【茅ヶ崎市】 「マイナ救急」実証始まる 医療情報を現場で確認
健康保険証と紐づいたマイナンバーカード、いわゆる「マイナ保険証」を活用し、医療機関への迅速な救急搬送につなげる「マイナ救急」が1日から、全国一斉に始まった。茅ヶ崎市消防本部ではすでに実証事業を昨年から行っているため、これを機にInstagramを使い、仕組みの周知やマイナ保険証への登録の呼び掛けを強化する方針だ。
119番通報で駆けつけた救急隊員は現場で傷病者から名前や生年月日などの基本情報のほか、かかりつけ病院などの情報を聞き取りで確認しているが、病気やケガで説明できない場合がある。
マイナ救急では、救急隊員がカードリーダーを使ってマイナ保険証を読み取り、患者の医療情報などを照会できるオンラインシステムから必要な医療情報を閲覧できる。また、本来は傷病者の同意を得て閲覧しているが、意識がない場合などには例外的に同意なしで閲覧できるという。
市消防はマイナ救急の実証開始に伴い、昨年に引き続き、今年4月1日から9月25日の間、実証事業を実施。7940件の出動件数のうち、救急隊員がマイナ保険証の閲覧を必要と判断した事案は114件(全体の1・5%)あった。交通事故で意識のない傷病者や、服用薬を把握できていない高齢者の情報を閲覧し、持病などを確認した上で適切な医療機関に搬送できた事案が報告されている。今後はSNSなどで周知に努める方針。北畑晶久消防指令長は「マイナカードを随時携帯してもらい、保険証への登録を進めてほしい」と呼びかける。
マイナンバーカードの保有率は茅ヶ崎市が81・0%(8月末時点)、寒川町が92・47%(同)。