災害でライフラインが止まってもこれがあれば大丈夫! 電気不使用&節水でおいしいご飯を炊く方法
南海トラフ地震が近々起きるかも……などといわれている中、大災害への対策や備蓄は進めていますか? 本連載では、十分な備蓄がない中でも、身近にあるものを上手に活用することで自分や大切な人の命を守るライフハック、防災グッズレビューなどをお届けしています。前回は必ず備えておいてほしい防災グッズとして、カセットコンロとガスボンベをご紹介しました。ただ、いくら備えを万全にしていても、いざというときに使い方がわからなければ意味がありません。そこで今回は実践編として、電気が止まってしまったとき、カセットコンロを利用してご飯を炊く方法とパスタをゆでる方法をご紹介します。
備蓄品に加えてほしいもう一つの便利グッズ「アイラップ」
「アイラップ」は、加熱調理やレンジ調理、冷凍も可能な耐熱・耐冷の食品保存用ポリ袋です。使い勝手が良く活用の幅も広いため、日常生活でも利便性が高いのですが、実は、災害時になるとさらに大活躍してくれます。
というのも、災害時には断水となる可能性も高く、十分に水を使えないケースが想定されます。アイラップを使えば鍋も皿も汚さずに調理できるので、断水時でも汚れものを出さず、節水できるのです。
袋ごとボイル調理やレンジ調理が可能で、日常的にも使いやすい
以下では、カセットコンロとアイラップを使用したご飯の炊き方・パスタのゆで方について、具体的な手順とともに解説していきます。
カセットコンロとアイラップを使ったご飯の炊き方
<用意するもの(お茶わん2杯分)>
・お米:1合
・飲料水:200cc
お米を洗わないのが気になる方は、普段から無洗米を使うようにするのがオススメ
(1)アイラップにお米と飲料水を入れ、空気を抜きながら袋の上の方を結ぶ。
※現代の精米技術では、無洗米でなくても洗わなくてOK!
空気をしっかり抜くのがポイント
(2)鍋に湯を沸かし、沸騰したら耐熱皿を入れて、その上にアイラップに入れたお米を載せる。
鍋のお湯はお米にしっかりとかぶる程度で多めに。袋が鍋底に触れないよう耐熱皿も必ず入れる
(3)鍋にふたをし、弱火~中火で30分煮る。
※初めは中火で、再沸騰したら弱火にし、小さな泡がぶくぶく出る程度の沸騰を保ち続ける。
(4)30分煮立たせたら火を止め、そのまま5~10分ほど蒸らす。
(5)袋を開け、箸などで炊いたご飯をほぐしながら、茶わんや皿に盛り付ける。
粒が立った少し硬めのご飯。炊飯器で炊いたご飯と味は大差ない
写真はお米1合に飲料水180ccと少し少なめの水で炊き、蒸らす前に鍋から取り出してしまったので、少々硬めの仕上がりになりました。それでも、炊飯器で炊いたご飯と味は変わらず、おいしくいただきました。
ちなみに、アイラップのまま食べても問題はないのですが、袋の中でご飯が団子状に固まっている部分があり、個人的にはいったんほぐしてお茶わんなどに盛り付ける方がおすすめです。実際の災害時には、紙皿のほか、アルミホイルや縦半分にカットしたペットボトルなどを皿として活用するのも◎。
カセットコンロとアイラップを使ったパスタのゆで方
<用意するもの(1人前)>
・パスタ:100g
・飲料水:300cc
・塩:小さじ1/2強
・好みのパスタソース(湯せんで温められるタイプのレトルトパウチ):1袋
鍋でパスタをゆでるときと同じで、塩は塩分濃度0.5~1%を目安にする
(1)パスタを半分に折ってアイラップに入れ、飲料水と塩を加える。袋を軽くもんで、全体に塩をなじませる。
(2)ご飯を炊くときと同じ要領で、空気を抜きながら袋の上の方を結ぶ。
(3)鍋に湯を沸かし、沸騰したら耐熱皿を入れて、その上にアイラップに入れたパスタを載せる。
※レトルトのパスタソースも同時に投入してOK!
鍋のお湯はパスタにしっかりとかぶる程度で多めに。耐熱皿も必ず入れること
(4)ふたをせずに、パスタの袋に記載されているゆで時間+1分ゆでる。
※火加減は沸騰し続けるくらいを目安に。パスタソースのパウチは、パウチに記載の時間で取り出す。
(5)袋を取り出し、袋の下端を小さく切ってゆで汁を捨てる。しっかりと水を切ったら、袋の口を開けて皿に盛り付け、パスタソースをかける。
ラップを敷いた皿に盛り付ければ、汚れものを出さずに済む
鍋でゆでたものよりもモチモチとした食感があり、おいしくいただきました。鍋から袋を取り出したときにパスタがまだ硬いようであれば、ようすを見ながら適宜ゆで時間をプラスしてください。
いかがでしたか? 災害で電気が止まってしまい、炊飯器も電子レンジも使えない……。現実的に想像するのはなかなか難しいかもしれませんが、もしそんな事態に陥ったならば、今回のようなライフハックはとても役に立つはずです。電気・ガス・水道が止まっていても、電子レンジで温めるタイプの食料備蓄しか用意していなくても、日常で食べているご飯やパスタが食べられます。ぜひ一度は試してみて、作り方を覚えておいていただけるとうれしいです。