【ピグマリオン効果】信じて期待すると潜在能力を引き出せるワケ【相手のNOをYESに変える ズルい言い換え事典】
やる気と潜在能力を引き出す
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信じて期待すると潜在能力を引き出せる
部下に業務を依頼する際のモチベーションの上げ方についていくつかの方法を紹介してきたが、ここでは「ピグマリオン効果」について説明したい。
ピグマリオンというのは、ギリシヤ神話の登場人物の1人で、その逸話は自分で彫った女性像に恋をしてしまい、思い続けていたら本当に人間になったというものだ。そこから転じてピグマリオン効は、期待をかけて信じると、実際にそれが叶うという効果をさす。
提唱した心理学者のロバート・ローゼンタール博士は、ある小学校で「学力が伸びそうな生徒がわかる検査」という名目でテストを行い、結果だとして「学力が伸びる生徒の名簿」を担任の先生に渡した。実際は無作為に選んだ生徒のリストだったにもかかわらず、先生から期待の眼差しを受けた生徒たちは一年後、本当に成績が向上したという。
期待値の高さを効果的に相手に伝えるべし
これは、誰かに期待をかけられることによって、人は能力が向上するということを示している。つまり、「ちゃんとやれ!! なんでこんなこともできないんだ!」ではなく、「やればできるよ!」と期待して声をかけることこそ、部下や生徒の育成には有効なのだ。
ある野球監督が「打てないから起用しないんじゃない。君が打者として素晴らしいことはわかっている。守備に集中する姿勢を練習でも見せてほしい」と言ったところ、その選手は「自分の打撃は信頼されている」と自信を持ちつつ、モチベーション高く守備練習に取り組むようになったという。
このことからも、立場が上の人間は信頼や期待をもって下の人と接するのが上策だと言える。期待をされた部下はそれを敏感に感じ取り、上司の熱い眼差しや指導を意気に感じて結果を出してくれるはずだ。
「君ならできる」「頼むぞ!」「君しかいない」など、信頼や期待を込めた殺し文句も有効だ。相手はモチベーション高く、あなたの期待に応えてくれるだろう。
部下の能力アップのコツ
×ダメ出しばかりで自尊心を傷つける
自己肯定感は下がるばかりで、モチベーションは上がらない。
○期待の高さを日々伝えていく
期待されていることによって、部下はそれに応えようと努力する。
【出典】『相手のNOをYESに変える ズルい言い換え事典』監修:齊藤勇