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悪魔が来たりてベビメタる【聖飢魔Ⅱ vs BABYMETAL】メタルの異端児がアリーナで激突!

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2025年08月30日 「聖飢魔Ⅱ vs BABYMETAL ~悪魔が来たりてベビメタる~」公演日

“現世最凶の遭遇” に偽りなし!メタルの異端児が巨大アリーナで激突!


聖飢魔ⅡとBABYMETAL。個性とインパクトでは人後に落ちない2つのバンドが向かい合い対峙する。さながら “怪獣大決戦” のごとき強烈で明快なビジュアルイメージを見て、“そうきたか!” とワクワク感が止まらない。一撃でまんまとしてやられた思いだ。

そう、ヘヴィメタルであることをアイデンティティの軸に置きながら、既存の枠組みに囚われない発想で音楽シーンを席巻してきた両者がここに相まみえる。ありそうでなかった、違和感があるようで不思議とない、異色かつ完璧な組み合わせ。BABYMETALのプロデューサーとして知られるKOBAMETAL氏が、聖飢魔Ⅱの熱烈な信者(ファン)であることも、今回の共演が実現した一因なのだろう。聖飢魔ⅡとBABYMETAL、このツーマンライブが、来たる8月30日(土)と 31日(日)にKアリーナ横浜で行われる。

ライブのタイトルは、1985年(魔暦紀元前13年)に、聖飢魔Ⅱが発布(発売)した地球デビュー大教典(アルバム)『聖飢魔Ⅱ〜悪魔が来たりてヘヴィメタる』をもじった、『聖飢魔Ⅱ vs BABYMETAL ~悪魔が来たりてベビメタる~』。初日は「遭遇 -Encounter-」、2日目は「衝撃 -Impact-」と、ライブへの期待を最大限にまで高めるタイトルが付けられている。

メタルの “悪魔” と “アイドル” 。相反するキャラに見出せる共通点!


近年のコロナ禍における活動の制限を経ながら、聖飢魔Ⅱはデーモン閣下の体調面での不安、BABYMETALはメンバーチェンジ等の試行錯誤、幾多の困難を乗り越えて、両者ともにアイデアを絞ってそれぞれのペースで精力的な活動を続けてきた。そんな2つのバンドは、“悪魔” と “アイドル” という相反するキャラクターを持ちながらも、多くの共通点を内包している。

まず、 両者ともに確固たる世界観と明確に作り込まれたコンセプト、ストーリー性を持ち、それを徹底して貫いてきた点だ。聖飢魔Ⅱはデビュー以来、ヘヴィメタルを媒介にして悪魔教を布教し地球征服を目指す黒ミサ教団。一方のBABYMETALは、メタルの神であるキツネ様のお告げに沿うべくメタル・レジスタンスとして活動。公にはプライベート(世を忍ぶ仮の姿)を明かさず、世界観を崩さないスタンスを徹底してきた。

そんな謎めいたイメージを増幅させるのが、コスチュームやヴィジュアルへの拘りだろう。聖飢魔Ⅱは、悪魔そのものを想起させるメイクと強烈なヘアスタイル、作り込まれた衣装を身につけ、BABYMETALは、アイドルチックな可愛さの中にも、絶妙にメタルのイメージを匂わせた揃いの衣装を身にまとう。活動を重ねる中で、よりゴージャスで洗練されたヴィジュアルに進化している点も同じだ。

メタルの既成概念を取っ払った聖飢魔ⅡとBABYMETAL


音楽性の面では、あくまでヘヴィメタルを主張しながらもそこに留まらない。聖飢魔Ⅱは、デーモン閣下のオペラティックで圧倒的な歌唱とおどろおどろしく伝統的なメタルを軸に、ロックバンドとして多彩な曲調を奏でている。BABYMETALは “メタル+アイドル” の融合を体現すべく、SU-METALの卓越した歌唱力と天性のクリアボイスを武器に、新世代のラウドなメタルテイストにEDMをはじめとした要素を果敢に融合。ジャンルを超越した多彩なコラボも次々と行うなど、斬新なサウンドスタイルを構築していった。

両者とも、メタルの既成概念を取っ払ったことで、原理主義的なファンからは “イロモノ” と批判の対象になり、とりわけ初期の頃は “メタルか否か” で賛否が二分していたのも共通している。音楽専門誌界隈では聖飢魔Ⅱがアルバムレビュー0点を献上され、BABYMETALに至っては取り上げられさえしなかった。

そうした状況をものともせず、独自の道を突き進んだ聖飢魔ⅡとBABYMETALは、狭義なヘヴィメタルシーンを起点にしながらも、日本の音楽シーンに打って出て人気を集めヒットを記録。国内では『NHK紅白歌合戦』への出場を果たすなど、まさにお茶の間にメタルを届けることに成功し、広く知られる存在となった。聖飢魔ⅡとBABYMETLの標榜する様式こそ違えど、多くの共通点を持つ両者は、ヘヴィメタルをエンターテインメントの領域にまで昇華し革新をもたらした意味で、互いに響き合う関係にあるのは間違いないだろう。

予測不能な究極のコラボ!どんな化学反応が起こるのか!?


両者に通ずる非日常的な世界観を最大限に落とし込み、その魅力を最もダイレクトに伝える場面がライブの空間だ。濃厚な世界観が交錯しながら繰り広げられる前代未聞のショーとして、意義深くレアな瞬間が連続することが期待される。ライブにおいて両者に共通するのは、ヘヴィメタルとしての激しさを増幅させながら、視覚的な演出を重視している点だ。その見所は尽きないが、両者の共演パートの有無にも期待が高まる。

BABYMETALは過去にも様々なジャンルのアーティストとコラボを重ねてきたが、仮に共演曲が披露されるなら、デーモン閣下とSU-METALとのデュエット、神バンド × 聖飢魔Ⅱの構成員による演奏等、レアな瞬間が生まれるはすだ。
両者の世界観が交錯する場面があれば、聖飢魔Ⅱの信者とBABYMETALのメイトはより強く惹き込まれるに違いない。世代や嗜好が異なる両者のファン層が、同一空間に集まること自体が、音楽フェスに匹敵する意義を持つだろう。

聖飢魔ⅡとBABYMETAL、遭遇と衝撃の先にあるものは?


BABYMETALによる聖飢魔Ⅱへのリスペクトを、これまでのライブにおいて感じられる場面はあったが、今回のツーマンライブをきっかけに両者の交流が活発化する可能性もある。BABYMETALは海外で圧倒的な人気や評価を受けているのは周知の通りだが、聖飢魔Ⅱは1990年代にアメリカ、ヨーロッパでミサを行なって以来、海外での展開は見せていない。

あれから長い歳月が経ち、日本のアーティストの海外での受け止め方も随分と変わってきた。もしも聖飢魔Ⅱが再びBABYMETALと海外をサーキットしたら?と妄想を抱いてしまう。KISSとももいろクローバーZの前例ではないが、何らかの共作曲が実現すれば、音楽シーン全体での大きな話題にもなるだろう。日本発の “新たなメタル様式” の提示にもなりうる。

本ライブはタイトルに “vs" とあるものの、これは単なる対決バトルには留まらない。そう、エンターテインメントの伝承や新たなシーンの創出にもなり得るはずだ。メタルミュージックが日本でどのように独自進化し、次の世代に受け継がれていくかを可視化する瞬間にもなるだろう。ヘヴィメタルが伝統に甘んじず、革新とオリジナリティを持つことの重要性が、まさにこの共演に込められている。

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