焼酎(未開封・開封後)の賞味期限はどのくらい?保存方法や扱い方は?
未開封の焼酎の賞味期限
焼酎の場合には基本的に賞味期限や消費期限がありません。なぜなら、一般的に焼酎のアルコール度数は20度以上あり、度数の高いアルコールの中で雑菌が増殖することができないためです。一般的に雑菌やウイルスにはアルコール消毒をしますね。
雑菌が繁殖することができる環境よりも焼酎のアルコール度数ははるかに高いため、焼酎には高い殺菌効果があり、それによって雑菌が増殖して食中毒を起こす懸念もありません。こうしたことから、未開封の焼酎ならば賞味期限、消費期限ともに気にせずに扱うことができます。
開封後の賞味期限
前述した通り、焼酎に賞味期限や消費期限はありません。それでは、開封した焼酎の場合は、どのくらいを賞味期限にすればよいのでしょうか。
開封後も賞味期限はない
焼酎は上記の通りアルコール度数が高いので開封後も腐ることはありません。開封後はホコリの混入を防ぐためしっかりと蓋を閉めて保存しましょう。
風味は落ちるのでお早めに
一度開封した焼酎は、風味が劣化してしまいますので、できるだけ早く消費するのがベストですね。
万が一、開封から長期間経過してしまい、飲んだ際に劣化していると感じた焼酎は、お料理などに使うと処分せずに有効に活用できます。焼酎は、日本酒と同じように料理に使うことができます。煮物をする際や、お肉、お魚の下味付けなどに活用しましょう。
焼酎ラベルに書かれた日付
前述した通り焼酎に賞味期限はありませんが、ラベルには日付が記載されています。賞味期限と勘違いしてしまいそうですが、これは「詰口(つめくち)年月日」と言われるものです。詰口年月日は焼酎を瓶詰めした日付のこと。
適切な方法で保存をしていれば、長期間保存していてもおいしさをキープできます。しかし、保存環境によっては焼酎が劣化してしまい、味や品質が損なわれてしまうこともあるので、詰口年月日を参考にしながら、適切な環境で保存をするようにしましょう。焼酎の保存方法については、次の章で詳しく解説します。
【まとめ】焼酎の賞味期限・消費期限について
焼酎に賞味期限・消費期限はない(アルコール度数が高く雑菌が増殖しない)
開封後の賞味期限もないが、風味は落ちるので早めに消費する
ラベルに記載されているのは「焼酎を瓶詰めした日付(詰口年月日)」
詰口年月日も参考にしながら、適切な環境で保存することが大事
未開封の焼酎の保存方法
未開封の焼酎に関しては、そこまで品質の変化に敏感になる必要はありませんが、最低限、下記の条件をおさえておけば良いです。
日光を避ける
未開封の焼酎は直射日光を避けて保存しましょう。直射日光が当たってしまうと焼酎の温度が上昇することになります。極端に温度が上昇してしまうと、焼酎は劣化してしまうのです。
温度差のない場所で保存
ガスコンロのまわりなど温度差の激しい場所を避けて保存してください。日光の光だけではなく、ガスコンロのまわりはとても高温になります。やはり高温になると焼酎の品質が劣化してしまいますので、ガスコンロまわりや夏場に高温となるキッチン等は避けて保管した方がいいでしょう。
開封後の焼酎の保存方法
空気に触れさせない
開封後の焼酎はできるだけ空気に触れないように保存しましょう。蓋を開けたまま忘れてしまったりすると、劣化して風味が落ちてしまいますよ。しっかり蓋を閉めて保存することを心がけましょう。
冷蔵庫には入れない
冷蔵庫での保存はおすすめしません。なぜなら、冷蔵庫は低温になりすぎてしまうからです。高温でも低温でも温度差があるのは焼酎の劣化を招く原因となります。
ただし、温度が10度前後の野菜室であれば、日光による品質の劣化も防げるのでおすすめです。
匂いの強いものの側に置かない
焼酎はさまざまな食材などの匂いを吸収してしまう性質を持ちます。匂いの強いものの近くで保存すると焼酎に匂いが移ってしまうのです。
しっかりと蓋をしていても、ごくわずかな隙間から匂い成分が焼酎に移ってしまうので気をつけましょう。匂いの強いもののそばでは保存しないことが鉄則です。
しっかり栓をする
焼酎の蓋に使用されているのはネジ式キャップのほか、ビンの口にはめるタイプのものもあります。はめるタイプは揮発する心配があり、保存には少々のコツがいりますよ。
揮発を防ぐため、蓋をはめたあとラップを巻きつけましょう。その後、輪ゴムでしっかりと留めます。この状態で保存するのが適していますよ。また、瓶内の空気を抜くためのバキュバンを使用するのもいい方法です。
上記のように、焼酎の保存には避けるべきポイントがあります。要するに気温差があまりなく、直射日光の当たらない場所が適しているのですね。ご家庭のなかでもっとも涼しい場所を探すのがいいでしょう。
焼酎の瓶が入っていた箱があれば、この箱に入れたまま涼しい場所で保存しましょう。箱に入れておくことで温度差からも焼酎を守ってくれます。
保存状態 / 保存方法 / ポイント
未開封 / 直射日光を避けて保存する / ・温度上昇が劣化につながるため
温度差のない場所で保存する / ・ガスコンロのまわりや夏場のキッチンなどは避ける
開封後 / 空気に触れさせない / ・劣化を避けるため蓋はしっかりと閉める
冷蔵庫には入れない / ・低温になりすぎるため冷蔵庫は避ける・温度が10度前後の野菜室はおすすめ
匂いの強いものの側に置かない / ・焼酎は匂いを吸収しやすいので注意
しっかり栓をする / ・栓タイプはラップで巻きつけ輪ゴムでとめる・バキュバンで瓶内の空気を抜くのもおすすめ
飲めない・風味が落ちた焼酎の見分け方
まずは保存状態をチェック
まずはじめにチェックしたいのは、蓋や栓が開いているかどうか。未開封であればほとんど心配ありませんが、開封している場合は空気に触れて風味が劣化しているかもしれません。
また前述のとおり、焼酎には温度変化に弱いという特徴があります。保存していた場所が直射日光の当たる場所だったり、温度変化が激しい場所だったりすると、風味が劣化している可能性も。
このように「保存時にどのような状態だったか」をまずは確認しましょう。
匂いをチェックする
劣化した焼酎からは、ガソリンやお酢のような独特の匂いがすることが。試しに匂いを嗅いでみて、普通とは違った印象を受ける場合は、風味が劣化している可能性があります。
焼酎らしくない酸っぱい匂いや、刺激が強すぎる匂いがする場合は、飲むのを控えたほうがいいかもしれません。
見た目をチェックする
グラスに焼酎を注いでみて、その見た目をチェックしてみましょう。劣化している焼酎には白い沈殿物が見られることがあります。ただし、この沈殿物は焼酎の旨味成分が凝縮してできるものなので、飲んでも健康上の問題はありません。
しかし、舌触りが気になるなど味わいに影響が出ることはあります。焼酎のおいしさにこだわる場合は、料理に活用するなどして消費しましょう。
風味が落ちた焼酎の活用方法
前述のとおり、風味が落ちた焼酎は料理に活用するのがおすすめ。料理酒として肉・魚のくさみ消しに使ったり、煮物を作る際に料理酒代わりに入れたりすれば、無理なく消費することができますよ。
また、焼酎をスキンケアに用いる方法もあります。焼酎をミネラルウォーターや精製水で割ってフェイスパックにしたり、お風呂にコップ1杯分の焼酎を入れて「焼酎風呂」にしたりするのもおすすめです。
10年先も、おいしい焼酎を♪
焼酎の保存方法は決してむずかしいものではありません。方法さえ間違わなければ、数年後でも飲むことができますよ。珍しい焼酎を購入した際や、高級な焼酎を頂いた際なども安心ですね。数年前に頂いた焼酎を保存していて忘れていた……という状況の中でも飲めるのです。
ライター:伊藤 千亜紀(フードアナリスト)