」と語っているという。
今回のニュースには、次のような様々なコメントが寄せられている。
「なんて恐ろしいことだろう。」
「ウォルマートで働いたことがあるけど、あのオーブンはウォークイン冷凍庫と同じ構造。もしドアが閉まっても、中から開けられるはずだよ。」
「あの店のオーブンの鍵が壊れていたという噂もある。」
「業務用オーブンに入る際は、2人で作業すべきだ。」
「私もウォルマートのベーカリーで働いていた。オーブンの中に閉じ込められるなんて不可能だよ。何かがあったに違いない。」
「中に入った後で心臓発作を起こしたか、薬物を摂取して中で倒れたか、誰かに殺された後で中に閉じ込められた可能性もある。私はウォルマートで20年働いているが、ウォークインオーブンのスイッチは外にある。加熱されているオーブンに入るとなると、靴底が溶けてしまうので中には入れないはず。誰かが故意にドアを閉め、オーブンのスイッチを後から入れたのかもしれない。死因が重要なカギになる。」
「これは殺人か名誉殺人の可能性がある。貴重な若い少女の命が、こんな非情な方法で失われるとは。何があったのか解明して欲しい。」
「母親のことを思うと心が締め付けられる。彼女の心の傷が癒えることはないでしょう。でも、彼女が少しでも前に進めるように祈っています。」
ちなみに痛ましい事故では2022年に、米イリノイ州の鋳物工場で、39歳の従業員男性が摂氏1500度近い炉の中に転落し、死亡した。現場には体半分だけが残っていたことが伝えられていた。
画像は『New York Post 「Teen Walmart worker found burned to death in walk-in oven ID’d ― and was found by her mom」(GoFundMe)(AP)』『Tushar Goyal Instagram「Waheguru Waheguru」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)