全国高校選抜大会 ハンドボール男子 「超攻撃型」スタイルで勝利を目指す大分 【大分県】
九州高校ハンドボール選抜大会で全国大会への切符を手にした大分。迎える全国高校選抜大会は、特別な舞台となる。なぜなら、今年の開催地は地元・大分。慣れ親しんだ土地で戦えることは、選手たちにとって大きな追い風となるはずだ。その一方で、「地元で結果を残したい」というプレッシャーもある。田中宗治監督は「練習でやってきたことを、試合で100%発揮することが何より重要。選手たちは勝ちたい気持ちが強すぎて、焦ることがある。その焦りがミスにつながらないよう、日頃からプレッシャーのある状況での練習を積んでいる」と語る。
今年のチームの戦い方は明確だ。「最低33点、理想は35点以上を取ること」。攻撃力こそが、大分の最大の武器だ。特徴は、速い展開からの連続攻撃。高い得点力を持つ選手がそろい、それぞれの持ち味を生かして得点を重ねる。田中監督は「ディフェンスももちろん大切だが、最近の高校ハンドボール界では、点を取らなければ勝てない。個々のレベルが上がり、どれだけ守っても失点は避けられない。だからこそ、それ以上に得点を取り続けることが重要」と力を込める。理想はディフェンスの強化と得点力の両立。今はまず「点を取る喜びを感じながら、そこからディフェンスを頑張る」ことを重視している。
速い展開からの連続攻撃が今年のチームの特徴
九州選抜大会では、初戦の浦添商業(沖縄)戦は、打ち合いの様相を呈した。沖縄のチーム特有のテンションの高さ、試合中の盛り上がりを想定し、それを上回る攻撃力で勝負。結果、37-31で点の取り合いを制した。代表決定戦の国分(鹿児島)戦も厳しい戦いだった。直前の練習試合では勝っていたが、公式戦では一筋縄ではいかない。それでも、選手たちは粘り強く戦い、全国大会の切符をつかみ取った。
これらの試合を経て、チームはさらなる攻撃力の向上にフォーカス。「考える暇なく走って点を取れ」という指示のもと、シュート数を増やし、攻撃回数を最大化する練習を重ねてきた。大分の攻撃陣の中核を担うのは、キャプテンの松野雷矢(2年)。180cmの長身を生かしたミドルシュートと、冷静な状況判断で試合をつくる司令塔だ。黒田晴心(同)は、力強いカットインと速いミドルシュートが持ち味。身体能力ではチームNo.1の吉井優人(同)は、1対1にめっぽう強く突破力がある。3人の爆発力が勝利のカギを握る。
全国選抜大会の初戦の相手は花巻北(岩手)。その後は関東勢との対戦が予想される。田中監督は「最高でも最悪でもない組み合わせ。高校生は短期間で急成長するので、どのチームも油断できない。特に2回戦以降は厳しい戦いが続くだろう。でも、関東の強豪を倒すチャンスでもあるので楽しみだ」と語る。松野は「自分たちで流れを持っていけるように、1本1本のプレーを丁寧にやることが大事」と意気込む。
地元開催での活躍が期待される
(柚野真也)