八王子実践 全日本、10年連続出場へ 春高バレー 初戦は1月5日
台町にある体育館で日夜練習に励む八王子実践高等学校女子バレーボール部が今年も「第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(春の高校バレー)本選に出場する。今回で10年連続47回目の出場となる快挙。1月5日(日)の開幕前に、選手や監督に話を聞いた。
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春の高校バレーは高校三大タイトルのひとつで、東京は強豪校がひしめく激戦区。昨年11月に行われた東京都代表決定戦で八王子実践は、準決勝で勝利し本選出場を決めたものの、決勝戦で敗退。東京都第二代表となった。
同部で27年監督を務める貫井直輝さん(53)は「春高には東京都から3チームが本選に出場できるが、やはり難しい。伝統校で10年連続、といっても選手にとってはいつも新鮮なもの。その年その年で最善のことをやっていくしかない」と話す。
八王子実践は春高常連校として知られるが、今年のチームには全日本ユースに選ばれるような選手はいない。レギュラーに3年生は少なく、下級生が中心のチームだ。
本音で育む全員バレー
「超高校級がいない分、とにかく全員が同じ立場でやってきた」と話すのはキャプテンを務める3年生の市川悠乃(ゆの)さん(18)。23人の部員のまとめ役だ。
同部の強みは寮生活から生まれる結束力。練習を終え、就寝前の午後9時に集合し、毎日ミーティングを行っている。プレーの反省点や練習に取り組む姿勢などについて本音で話し合うことを重視し、チームワークを育んできた。「日本一を掲げて練習してきた。最後に達成したい」と意気込む市川さん。
同部は2024年の春から都大会でベスト4、関東大会でベスト16、インターハイ東京都予選会では1位通過したものの本選ではベスト8と悔しい思いを続けてきた。
試合で司令塔を務めるセッターの窪田倖叶(ゆきな)さん(17)は春高本選出場決定の瞬間を「とりあえずホッとした」と振り返る。「これまで悔しい形でおわることが多かった。私たちは挑戦者。全員でつないで、どこにあげても決まるように粘り強いバレーをしたい。一戦一戦勝って、そのたびに強くなりたい」と頂点を見据える。
不断の努力称え晴れ舞台へ
貫井監督はバレーボールの魅力について「誰か1人がすごくてもだめ。1人じゃ点を獲れない。仲間を大事に、感謝や謙虚、素直さが大事」と語る。悔しい、苦しい思いをしてきた今年の選手たちへ「努力し続けることはできたのがいいところ。辞めるのは簡単。春高に出てくるチームに弱いチームはない。3年生にとっては最後の晴れ舞台。しっかり準備して、思い切りバレーボールを楽しんでほしい」とエールを送る。
同大会は渋谷区にある東京体育館で、12日(日)まで開催される。八王子実践の初戦は5日に、旭川志峯(北海道)と対戦する。