港南区長インタビュー 「協働による地域づくり」へ デジタル区役所の成果も
2025年の年頭にあたり、本紙では港南区の栗原敏也区長にインタビューを実施した。就任4年目の取り組みを振り返ったほか、区政運営などについて語った。
――就任4年目となりました。区長が掲げる『協働による地域づくり』の手ごたえなどお聞かせください。
「昨年は1月の能登半島地震、8月の南海トラフ地震臨時情報の発表等により、災害への備えの必要性が強く意識される一年となりました。
港南区には、地域の方々が運営する地域防災拠点が31カ所あり、さらに災害対応を協働により進めていくため、横浜商工会議所南部支部からご提案いただき、12月に『災害時協力事業所登録制度』を開始しました。この制度は、大災害等発生時に区内事業者の持つ事業特性や保有資格・技術を活かし、復旧、復興の実現に向けて地域に貢献していただくものです。これは事業者と地域のつがなりがより強固なものとなる、まさに『協働による地域づくり』を推進する重要な取組だと考えています。
このような安全・安心に関わる取組に加え、今年度も各地域では『通学路の見守り』や『公園愛護会活動』、『川のクリーンアップ』等の活動が精力的に行われ、夏には、数多くの夏祭りや盆踊りが開催され、『絆』を深めることができました。
港南区民の方々は『自分たちでできることは自分たちで』という考えのもと、地域で暮らす様々な人や団体、企業が協力し合っています。私たち区役所も、協働のパートナーとして『明るく元気ひまわりこうなん』を目指して、引き続き皆さまと一緒に歩んでいきたいと思っています」
子育て施策も推進
――今年度の区運営方針の進捗状況は如何でしょうか。
「今年度は、昨年度の施策に『子育てにやさしいまちづくり』を加えた5つの柱で進めてまいりました。それぞれの柱に沿って、ご説明いたします。
『安全・安心のまちづくり』として、83(ハチサン)太郎を活用した交通安全啓発や防犯啓発を数多く開催したほか、ハチの巣の駆除の手順を分かりやすくお伝えするため、駆除方法の動画を公開し、より安全な駆除作業ができるようになりました。
『子育てにやさしいまちづくり』として、妊婦や保護者がより手軽に子育てに関する情報を入手できるよう、『港南区子育てサイトここなび』による情報発信を行ったほか、デジタル区役所モデル区として取り組んできた成果のひとつとして、来庁前にWEB上で、手続きが必要な窓口の事前発券ができるサービスを開始し、区民の皆様の待ち時間短縮・混雑緩和につなげることができました。また、あいにくの雨の中で開催されたこうなん子どもゆめワールドでしたが、約1万人という多くの方にご来場いただき子どもたちの笑顔が会場に溢れました。
『見守り・支えあいのまちづくり』として、障害から生じる様々な行動を知ってもらうため、啓発動画『あたたかく見守ってください』を作成し、障がい理解の啓発に取り組んだほか、自治会町内会におけるICT活用推進を図るため、区民活動支援センターとの協働によりICT活用講座を開催しました。
『誰もが元気で健やかに暮らせるまちづくり』として、港南区における文化活動の機運醸成につなげるため、小さいお子様とその親世代が気軽に文化・芸術に触れられるミニコンサートを、区役所1階区民ホールを活用して実施しました。
『住み続けたいまちづくり』として、10月1日から港南区で開始された、プラスチック製品と容器包装をプラスチック資源としてまとめて収集するごみの出し方変更について啓発を実施したほか、2027年開催のGREEN×EXPO2027に向けた機運醸成の取組として、1000日前イベントなどの啓発に取り組みました」
――港南区の重点課題や今後の取り組みについてお聞かせください。
「中期計画の最終年度となる2025年度は、基本戦略の実現に向けて、区民の皆様に『子育てにやさしいまち』を実感していただけるよう、子どもを中心とした取組を充実させます。
『区役所に子どもと休憩できるような場所が欲しい』という区民の皆様からのご意見をもとに、区役所1階区民ホールを初めとした区庁舎空間を活用し、お子様とご一緒に来庁された方にも居心地の良い場所づくりに取り組みます。
また、GREEN×EXPO2027の開催に向けて、多くの区民の皆様に会場に訪れていただけるよう、地域団体等との協働により機運醸成に取り組みます。
そして、2025年3月には、港南台地域に地域子育て支援拠点のサテライト施設が開設予定となっています。この施設は、就学前のお子様とその保護者が遊び、交流できるスペースの提供、子育て相談や情報の提供などを行う子育て支援の拠点となっておりますので、区民の皆さま、どうぞお気軽にお越しください」
――港南区民ヘ新年のメッセージをお願いします。
「これからも、区民の皆さまと一緒に『協働による地域づくり』を進め、未来を担う子ども達がいつまでも住み続けたいと思える『愛あふれる♥ふるさと港南』を目指してまいります。本年も、どうぞよろしくお願いいたします」