動くかどうかは気分次第?『灘中央市場』で“はとぽっち”のレトロな遊具を見つけた 神戸市
今年8月で100周年を迎える『灘中央市場』(神戸市灘区)の一角に“昭和レトロな遊具”があるらしい――。そんな噂を聞きつけて足を運んできました。
『灘中央市場』は、水道筋商店街の中にある老舗市場。大正14年(1925年)に開設され、長きにわたり“地域の台所”として親しまれています。
鮮魚・青果・精肉の専門店が軒を連ね、北側にはイタリアンやフレンチ、韓国料理、居酒屋など、ジャンルを超えた飲食店も立ち並んでいます。
“レトロな遊具”があるのは「灘中央市場協同組合」の近くにある、通称“はとぽっちのすみか”。
細い通路を進み、昔ながらの八百屋や鮮魚店の間を抜けた先に――見えてきました、青色ボディの小さな遊具。「これが、噂の?」と思いながら、そっと近づいてみると…。
灘中央市場の公式(いや、一説には非公式?)キャラクター「はとぽっち」ではありませんか!隣には、戦車を模した「せんしゃくん」も並んでいます。
同市場のホームページによれば、設置された正確な時期は不明ですが、少なくとも昭和32年(1957年)にはその姿があったのだとか。いまやほとんど見かけなくなった“昭和の遊具”が、ここでは令和の時代も現役として活躍しているのです。
20円を入れると乗り物が動くというシステム。協同組合の方いわく「20円入れても動かないことがあるし、中でお金が詰まっていたら10円で動くときもある」とのこと。
動くも動かぬも「はとぽっち」の気分次第。最新の遊具にはない、ちょっとした“ゆるさ”こそが、つい利用したくなるポイントなのかもしれません。
アーケードの天井を見上げると、6月のワークショップで現代美術家・高橋匡太さんと子どもたちが手がけた「はとぽっち提灯」が色鮮やかに飾られています。張子(はりこ)から作られた作品たちは、どこか温かみがあり、市場の空気をやさしく照らしているようです。
100周年を記念して、12月までイベントが続々と開催予定。“お楽しみ企画”も用意されているそうで、普段の市場とはひと味違うにぎわいが期待できそうです。
場所
灘中央市場
(神戸市灘区水道筋3-6)
定休日
水曜日