潮干狩りで「マテガイ」が大漁!【福岡・蓑島海水浴場】バターしょう油炒めに舌鼓
冬の厳しい寒さも和らぎ、本格的な春を迎えた4月上旬。このころからシーズンを迎えるのが潮干狩りだ。福岡県行橋市の蓑島海水浴場でマテガイ掘りを体験。塩を使って掘り出す独特のスタイルは、初心者でも楽しめる手軽なアウトドアだ。今回は採り方のコツや注意点、そして採れたてを味わう調理法まで紹介する。
潮干狩り場でマテガイ掘り
今回は福岡県行橋市の蓑島海水浴場でマテガイ掘りを楽しんできた。行橋市近辺での潮干狩りといえばマテガイがメジャーである。マテガイは通常の潮干狩りとは異なり、ある物を使って採ることができる。
「塩」は必須アイテム
ある物とはなんと、塩である。鍬(くわ)などで砂を掘り起こし、砂に空いた丸い穴を探す。
穴を見つけたら、穴に向かって塩を振り込む。しばらく待つと、穴からニョキっと琥珀色の棒状のものが飛び出してくる。これこそがマテガイである。あとはマテガイを指先でつかんで穴から引きずり出す。
優しく引き抜く
ここで注意点として、強引に引き抜くと身が切れてしまうのと、貝殻は強くつまんでしまうと割れてしまう。なので、繊細さと強引さの絶妙なバランスが重要になる。以上がマテガイ掘りの基本だ。
沖でマテガイ大漁
今回はウェーダーを履いたので、岸から遠い場所を重点的に探ることにした。行橋店の石山代行と湯川店の武澤さんと奥地を目指した。
この日は潮位がかなり下がるため、手つかずの沖側の方が数が望めると踏んだからだ。一方、八幡本店の孫山代行と宇土さんの女性陣2人は手前の方を重点的に探っていた。
案の定、岸から遠ざかるほど型も良く、数もよく採れた。各々夢中になりマテガイとの駆け引きを楽しんだ。出てきたかと思えば引っ込むマテガイに焦らされ、やっとつかんだと思えばマテガイとの我慢比べが始まる……。この駆け引きこそが多くのマテガイファンを魅了しているのだ。
女性陣は山盛りのマテガイを手中
女性陣の採れ高を気にしつつ、万一のことを考え、分け前分も採るつもりで塩が尽きるまで掘り続けた。塩が尽きたので女性陣の元へ行くと、なんと、男性陣の採れ高を上回る量を確保していた。
男性3人分の量をまとめても女性2人の採れ高には足りないのではないのではないかというほどバケツ山盛りにマテガイが積まれていた。心配など無用だったようだ……。
マテガイは味も最高!
マテガイファンを魅了して止まない魅力がもうひとつある。それはなんといっても味だ。砂を吐かせるのも容易であり、殻から身を取り出すのも簡単。また歩留(ぶど)まりも良い。
今回はスキレットでバターしょう油炒めを作り、いただいた。採れたて新鮮のマテガイはまさに絶品であった。ご飯のおかず、ビールのツマミにも、もってこいの逸品である。
なお、今回使ったしょう油は釣具のポイント全店で販売されている、生笑油(なましょうゆ)を使用。マテガイのバターしょう油炒めにはベストマッチであった。また、柚子胡椒(ゆずこしょう)味などの味のバリエーションもあるのでお好みの味でぜひ試してみてほしい。
マテガイ堀りは干潮を狙おう
最後にマテガイ掘りのポイントや注意点を紹介。マテガイ掘りに適している日は、大潮などの干満差が大きい日がベストだ。潮が大きく引くことにより、採捕できる陸地が増えるためである。
シーズン終盤ほど顕著で、手前はすでに採捕されている可能性があるため、普段は陸地にならない浜の奥の方が良いことがある。
この際、注意すべき点は、上げ潮の時間帯は夢中になり過ぎて岸に帰れなくならないようにすることだ。集中しつつも、時間の確認も忘れずに行ってほしい。
また、前述したように、強引に引き抜くと身が切れてしまうので、繊細かつマテガイのパワーに負けない力での採捕がキモとなる。これはぜひ実践で磨いてほしい。
最後に、マテガイに限らず潮干狩りの際には採貝料がかかる場合があるので、事前に確認をお願いしたい。解禁日、禁漁期間などがある場合もあるのでこちらも忘れずにチェックを。
家族で楽しめるマテガイ堀り
今回、紹介したマテガイ掘りは、ファミリーや友人とも楽しめる最高のアウトドアだ。釣りのように特別な技術や道具は不要なので、お子様や女性でも存分に楽しめること間違いなしだ。
私の勤務するポイント行橋苅田店は、現場から最も近く、マテガイ掘り用品や各ポイントの新鮮な情報も取り揃えているので、ぜひお立ち寄りいただきたい。
施設詳細
蓑島海水浴場TEL0930(23)1040番( 蓑島漁業協同組合)。
採貝料500円。
潮干狩りが可能な期間 3月1日~6月30日。
トイレ、シャワーあり。
<釣具のポイント行橋苅田店・フィッシングマイスター黒住英克/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2025年4月18日号に掲載された記事を再編集したものになります。