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【菊川・大竹屋】カリッカリ「かりんとう饅頭」焼き立て団子 これぞ創業113年の実力! 

テレしずWasabee

テレしずWasabee わさびー

静岡・菊川市にある「献上菓舗 大竹屋」は110年以上の歴史がある和菓子の老舗。明治神宮に菓子を献上し続けていて、おいしさは折り紙付きです。カリカリ食感の「かりんとう饅頭」に、焼きたての「みたらし団子」など、人気の和菓子を取材しました。

【画像】記事中で紹介していないお菓子も ギャラリーページへ

明治神宮に菓子を献上

2024年秋に新しくなった店舗「献上菓舗 大竹屋」

JR菊川駅から車で南に3分ほどの場所にある「献上菓舗 大竹屋」。

創業は1912年、110年以上の歴史を持つ老舗中の老舗です。約40年間、明治神宮に和菓子を献上し続けていることから、店名に「献上菓舗」と冠しています。

広々とした店内 上品でありながら親しみやすい

店は2024年秋に改装したばかり。落ち着きがあり、広々とした上品な店舗に生まれ変わりました。

店内にはさまざまな種類の和菓子が並んでいます。

季節限定商品を含め、年間で150種類に及ぶ和菓子を製造、販売。種類は豊富ですが、どれも職人の手作りです。

店内に並ぶ和菓子 どれも職人の手作り

驚くほどカリッカリ! 看板商品「かりんとう饅頭」

そんな長い歴史を持つ大竹屋で、現在一番人気のある和菓子が「かりんとう饅頭(130円)」です。

明治神宮にも献上しています。

人気ナンバーワンの看板商品「かりんとう饅頭」(1個130円)

15年ほど前から販売を開始。1日に約500個、お正月など多い日には約2000個売れることもあります。

新しくできたイートインスペースで、私も早速食べてみることにしました。揚げているからか、手に載せた感覚は、大きさに対してとても軽く感じました。

手のひらサイズ「かりんとう饅頭」

食べてみると、衝撃のカリカリ感! カリッカリでサックサク。

まるでスナック菓子のような軽やかで心地よい音を響かせます。

中はあんこたっぷり「かりんとう饅頭」

脂っこさを感じさせない一方で、まろやかな黒糖の香りと甘さ、こしあんのしっとり感が味わえます。この食感と味、感動しました。

大竹屋4代目・大竹諒 専務:
かりんとう饅頭は3代目が生み出したヒット商品です。手作り、材料、味にこだわり丁寧に作っています

大竹屋4代目・大竹諒 専務

時間が経った時の食べ方

数時間後に改めてかりんとう饅頭を食べてみましたが、脂っこさは感じず、しっとりとした口当たりになっていました。

これはこれでおいしく感じましたが、大竹屋のかりんとう饅頭の魅力はカリカリの食感。

時間が経ってから食べる場合には、オーブントースターで3~4分温めるよう勧めているそうです。

カリカリの秘密は製造工程にあり

なぜこんなにカリカリの食感になるのか、今回は特別に製造工程を見せてもらいました。

まんじゅうの乾燥 この工程がカリカリ食感を生み出す

あんは北海道十勝産の小豆と、純度が高く粒の大きい「鬼ザラ糖(おにざらとう)」を使った自家製。

これを沖縄産の黒糖を練りこんだ生地で包んで蒸した後、乾燥させています。

乾燥時間は時期により異なりますが、冬ならば1日程乾燥させるそうです。

高級米油で揚げる

仕上げに高級米油で揚げていきます。揚げ時間はわずか3分程。徐々に揚げ色が付き、米粉の香りが広がってきました。

季節限定のかりんとう饅頭もあります。

「ハート型かりんとう饅頭」(140円) 予約すれば通年で購入可

バレンタイン期間は、ハート型のかりんとう饅頭はいかがでしょう。手作りで成形しているので、ひとつひとつ微妙にハートの形が違うという面白さもあります。

もっちもちの「百年餅」

そのほかの人気商品も紹介します。

百年餅(ももとせもち・160円)」は、3代目の秀一郎さんが「モチモチとした食感の焼き菓子を作りたい」と考案した商品。

創業100年の時期と重なり「百年餅」と命名されました。こちらも明治神宮に献上している自信作です。

モチモチ食感 「百年餅」(160円)

焼き色や質感はクッキーを連想させますが、食べてみるとお餅のようなモチモチ感としっとり感を味わえます。

あんこは焼くと水分が飛びパサパサとしがちですが、材料に工夫を重ねることで、モチモチの食感を実現したということです。

菊川市周辺の景色を表現したパッケージデザイン

また、百年餅は2025年からパッケージを刷新しています。デザインを手掛けたのは、諒さんの妻・尚美さん。

菊川市のシンボルである粟ヶ岳の茶文字や茶畑など、周辺の景色をイメージしています。

焼きたて「みたらし団子」

焼きたてを味わえる「みたらし団子(1本100円)」も人気です。

2代目の学さんが作り始めたロングセラー商品で、かりんとう饅頭が登場するまでは一番人気でした。

「みたらし団子」(1本100円) できたては湯気が立つ

毎朝作る団子を、注文を受けてから1本1本焼き上げ、温めておいたしょうゆ風味のタレに絡めます。

焼き立てならではの香ばしさと、団子のもっちり感、そしてスッキリとしたタレの甘じょっぱさ。

注文を受けてから丁寧に焼く

和菓子専門店だからこそ引き出せる味だと思いました。子供にも人気があるそうです。

和菓子一筋 受け継がれる歴史

大竹屋の歴史は、明治から大正に移り変わる1912年、初代の惣太郎さんが菊川市内で店を開いたことから始まります。

初代・惣太郎さん (画像提供:大竹屋)

終戦後、小麦粉や砂糖が不足し菓子作りができなかった時期には、店をダンスホールにするなどして存続させた時期もあったそうです。

その後、2代目の学さんが菓子店を再開。みたらし団子の販売を始め、大竹屋の人気商品となります。

みたらし団子を始めた2代目・学さん
(画像提供:大竹屋)

和菓子店として軌道に乗り、支店を開いたり店舗を改装したりしながら、大竹屋は3代目の秀一郎さんに引き継がれます。

さらに1987年頃からは明治神宮への和菓子の献上を始め、店名を「献上菓舗 大竹屋」に変更しました。

かりんどう饅頭の生みの親 3代目・秀一郎さん
(画像提供:大竹屋)

2009年には「かりんとう饅頭」の販売を開始、大竹屋の看板商品となります。

それから15年後の2024年10月、4代目の諒さんが大竹屋を引き継ぎ、店舗をリニューアルしました。

2024年に大竹屋を引き継いだ4代目・諒さん 

大竹屋4代目・大竹諒専務:
店舗やパッケージのリニューアルで心機一転スタートを切りましたが、一番大切なのは「味」。あえて和菓子一筋で頑張っていきたいです。洋菓子のような華やかさはなくても、大竹屋ならではの先代の思いや歴史、高い技術を引き継いで、おいしい和菓子を作り続けます

ひとつひとつ丁寧に作られた大竹屋の和菓子

113年という長い歴史の中で、一貫して大事にしてきたのが「最高の材料を、最高の技術で」という理念。時代が変わっても和菓子にかける情熱は変わらず、今に受け継がれています。

新しくなった大竹屋が、これからどんな歴史を積み重ねていくのか楽しみです。

■店名 献上菓舗 大竹屋
■住所 静岡県菊川市半済3135
■営業時間 8:45~18:30
■定休 水(祝日の場合は翌日)
■駐車場 あり(4台)

取材/鈴木美花

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