国士大 ドローン国家資格「取得場」に 都内大学で初認定
町田、多摩両市にキャンパスを構える国士舘大学(佐藤圭一学長)がこのほど、ドローンの国家資格(無人航空機操縦士資格)の実技試験実施機関に認定された。東京都内の大学では初めて。最初の試験が多摩南野キャンパス(多摩市)で先ごろ行われた。
ドローンの国家資格講習機関に認定後、初めて行われた試験に臨んだのは同大学のスポーツ医科学科4年生の高橋亜樹良さん。将来、救急救命士になることをめざしている高橋さんは「実際、災害現場に出た際にドローン操縦ができると便利だと思った。災害時、人が行くことができない場所でも、状況を映像で見ることができたら災害の役に立てる」と資格取得を決めたという。
試験は机上試験や実技試験のほか、口述審査がある。講師は同大学防災・救急救助総合研究所に所属する救急救命士の都城治さんが務め、キャンパスの中庭に設置された試験場で、機体のチェックや決められた工程でドローンを操作するなど、実技試験が実施された。
一対一での試験は緊張感に包まれたが、高橋さんは合格し、国家資格を取得した。都さんは「事故がなく無事に終えることができて良かった。これまでは民間資格を取得することしかできなかったが、体制を整えたことで国家資格が得られるようになった」と笑顔。広い中庭の上空にネットをはり広い屋内に見立てるという環境を整え、講師ができる人的リソースがあることなどが認定の基準にあてはまったという。
同大学がドローン活用に関する資格取得などを推進するのは、2014年から続く防災教育に始まる。東日本大震災を教訓に、大学に防災・救急救助総合研究所を設置。14年度から全新入学生に防災基礎教育の導入などをしてきた。
昨年度には全学共通教育科目として「災害とドローン」を開講。そして、受講者から国家資格の取得希望の声が多く寄せられたことから体制整備を続けてきたという。
受験を受けられるのは大学に在籍するすべての学部生、大学院生、教職員を含む関係者といい、今後、「災害とドローン」の修了生が試験を受けていく予定になっている。