【六本木】だしのプロの「茅乃舎」が開業した『だしおでん専門店』さすがの「おでん」と「牛丼」に大満足してきた《実食レポ》
都内や横浜でもときどき見かけるが、屋号が読めなかった。『茅乃舎(かやのや)』である。不勉強でごめんなさい。
【全画像】茅乃舎「だしおでん」が東京ミッドタウンに登場、注目の御膳と牛丼を実食!
かつお節や昆布など、天然素材でとっただしなどを扱うこの店の新形態『茅乃舎 だしおでん』が、東京ミッドタウンにオープンした。
おでん屋なのに、牛丼やカレーも提供しているというのだ。ということもあり、牛丼が大好きな女性を誘って入店した。
「だしおでん御膳」と、牛丼女子のために「おでんだしの牛丼」を注文。
だしのプロが作っただしおでんを実食
まずは「だしおでん御膳」から実食。卵、大根、牛すじなどが盛られている。
大根は割箸で簡単に切れるほどしっかりと煮込んであった。牛丼女子とシェア。だしがよくしみ込んでいて誠に美味。牛丼女子も同じ意見でした。
厚揚げもシェア。しっかりとだしがしみていておいしい。これも牛丼女子と意見が一致。
こんにゃくは、隠し包丁が丁寧にほどこしてあった。家庭ではなかなかここまでできないし、やらないはず。って感心していたら全部食べてしまった。
味がしみ込みにくいこんにゃくを時間をかけて炊いたおかげで、だしがしみ込み、おいしくいただけた。
牛すじは、ちょっと硬いかも。自分も牛すじをおでんに入れるのだけれど、3時間ほど下ゆでしている。
トロトロになるまで煮込むので、串には刺さらない。あと1時間煮たほうがよりおいしくなるんだけどなあ。
混ぜ込みご飯に脱帽。まじでおいしかった
卵は黄身までだしがしみ込んでいました。
おいしくて、牛丼女子とシェアしないで食べてしまったおでんが多かった。牛丼女子、ごめんね。
だしおでん御膳には白飯ではなく、混ぜ込みご飯がついていた。これが絶品。牛丼女子も喜んで食べていたっけ。やや甘い味付けがサイコー。
「おかわりができないのかなあ」と2人で話をしたぐらい美味。
高菜の漬物もおいしかったし。
小松菜の煮物もうまし。
だしがきいた牛丼を初体験
「おでんだしの牛丼」はどうか。隣で嬉しそうにほおばっていた牛丼女子に聞いてみた。
「だしがしみています。どんな牛丼なのか想像できなかったけど、おいしいです。チェーン店の牛丼とはひと味もふた味も違います」
牛丼女子が絶賛する牛丼を少し分けてもらった。
たしかにおいしい。だしがきいた牛丼を初めて食べた。もう少しつゆだくにしてくれると、もっと嬉しいんだけど。
「私もつゆだくが好きだけど、ご飯に少しだけつゆがかかっている、この感じが好き」
牛丼女子は、おでん屋の牛丼にノックアウト。「これまで食べてきた牛丼の中で一番おいしい」とべた褒め。
「つゆだくにすることも大盛りにすることもできます」と教えてくれたのは、茅乃舎だしおでんの吉田健太郎さんだ。
牛丼の話を聞きたくてそわそわしている牛丼女子をなだめつつ、屋号にもなっているおでんについて話を聞くことにした。
「おでんのだしには、弊社の茅乃舎だし、椎茸だし、昆布だしを使っています」
おでんのだしを飲み、その味を毎日チェックしていると胸を張る。
「人がすることなので、念には念を入れています。ひとつ入れ忘れるだけで、まったく違う味になるので。もちろん、おでんの味見も欠かせません」
「だしとおでんの味を毎日確認しています」
味のしみ込み具合や、仕上がり具合を確認するため、毎日おでんを食べているそうだ。
むかし、大阪の老舗おでん屋を取材したことがある。「だしは使っていない」と主は断言した。
塩と砂糖だけで味付けをしているというのだ。
拙宅では一番だしだけでおでんを作る。ところが、この店では3種類のだしでおでんを炊いているからこそ滋味あふれる味わい。
おでんもおいしかったが、混ぜ込みご飯も素晴らしかった。
「店で販売している、ご飯に混ぜるだけの『かしわ飯』を使っています。弊社は本社が福岡なので、福岡風の薄い味付けです」
鶏肉、ごぼう、ニンジンが入ったかしわ飯は自分的には大ヒット。おかわりができるのだろうか。
「350円でおかわりできます」
滋味な味わいの小松菜は、自社製品の白だしで炊いているそうだ。
「だしの風味をいかした牛丼を作っています」
だしがきいた牛丼が、これまた素晴らしかった。
「おでん同様、茅乃舎だし、椎茸だし、昆布だしで牛肉、玉ねぎ、しらたきを炊き、茅乃舎の醤油と粗糖で味付けをしています」
自分で牛丼を作ることもあるが、醤油、みりん、酒、砂糖しか入れたことがない。複数のだしで炊くからこそ絶品牛丼になるのだ。
「少し味が薄いと感じるかもしれませんが、だしの風味をいかすのが狙いです」
「だからおいしいと思いました」と牛丼女子が目尻を下げた。
「牛丼についている味噌汁は、麦味噌と茅乃舎だしで作っています」
飲食店によっては即席の味噌汁を使う店がある。ひと口飲んだ瞬間、がっかりするのだが、この店の味噌汁は、だしの風味がきいていておいしかった。
「次回はカレーを召し上がってください。おでんだしのカレーもおいしいです」
どんな料理なのだろうか。
「蕎麦屋のカレーのようなだしがきいたカレーです。おでんと同じだしとカレールウで作っています」
おでん屋の賄いカレーをイメージし、カレーの上におでんをのせて出すそうだ。
茅乃舎自慢の生七味や青柚子胡椒を使い放題
なお、カウンターにはネギやまぐろ節などの薬味の他、大人気の生七味や青柚子胡椒、辛麹が置いてあった。小皿に取り分け、自由に使うことができる。
最後に吉田さんに、どの料理が一番好きか聞いてみた。
「やがりおでんですね。毎日食べていますが、飽きません。おいしいです」
夜はおでんで一献もいいかも。
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【茅乃舎 だしおでん】
◼︎住所/東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア B1F
◼︎電話/03-3479-0880
◼︎営業時間/11:00~16:00(LO15:30)、17:00~21:00(LO20:30)
◼︎定休日/東京ミッドタウンの営業日に準ずる
(うまいめし/中島 茂信)