コラム【陣太鼓】「高雄の宝」保全のバトンつないで
▼「高雄地区水辺づくり協議会」が環境省の「みどりの日」自然環境功労者表彰を受けた。自治会、学校、地域が協力して長年継続してきたハマウツボ保全活動の功績が称えられた。赤穂市関係では2015年に表彰された堀田品子さんに続いて2例目となる。
▼堀田さんは、兵庫県が1998年に創設した「ひょうご森のインストラクター」の第1期生で、市内各所で里山保全活動や環境学習を支援した。毎日のように野山に出かけて樹木や草花に目を向け、どこにどんな植物があるのか市内の植生にとても詳しかった。
▼2003年に高雄小学校そばの千種川河川敷で、今まで見たことのない紫色の花を見つけた。ハマウツボだった。当時県内では淡路の成ヶ島でしか確認されていなかった絶滅危惧種。行政や地域に保全の必要性を訴え、発足したのが「高雄地区水辺づくり協議会」だ。
▼堀田さんはアドバイザーとして会の活動をサポート。観察会で高雄小の子どもたちにハマウツボの生態を教え、保全の方法を指導した。こうした活動の功績も含め、自然環境功労者として表彰を受けたが、その翌年に病のため66歳で他界した。
▼「ハマウツボは高雄の宝」と生前よく話していた堀田さん。今回の表彰はもとより、保全の取組が続いていることを何よりも喜んでいるだろう。