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物語は“違和感”が確信に変わるフェーズへ――『薬屋のひとりごと』第2期、子翠を演じる瀬戸麻沙美さんにインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

大人気後宮謎解きエンターテインメント『薬屋のひとりごと』。2025年1月10日よりTVアニメ第2期が放送中! 第1期から続く未解決の謎が後宮を不穏な空気に包む中、猫猫と壬氏の前に新たな難事件が立ちふさがります。

今回、第2期から登場した子翠を演じる瀬戸麻沙美さんにインタビュー! 作品についてはもちろん、放送されたばかりの第40話を振り返ったお話を伺いました。

 

 

【写真】『薬屋のひとりごと』第2期インタビュー:瀬戸麻沙美

猫猫と壬氏のカプ推し!?

──作品の印象をお聞かせください。

瀬戸麻沙美さん(以下、瀬戸):今回、作品に関わることが決まってから漫画版を読みました。謎解き系の作品は難しくて、いつも読み返しちゃうんですけど、この作品は猫猫が思考して解決していく様がとても気持ち良いんですよね。今の時代ではないからこそ解けない謎や仕掛けも面白くて、読んでいてすごく楽しめました。

あと、改めて猫猫と壬氏の関係性が素敵です! 今やもう、完全に『薬屋のひとりごと』のファンになっています(笑)。

──出演決定時のコメントでも「壬氏さまかっこいい」とお話されていました。

瀬戸:壬氏さまは好きなんですけど、それは猫猫に想いが向いているからこそなんですよ。やっぱり猫猫がいてこそ生み出される壬氏の表情や行動があると思うので。

──猫猫はその想いをスルーしています(笑)。

瀬戸:そうなんですよね。あんなに太い矢印が壬氏さまから出ているのに。でもそこに気付いていない猫猫がまた良いんですよ(笑)。

 

 

──ふたりの関係性がお好きなのですね。

瀬戸:はい、カプ推しです(笑)。

──猫猫の魅力についてはどうお考えですか?

瀬戸:猫猫はオタク気質なところとか、魅力たっぷりで面白い子です。あと誰よりも多い、モノローグ。口に出さずともじっくり思考しているところとか、私たち視聴者には聞こえていますけど、聞こえていない人たちからしたら突然謎が解けるわけですよね。周りの人たちはどんな気持ちなんでしょう。

──超人のように感じるかも。

瀬戸:危険視されそうなくらいの存在なんじゃないかなって。だから猫猫は目立ち過ぎずに余計なことを言わないようにしているのかもしれませんね。

 

 

息切れするくらいの収録。カエルのシーンを見れなくて残念?

──子翠は第2期からの登場とは思えないくらい猫猫たちに馴染んでいますね。

瀬戸:おー、本当ですか!

──すっかり友だちになってますよね。

瀬戸:この作品、下女たちにも個性があることがこれまでもしっかりと描かれています。小蘭も素直で明るく元気で猫猫と対比されるようなキャラクターです。そんな中、子翠も底抜けに明るく、天真爛漫で虫が大好きという個性があるおかげで「下女たちにもこういう子がいるよね」と、自然と溶け込んでいるんじゃないかなと思います。

個人的に、警戒心が強く、周りにあまり興味がない猫猫ですら子翠に興味を持ったというのは、自分と同じようなものを感じ取ったからなんじゃないかなって。自分の好きなものに対しては熱く語ってしまうところとかまさにそうですよね。もしかしたら、人の懐に飛び込んだり、近くにいても違和感なく溶け込めるのは彼女なりの処世術なのかもしれないなと思っています。

 

 

──この作品、スタッフ陣が一言一言にこだわっているというお話をよく聞きます。実際に演じてみていかがでしたか?

瀬戸:最初は「もっと明るく」とか、「もっと素直に」「もっと天真爛漫に」とすごく言われました。虫について興奮しながら語るところなんかは、すでに息切れするくらいのテンション感だったんですけど、それ以上を求められて。

私としてはローテンションな猫猫とか、周りとの差があり過ぎて変な子になっていないか心配でしたが、そこは必要なギャップなので立たせて作りました。最近は回を重ねてテンションの高さや緩急に慣れてきたところはありますね。

──アフレコはみなさんで?

瀬戸:基本みんなで録っているのでめちゃくちゃ楽しいです。女性ばかりの回は後宮みたいな雰囲気になっていたりして。みんなでよく雑談をするんですけど、そのときは作品についてお喋りすることが多かったです。難しい謎解きが出てきたときは「これってどうなんですかね?」みたいに確認し合ったり。

ただ、36話の壬氏さまのカエルシーンをアフレコで見れなかったのは残念でした。漫画で読んだときに「キャー♡」ってくらい大興奮したシーンなので、現場で後ろから見ていたかったのに出番がなく……。その話もアフレコ中に(悠木)碧さんたちに伝えたりしました(笑)。

──和気藹々としているのですね。シリアス展開が多いだけに、常に緊張感に包まれているのかと思いました。

瀬戸:シリアスなシーンはみんなで気を遣い合って台本を読み込んでいたりしますが、いざ話が始まると和気藹々としましたね。

 

 

──悠木さんたちと掛け合った感想をお聞かせください。

瀬戸:猫猫とはテンションの差がありますし、猫猫も子翠に引いていた部分があるので、掛け合うにあたってその距離感がどうなるのか気になっていました。

でも、ふたりはアウトプットの仕方が違うだけで、本質は似ていたり、相性が良いのかなと思ってからは掛け合い自体が楽しくなってきました。子翠としても、猫猫にテンション高く接してもちゃんと返してくれる安心感があると思うので、そこを汲み取って演じたところはあります。

──ちなみに、この作品は難しい漢字が多いですが苦労はありましたか?

瀬戸:ありましたね。現場でも、みんなで「按摩と書いてマッサージなんだ」とか話したり。ただ、読み方は現場で決まることが多かったので、家で練習するときもあんまり気負わず、現場で確認するくらいの気持ちでいました。

 

猫猫と同じ気持ちになって誘拐されてみてはいかがでしょうか

──ここまでのエピソードで印象的なシーンはありますか?

瀬戸:26話で虫について熱く語るシーンです。収録では「もっと早口で、オタクっぽい感じで」と何度もテイクを重ねました。私としてもやっているつもりだけど、「もっと、もっと」と求められたんですよね。難しかったけど、心は折れちゃダメだと思いながら、どんどんギアを上げて演じた記憶があります。ただ、最初に上げ過ぎて今後やっていけるのかという不安もあったりして(笑)。

──それがデフォルトになると後々が大変そうですね(笑)。

 

 
瀬戸:演出的に最初にインパクトを残したかったんだと思うんですよね。その後については上手いこと調整していただきました。

あと個人的に興味深かったのは怪談話(第34話)です。下女たちが働いていないときはああいう風に息抜きしているんだと思いました。それだけではなく、怪談話の中には今後のお話と関係しているものもあったりして、すごく大事な回だったなと。私としてもゾッとする感じが印象深いです。

──そして、先日放送された第40話では、後半、子翠は翠苓の人質となってしまいました。

瀬戸:猫猫を後宮から連れ出すための人質となってしまいましたが、それもなんらかの理由がある気がするんですよね……。これまでいろんなところに違和感が散りばめられていたと思うんです。そしてこの先、その違和感が確信に変わってくるんじゃないかなって。今お話できるのは起承転結の「転」に入ったということですね。

──そんなターニングポイントを迎えたということで、最後に今後の注目ポイントをお聞かせください。

瀬戸:猫猫目線では“蘇りの薬の秘密を知れる”という、誘拐されるメリットがあるんですよね。あんな状況でも葛藤してしまうくらいの薬オタクっぷりを久々に見れた気がします。私としても、命に変えてでも知りたい欲望だったのか!と驚きました。

でも、やっぱり「なぜ猫猫なのか」「翠苓とは一体何者なのか」というところですよね。それに加えて、猫猫を失った後宮の中の変化や壬氏がどうなるのか。今回、様々なことが確信に変わってくるフェーズに入ったので、見ているみなさんも猫猫と同じ気持ちになって誘拐されてみてはいかがでしょうか。

──ありがとうございました。

 
【取材・文 MoA】

 

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