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篠原哲雄監督、全国には魅力的な本屋がたくさんあると感じ自主制作で映画化『本を綴る』

SASARU

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※この記事では4月17日(木)放送の内容をお届けします。
※公開される映画館名や作品情報は上記日程の放送時点のものになりますのでご留意ください。

【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画

映画『本を綴る』篠原哲雄監督インタビュー

(C)ストラーユ

今回は4 月18日(金)からサツゲキで公開される映画『本を綴る』より、篠原哲雄監督が登場!放送では泣く泣くカットされた内容をSASARU movieではディレクターズカット版でお届けします。
篠原哲雄監督は、1962 年、東京都生まれ。明治大学法学部卒業後、フリー助監督として森田芳光、根岸吉太郎、金子修介監督らに師事。

初の長編『月とキャベツ』(96)は独特なファンタジーを提供。

『地下鉄に乗って』(06)のほか、近年の代表作に『起終点駅 ターミナル』(15)、第41 回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した『花戦さ』(17)、『犬部!』(21)、『ハピネス』(24)です。
そして新作映画は、『本を綴る』。主人公は、小説が書けなくなった作家・一ノ関です。一ノ関は、全国の本屋をめぐりながら、書評や本屋についてのコラムを書く仕事をしている。

一ノ関は旅先での出会いや友人との再会によって刺激と温かさに触れ、厳しさを痛感しながら自分が書けなくなった理由と向き合う。

彼には「悲哀の廃村(ひあいのはいそん)」というベストセラー小説があるが、その作品こそが書けなくなった原因でもあった。ある日、那須の図書館司書・沙夜(さよ)と森の中の本屋を訪れた一ノ関は、古書に挟まれたまま届けられずにいた恋文を発見し、宛先の人物に渡すため京都へと向かう。

主演は矢柴俊博さん。本と旅と人のハートウォーミングなロードムービーです。

(C)ストラーユ

矢武:篠原監督は個人的に北海道を舞台にした作品をたくさん監督されているイメージがあります。

篠原:北海道には縁がありましてね。昔、僕の師匠の森田芳光監督が『キッチン』(89)という映画で、函館や札幌に来て助監督として携わったことがありまして、特に函館とは強い縁がある、僕の最初の作品『月とキャベツ』(96)の前に『草の上の仕事』(93)という16ミリの中編の映画があるのですが、函館港イルミナシオン映画祭(当時:函館山ロープウェイ映画祭)で上映されたことがありました。
函館とは縁が強くて、函館港イルミナシオン映画祭でやっているシナリオ大賞の第5回受賞作品である『オー・ド・ヴィ 』(03)が2003年に公開になりました。
その経緯があり、『起終点駅 ターミナル』、『スイートハート・チョコレート』(16)を夕張で撮影しました。『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?』(18)を2017年に撮影しました。『つむじ風食堂の夜』(09)は2009年に函館で撮影をしています。

(C)ストラーユ

矢武:今回は、どうして本屋さんを題材にした映画を作ろうと思ったのですか。

篠原:『本を綴る』という映画の前に「本を贈る」というYouTubeで配信されているドラマを作りました。これを作るきっかけは、東京都書店商業組合から街の本屋が年々どんどん減ってしまっている現状を憂いて、本屋の魅力を新たに発見できるような映像コンテンツを一緒にやりませんかという依頼があり、私自身も本屋が好きで本屋が減っていく現象を寂しく感じていたのでなんかできないだろうかと思いました。
東京都の本屋を30店舗取材して映像に落とし込み、東京都書店商業組合のYouTubeチャンネルで配信しました。

(C)ストラーユ

他の会社も含めて全部で70店舗分をYouTubeチャンネルでみることができるのですが、その枠組みの中でドラマを作れないだろうかと、組合と相談しました。
本屋を取材していくと、後継者問題やなぜあまり儲からない仕組み、魅力的な本屋を作るにはどうしたら良いかなど、店主の方から話を伺っていくと、こうしたら面白いのではないかということがあり、ドラマを作ることにしました。それが『本を贈る』というドラマは、出版社に勤めていた娘が父親がやっていた本屋を継いでいくということを話の軸として本のコンシェルジュを名乗る人物が、本屋の活性化に協力していくっていう流れがあり、本を人にプレゼントすることの大事さを一方で訴えてる話です。本のコンシェルジュというのは、本の紹介や全国の本屋を紹介する仕事です。東京の本屋の話は、本を贈ることなので、全国的に魅力的な本屋はあるだろうと思い続編として『本を綴る』というのを撮りたいと思い企画しました。

(C)ストラーユ

矢武:実際、図書館とか書店を東京都外のところに行かれてやっぱり地域によって違うもんですかね。

篠原:印象としては、地域に根ざしていると言うか魅力的な本屋がたくさんあって、特に今回の映画で栃木県の那須と京都と香川県の高松で撮影してるんですが、那須では森の中にある本屋っていうのは本当にあります。地元の人しか知らないような本屋さんです。
那須の黒磯駅近くにある「那須塩原市図書館 みるる」は、東京では滅多に感じないすごく魅力的な図書館です。1日いても、すごく居心地の良い図書館で本もたくさんありました。スペース自体に光が差し込み”光合成”をしているような感覚でした。カフェもあり、スペース自体に非常に魅力を感じました。『本を綴る』の中ではスペースに主人公が訪ねていく場面があります。

京都の老舗本屋「恵文社」や小さな古本屋などを訪ねて、高松では「本屋ルヌガンガ」など街にしかないひだまり感を感じさせる本屋が映画で登場するのでご覧いただければと思います。

(C)ストラーユ

矢武:個人的には「足軽書店」が気になりました。

篠原:「足軽書店」は、千葉の方が実際にワゴン車で移動書店をやっています。この話の原点は本屋のない地域にも本を売りたい、本を待ってる人たちのために移動図書館が登場します。高松には離島がいくつかあり、島にも本を届けに行くという役割を移動図書館が担っていて、そこから着想を得て映画の中でも、茶色いワゴン車が登場するという仕掛けになってます。

矢武:僕の地元も移動図書館の車が走っていたんですよ。

篠原:いいですよね。子どもたちがそれを楽しみにしてるっていう光景が良いですよね。

(C)ストラーユ

矢武:この作品は、自主制作ですか。

篠原:そうですね。「本を贈る」は書店組合の中で出来上がったのですが、そこからこの一之関という人物は本のコンシェルジュであり作家なんですよ。

この作家が今、書けないでいると言っているのですが書けるようになるまでの話がこの『本を綴る』で描かれています。

我々はそれを作ろうとした時に、今度は自主制作で作っていこうと思ってですね。文化庁の助成金システムを使いながら、それから他の方にもいろいろ援助して頂きながら作っていきました。自主制作だからこそ各地で上映活動を続けています。東京、那須、京都、大阪、神奈川、高松、そしてこの度札幌で上映することになったのは、やはり地道に色々な地域を回りながら、まるで移動書店のように映画を各地に届けていきたいと思っています。4月18日(金)からサツゲキで上映されることになりました。4月19日(土)は、私と脚本家兼プロデューサーの千勝一凜が舞台挨拶に伺いますので、皆さんにお会いできたらありがたいです。

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