自律神経を整える為に知っておきたいお酒の付き合い方とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】
過度の飲酒は自律神経を乱す
アルコールを飲むとストレスがやわらぎ、心身の不調が解消されるという人もいますが、それは明らかな誤りです。
アルコールで意識が麻痺して「気分がいい」と錯覚するだけのこと。本当はアルコールの刺激で交感神経が過度に優位になり、自律神経はむしろ乱れる傾向にあります。
また、アルコールを多量に摂取すると体が脱水状態に陥ります。アルコールは肝臓で分解されますが、このとき同時に水分も消費されるのです。さらにアルコールが利尿作用を促し、飲むとトイレが近くなります。
したがって、お酒を飲めば飲むほど脱水が悪化し、血液からも水分がなくなり血はドロドロに。交感神経が優位のため血管が収縮し、ドロドロの血液が狭い血管を流れるので血流も悪くなってしまうのです。
飲みすぎた翌日の頭痛はこれが原因。末梢神経の血管に血流が行き渡らなくなるからです。気持ちが悪くなって吐くという現象も、消化器官の働きを促す副交感神経が極端に低下し、腸が麻痺したために起こります。
では、アルコールは絶対ダメかというと、適量なら気分をリラックスさせ、副交感神経を活性化する効果もあります。つまり、アルコールは飲みすぎず上手に付き合うのがコツ。
もし、ある程度の量を飲みたいときは、お酒 1 杯に対して水 1 杯を飲むようにするとよいでしょう。これで脱水や消化器官の麻痺を防ぐことができます。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 著:小林弘幸