過去には史上最短の4両編成も!8両以下の山陽新幹線歴代「短編成」な車両たちを振り返る!
text:鉄道ホビダス編集部
1975年の全線開業から2025年で50周年を迎えた山陽新幹線。東海道新幹線と新大阪で接続し、「のぞみ」を中心に一体的な運行もされています。一方で東海道新幹線と違う点も多く、運行列車が全て16両編成で統一されている東海道新幹線とは対照的に、山陽新幹線では「みずほ」「さくら」のほかに、「こだま」や「ひかりレールスター」などが8両編成で運行されています。現在では8両以下となる編成の列車は運行されていませんが、過去には6両や4両といった列車も運行されていました。
【写真】懐かしい列車も!山陽新幹線歴代「短編成」な車両たちを写真で振り返る!
■長らく山陽新幹線の「こだま」を支えた6両の0系と100系
6両編成100系は「K編成」とされた。写真はフレッシュグリーン塗装のK58編成。
‘11.4.2 山陽新幹線 新岩国 P:上石知足
0系における6両編成の登場は、国鉄時代の1985年に博多〜小倉間の区間運転用として登場した「R0編成」まで遡れます。そしてこのR0編成こそが、のちに続く山陽新幹線における短編成化運転の嚆矢となったという見方もできます。翌1986年にはこの6両のR編成は増強されていくことになります。
分割民営化後、JR西日本に引き継がれたこれらR編成の一部を活用して「ウエストひかり」用の編成が誕生します。これらはいわゆる「WR編成」と呼ばれるもので、R51〜R54編成の4本が登場します。これら「ウエストひかり」用の編成で特筆すべき点はやはりその内装でしょう。当時としては異例な2列+2列のゆったりとしたシート配置とされ、サービス面の向上により予想以上の人気を獲得。最終的には12両に増強されます。
2000年には「ウエストひかり」が「ひかりレールスター」に置き換えられます。これらの0系は2列+2列のシートはそのまま、状態の良い車両を中心に6両を組成し「こだま」用WR編成が誕生します。これらが最終的に残る0系グループとなりました。
100系も2002年からV編成とG編成を活用した上で6両編成を組成し、これらは「K編成」と呼ばれました。これら晩年まで活躍した0系・100系(後述の4両P編成含む)は、いずれも2列+2列のシートとされ、古い車両ながらもアコモデーションの良さに定評がありました。なお、100系K編成も0系同様、山陽新幹線区間の「こだま」として運用され、2011年まで活躍を続けた最後の100系のグループとなりました。
■0系と100系で存在した新幹線史上最短の「4両」
新下関の訓練車として長らく残っていたQ3編成。先頭車である22-1047は長らく博多総合車両所で保管されていたが、近年解体されたようだ。
P:松沼 猛
1997年3月、500系「のぞみ」誕生で沸き立つ傍ら、営業車として新幹線史上最短となる4両編成の車両が登場しました。それが0系の「Q編成」です。これらQ編成は広島・小倉〜博多間で運用され、比較的短距離を走る列車の輸送力適正化を目的に組成された編成でした。なお、地上設備の関係からQ編成は新大阪駅への入線は不可能でした。
これらの編成はいずれもリニューアル工事を受けておらず、中には当時すでに貴重になっていたいわゆる「大窓車」を組み込む編成もあり、レイル・ファンからも注目されました。ただ、リニューアルを受けていないこともあり、登場からまだ4年程度しか経っていない2000年には100系「グランドひかり」用V編成を短縮した4両の「P編成」が登場したことで消滅しました。
100系P編成はこのQ編成の後継とも言える編成で、これは先述の通り4両編成です。このP編成に関してもK編成と同様に、V編成とG編成を活用しながら組み換え・改造がされて組成されました。この編成組み換えはP編成より開始され、最終的に12編成が揃うことになります。なお、このP編成においてもQ編成同様に地上設備の関係で新大阪駅へは入線できなかったため、当初より博多〜姫路間の運用に限定され、これは後年博多〜岡山間とさらに短縮されました。
いずれの編成も4両と長さこそ短いですが、沿線のローカル的な需要に応えたという意味で、山陽新幹線の歴史を語る上では欠かせない存在と言えます。
■700系「ひかりレールスター」や500系「こだま」登場で短編成グループは8両が基本に
2000年に「ウエストひかり」の後継として登場した「ひかりレールスター」は、8両編成で新製された700系7000番代が投入されました。2008年からは「こだま」用に500系の編成短縮が開始され、こちらも8両編成に。また、2011年3月より開始された九州新幹線と山陽新幹線の直通運転用のN700系7000・8000番代も8両編成とされます。6・4両編成の0系や100系も、8両の500系や700系7000番代の投入で置き換えられ、JR西日本の短編成グループは8両に統一されていくことになります。
■新形態が登場したN700系の8両編成
N700系にもいよいよ16両から8両へ短縮される編成が生まれた。
‘25.3.25 山陽新幹線 博多 P:田原明博
8両のN700系は、九州直通用のN700系7000・8000番代ですでに存在していましたが、最近新たな形態が誕生しました。それが6000番代のP編成です。
これはJR西日本所属、16両編成のN700系5000番代K編成(元3000番代N編成)を改造したもので、元1~3号車、8~11号車、16号車を使用して組成されています。中には元グリーン車の車両も含まれており、500系や700系7000番代同様に普通車ながらシートにゆとりのある「乗り得」車両が発生することになりそうです。
また、編成記号は100系の4両を思わせる「P」とされ、現在不使用のものから記号自体は選ばれているのでしょうが、少し不思議な因果を感じます。
東海道新幹線とは一体的な運行もされていながら、旅客の需要が異なる山陽新幹線。この路線を長らく縁の下で支えているのは、彼ら短い編成の新幹線たちであるとも言えるのではないでしょうか。