猫の『歯磨き』しないと全身に悪影響が…サボらず習慣化したほうがいい5つの理由
猫に歯磨きは必要?
猫の歯磨きは、猫の健康管理においても非常に重要な要素です。色々な報告はありますが3歳以上の猫の約8割が歯周病に罹患しているとされ、この数字からも歯のケアの必要性が明らかといえます。
「野生の猫たちは歯磨きしていないのに、どうして?」と思われるかもしれません。
しかし肉食動物の猫は、本来獲物は丸のみスタイル。歯に汚れが付きにくく歯周病にはなりにくい動物なので、歯磨きの必要性は低いのです。
ただ家庭で過ごす猫たちのフードといえば、ドライフードやウェットフードですね。これらは動物の肉と違って、手軽な反面、歯に汚れが残りやすいデメリットがあります。そのため、歯磨きを取り入れる必要があるのです。
とくにウェットフードはドライフードよりも汚れが付着しやすいので、ウェットフードを食べる猫たちはとくに注意しなければいけません。
可能であれば毎日、少なくとも週に2~3回の歯磨きが理想といえます。
猫の歯磨きを習慣化したほうが良い理由5つ
1.歯周病を防ぐ
猫の歯磨きをする大きな理由は、歯周病を予防するためです。
歯周病は細菌の感染によって引き起こされ、歯茎の炎症、歯の喪失、口臭などの症状を引き起こす病気です。進行すると歯が抜け落ちたり、炎症が生じたり、全身への健康被害を引き起こすこともあります。
そのため日々の歯磨きで菌の繁殖を抑え、健康な歯茎を保つことは大切なのです。
2.口臭の改善
猫の口臭は病気以外では人間同様、口内のケア不足も原因のひとつです。
ただし歯磨きをすれば清潔な口内環境を維持できるので、口臭をかなり抑えられるようになるでしょう。飼い主にとっても、猫の口臭が軽減されれば猫との接触がより快適になるはずです。
3.全身の健康を守る
口の中のトラブルは、全身に影響を与えることがあります。猫の場合は心臓や腎臓などに影響を与え、深刻な病気を引き起こすリスクが高くなるのです。
なかでも猫は腎臓病にかかりやすい動物なので、猫の病気予防の一環としても定期的な歯磨きは欠かせません。
4.病気の早期発見
日々の歯磨きの過程で、飼い主は猫の口内の状態を観察することができます。
これにより出血や腫れ、歯の欠損などの異常を発見できて、早期の治療が行いやすくなるでしょう。病気が重篤化する前に適切な対策を取れるのは、大きなメリットといえます。
5.行動や食欲の改善
口腔内の不調は、猫の行動や食欲にも影響を与えることがあります。たとえば痛みや不快感が原因で攻撃的になったり、食べ物を拒否するようになったり。
しかし定期的な歯磨きで口内環境を整えられれば、猫のストレスや食欲の低下を抑制し、より健康的な生活をサポートできるでしょう。
猫の歯磨きの手順
猫の歯磨きは、猫の健康を維持するために非常に重要なケアです。歯磨きに慣れてもらうためにも、子猫のときから始めるようにしましょう。
準備するもの
✔猫用歯ブラシ
✔猫用歯磨き粉(人間用はNG)
✔ガーゼや歯磨きシート
猫を落ち着かせる
猫を落ち着かせてから歯磨きを始めましょう。無理に押さえつけたりすると、猫が歯磨きを嫌がってしまうことがあります。優しく声をかけたり、撫でたりして、猫がリラックスできる状態で行いましょう。
口周りを触る
まずは、猫の口周りを優しく触ることから始めます。頬やマズルを触り、徐々に口の中に触れるようにしていきます。猫が嫌がる場合は、無理に進めないようにしましょう。
歯ブラシに慣れさせる
歯ブラシに歯磨き粉をつけ、猫の口元に近づけます。猫が興味を示したら少しずつ歯ブラシを口の中に入れ、歯に触れさせます。最初は歯ブラシを噛ませるだけでも大丈夫です。
歯を磨く
歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、優しく丁寧に磨きます。力を入れすぎると、歯茎を傷つけてしまうことがあるので注意してください。
奥歯は口の端からブラシを入れてもOK!磨き残しをないようにしましょう。
褒めてあげる
歯磨きが終わったら、猫をたくさん褒めてあげましょう。歯磨きを嫌な時間にするのではなく、楽しい時間にするように心がけてください。
まとめ
猫の歯磨きは、飼い主さんにとって少し大変な作業かもしれません。しかし歯磨きをしないと、歯周病や口腔内トラブルを引き起こすだけでなく、全身疾患の原因にもなりかねません。
猫の健康を守るためには、歯磨きは非常に重要なケア。なるべく早い時期から歯磨きを習慣化し、猫と健康で楽しい毎日を過ごしましょう。
(獣医師監修:加藤桂子)