緑区内の救急概況 出場件数、過去最多を更新 火災は10件減少
横浜市消防局はこのほど、2024年の市内での火災・救急概況(速報値)を発表した。救急出場件数は3年連続で過去最多を記録。緑区内での件数も過去最多となる1万1840件(前年比298件増)に上った。
熱中症患者増など背景か
同局の発表によると、市全体での救急出場件数は25万6481件。前年比1845件増加となった。行政区別にみると、最多は港北区の2万313件。緑区は18区中12番目の多さだった。
緑消防署によると、緑区での救急出場件数はこのところ増加の一途をたどっている。近年の推移をみると、20年が8726件、21年が9224件、22年が1万745件、23年が1万1542件。昨年、過去最多数を更新した背景について、同署の担当者は「昨今の異常気象による熱中症患者数の増加や、冬季のインフルエンザの流行などが大きな原因と考えられる」としている。
事故などの未然防止を
救急出場件数増加への対策として、市消防局は、救急車が必要となる事故などを未然に防ぐ「予防救急」や、119番通報の適正利用に向けた市民の理解促進を呼び掛けている。24年度からは「『あんしん救急』―知って予防!救急車―」をキャッチフレーズに、予防救急に関するリーフレットの作成など、さまざまな取組を展開。本当に必要なときにこそ市民が救急車を利用できるよう、救急体制の維持に取り組んでいる。
火災での死者数増加
また、市は24年の火災件数も発表。市全体では前年比55件減の678件だった。ただ(放火自殺を除く)火災による死者数は24人で、過去10年間では16年と並び最多となっている。
緑消防署によると、緑区内での火災件数は昨年16件で、前年比10件減少。ただ、火災による死者数は、前年は0人だったが24年は3人となっている。主な出火原因は「放火(疑いを含む)」「こんろ」が最も多く、「たばこ」、「電気機器」「たき火」と続いた。