希少植物ハマウツボ保全の功績で大臣表彰
希少植物・ハマウツボの保全など地域の自然環境保護に功績があったとして、「高雄地区水辺づくり協議会」に環境大臣から「みどりの日」自然環境功労者表彰(保全活動部門)を受けた。
25日に高雄小学校で報告会があり、活動に取り組んできた児童や保護者、地域住民らが喜びを分かち合った。
ハマウツボは兵庫県絶滅危惧種Aランクに指定されている一年草。カワラヨモギの根に寄生し、毎年5月ごろラベンダーのような紫色の花を咲かせる。同校近くの千種川河川敷は県内で2か所しか確認されていない自生地の一つ。ハマウツボの保全を通して子どもたちが安全に川に親しんだり遊んだりできる場の維持管理を目的に自治会と学校、PTAなどで2004年に協議会が発足した。
協議会は県の自然観察区域整備事業を活用して遊歩道などを整備。児童たちはボランティアとともにハマウツボとカワラヨモギの生育を助けるために芝を除去する「芝はぎ」を行うなど環境の維持に努め、協議会発足当時に17本だったハマウツボの個体数は2021年には4470本にまで増えた。
報告会はオープンスクール実施日に合わせて開かれ、中元宜美校長がこれまでの活動の歩みを紹介。溝田泰司会長が「これからも一緒に頑張りましょう」と活動の継続を呼び掛けた。5年の松原海來君(10)が協議会メンバーに活動の大変さなどをインタビューし、児童を代表して6年の神園桜空さん(12)が「これからも一生懸命調査して守ります」と宣言。オリジナルソング「ハマウツボはたからもの」を児童全員で合唱して祝った。
協議会が表彰されたのは、15年の県くすのき賞、23年の県環境保全功労者表彰に続く栄誉。第5代会長の溝田さんは「先輩方が続けてきた活動の成果が認められた」と喜んだ。今年11月には同校で「ハマウツボフォーラム」を開催し、さらなる活動の発展を目指す。