超有名「時代劇ヒーロー」がロボット化!“てやんでぇ”な正義感で悪を討つ特撮映画『サイボーグ一心太助』
時代劇のヒーロー「一心太助」がサイボーグに!?
時代劇の人気物語「一心太助」を現代に置き換え、SF要素を加味した映画『サイボーグ一心太助』が1月24日(金)より全国公開。本作は特撮界の人気俳優や実力派制作陣が集結した、愛知県幸田町町村の合併70周年記念映画だ。
そもそも「一心太助」は三代将軍・徳川家光の時代(1623~1651年)、三河出身の「天下のご意見番」大久保彦左衛門を父と慕う設定の人物で、様々な映画・テレビ・漫画の大人気原作として知られている。架空の人物という説が一般的ではあるが、彦左衛門の墓所(東京都港区の立行寺)のすぐ近くに「一心太助石塔」と刻まれたお墓もあり、実在とする声もある。
そんな一心太助を主人公に、しかも“サイボーグ化”させてしまった映画が、その名もズバリ『サイボーグ一心太助』。同じく幸田町商工会製作の「超伝合体ゴッドヒコザ」「突撃! 隣のUFO」を手がけた河崎実監督による特撮映画第三弾だ。
お人好しサラリーマン、機械の身体を得て悪と戦う
幸田町の魚屋「一心屋鮮魚店」の二十五代目当主・一心太助は超伝工業につとめるサラリーマン。困った人を見たら助けずにいられない性格で、お節介でお人よしな人気者だ。しかし、超伝工業は大鷲コンツェルンの岩山の妨害工作に頭を悩ませていた。
太助は新任のAIのエキスパート・宮田仲子に心を奪われるも、ある日、出勤途中に何者かの凶弾に倒れてしまう。上司の大久保専務は太助の遺体を“秘密の研究所”に運び込み、蘇生させる手術を施した。実は大久保専務は、サイバネティクス工学の天才科学者だったのだ。
そんなこんなで太助は、「サイボーグ一心太助(Cyborg1Heart[ワンハート])として蘇る。だが、そんな太助の前にサイボーグロック1(CyborgRock1)となった岩山が現れ襲撃。大鷲コンツェルンの正体は“死の商人”ブルーゴーストで、大鷲のサイボーグ・コンドロイドも襲ってきた。
果たしてサイボーグ一心太助は、この悪魔たちに勝てるのか――?
小松準弥や岩山進次郎ら特撮キャストが好演
『サイボーグ一心太助』は昭和バイブスあふれるオープニングタイトルから、全くもったいぶらないサクサク展開、親切丁寧な説明セリフやナレーションなどなど、往年の特撮モノや“ニチアサ”好きであれば、上映開始から数秒で夢中になれる仕上がり。低予算らしいチープさは観客にいっさい身構えさせず、物語の要所はCGでキリッと引き締める。
主人公・太助自身のキャラ設定は某リーマン●太郎的な武闘派の面もあり、サイボーグ化してからの強さにも説得力アリ。演じる小松準弥(『仮面ライダーリバイス』ほか)の清々しいイケメンぶりや、知的なヒロイン宮田仲子を演じる中川知香のクールビューティーな存在感も物語への興味を惹起する。
脇を固めるベテラン芸人たちや加山雄三ジュニアこと加山徹の濃厚な存在感、そして80年代から「ウルトラマン」シリーズで活躍する堀内正美のマッドな名演にも要注目。クライマックスでは過去シリーズの登場キャラたちがカメオ出演も……?
特撮ドラマとご当地モノのツボをおさえた痛快ヒーロー劇
真っ直ぐな主人公に美しいヒロイン、悪のライバル(西川俊介が演じる岩山進次郎/サイボーグロック1)と渦巻く巨大な陰謀――定番の構成は安心感すら覚えるが、意外なほど刺激的な物語展開で観客を夢中にさせる本作。メインストーリーにはAIが孕む危険性や全体主義への懸念も盛り込みつつ、生身の人間が持つ心(ハート)による打開力を訴求する。
もちろん、序盤~中盤で愛知県幸田町の魅力(食や歴史文化)をしっかりアピールするなど、地方振興としての役割も忘れていない。上映時間も71分と非常に潔いので、特撮ドラマ~ご当地ムービー好きは要チェックだ。
『サイボーグ一心太助』は2025年1月24日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、シネマート新宿ほか全国ロードショー