【ジャムの法則】人に何かを決めさせるのにあえて選択肢を限定するワケ【相手のNOをYESに変える ズルい言い換え事典】
選択肢を限定して決めさせる
× はやく家事やってよ
○ 今、洗濯かお皿洗いならどっちができる?
選択肢はマジカルナンバーを意識しよう
人に何かを依頼したり、いくつかの選択肢の中からひとつの商品を選んでもらう場合に、どんな方法が適しているだろうか。
例えば、商品を販売する際、20種類の商品の中からひとつを選ぶ場合と4種類の中からひとつを選ぶ場合、どちらの方が最終的な購入までたどり着きやすいか?実は4種類の方が正解である。
20種類ある方が、その数の多さからたくさんの興味をひくことができるのだが、いざ選ぶときになると、あまりに選択肢が多いせいで、最終決定にまで至らず買わないという人が多いのだ。
選択肢が多すぎると選択決定ができなくなるというこの法則は、「ジャムの法則」 と言われている。米国コロンビア大学のシーナ・アイエンガー博士が提唱し、ジャムの試食販売の実験で立証したものだ。
「どれでもいいから選んでね」は実は不親切かも?
試食販売をしたとき、6種類と24種類ではどちらが多く試食してもらえたか?そして実際にジャムを購入してもらえたのはどちらか? 結果はこうだ。試食される機会が多かったのは24種類の方で、購入まで至った人数は6種類が圧倒的に多かった。
アイエンガー博士は、適切な選択肢の数を「購入のマジカルナンバー」と呼んでおり、およそ5つから9つが適正だとしている。
商品の販売に限らず、家族に家事を依頼するときも「家事やっておいてね」と漠然と頼むのではなく、「洗濯とトイレ掃除どっちならできる?」と絞り込んだ方がより現実的に受け入れやすい。選択肢を提示しているものの、明らかにどちらかしか選べないこの方法は「ダブルバインド(二重拘束)」のひとつである。営業マンがよく使うテクニックのひとつなので、知っている人も多いかもしれない。それゆえに、「どちらも選びたくない!」と怒り出す人がいたり、勘のいい人は騙されてると感じる場合もあるので使い方には注意が必要だろう。
ジャムの法則の活用法
商品の品種は9つくらいまで
マジカルナンバーを利用して、同じ商品の種類違いは、あまり多くつくりすぎない方が適当だ。
選択肢を限定していく習慣
依頼は漠然とではなく、できるだけ具体的にいくつかの選択肢を提示することが大切。
【出典】『相手のNOをYESに変える ズルい言い換え事典』監修:齊藤勇