84%が盲点だった!下着の「備え」していますか?“防災下着”でこころにも安心を
大雨や大地震など道内でも起こりうる大きな災害。
そんなときに必要な防災グッズや、避難先での支援物資ですが、頭に最初に浮かぶのは何でしょう。
やはり、「水・食料」が優先されがちですが…
身近で、身近すぎるからこそ気づきにくい「盲点」があるんです。
【特集】“じぶんごと”防災
防災バッグに「下着」入っていますか?
さっぽろ東急百貨店の一角。
期間限定でオープンしたのが「防災下着」のコーナーです。
「防災バッグに下着も備えてほしい」
そう提唱しているのは、大阪の下着メーカーHEAVEN Japanです。
コーナーに売られている防災下着は、いわゆる「ナイトブラ」。
そのなかでもこんなものをおすすめとして提唱しています。
・夜に寝ているときでも締め付け感が少ないもの
・折りたたんで収納しやすいもの
・避難所で干しても目立ちにくいシンプルなもの
・汗を吸い、速乾性のあるもの
専用のものをきっちり備えるだけが防災下着ではありません。
広報担当の梅井佑希子さんは「普段から使っているナイトブラなどの着慣れたものを、買い替えのタイミングで防災用に回すイメージだと備えやすい」とアドバイスしてくれました。
HEAVEN Japanでおすすめしている商品は、洗濯しても乾きやすいメッシュ素材。
ワイヤーがないため折りたたむと本当にコンパクトです。
一方で、サイドにはパワーネットが使われ、縫製は立体的。
横になっていてもバストの形をしっかりキープしてくれるといいます。
さすが下着メーカーの安心感…!
下着メーカーとして「防災」の視点に気が付いたのは、ある社員の一言がきっかけだったといいます。
今避難することになったら?身近な盲点
その社員は休暇で旅行を楽しんでいたときに地震に遭遇したのだそう。
幸い、避難が必要なほどの大きな災害ではなかったものの、そのときふと「今ここで避難が必要となったとき、当たり前に身に着けている下着はどうしたらいいのだろう」と考えたのでした。
そこで、「防災と下着」に関するアンケートを独自に実施。
すると、実に83.7%の女性が防災バッグに下着を備えていないことがわかったのです。
また、自治体への調査では女性用下着を備蓄率は11.9%、妊産婦用の下着ではわずか0.3%にとどまることもわかりました。
アンケートでは「下着を用意するということに気づかなかった」「用意しようと思っても後回しになっている」との声があったといいます。
身近すぎるゆえなのかその“盲点”が浮かび上がったかたちです。
普段当たり前に身に着けていて、確かに大事な下着。
サイズなども様々で簡単に貸し借りができるものでもありません。
しかし避難生活のなかでは食料などの「緊急物資」が優先され、下着などの日用品が届くまでには時間がかかります。
しかも「ほしい」と声を上げにくい面もあります。
広報担当の梅井さんは「備えておくことは、衛生面はもちろんのこと、心の安心にもつながる」と話します。
HEAVEN Japanでは2019年の房総半島台風、熊本豪雨、2023年の能登半島地震、奥能登豪雨で約2000枚の下着の支援をしてきました。
そして、SNSなどで直接「下着がほしい」と要望を受けてそれを叶えたくても、道路の寸断などで物資の輸送が難しい現状も目の当たりにしてきました。
だからこそ、自分で備えることの重要性の啓発にも今力を入れています。
防災下着を備える際の意外なアイデアも教えてもらいました。
今後は「防災下着セット」のパッケージも
例えば洗濯の工夫。
手洗いのあと必要な「脱水」に野菜の水を切る『サラダスピナー』を活用します。
また防災バッグに備えるときには、中が見えにくく濡れない袋を準備しておくことも忘れずに。
HEAVEN Japanでは、今後、下着2~3セットと収納する袋をつけた「防災下着セット」の販売も予定しているということです。
大地震や大雨は、いつ起きるかわからない災害です。
普段、身に着ける下着も、身近だからこそ「じぶんごと」として防災の意識を忘れないで備えたいですね。
【特集】“じぶんごと”防災
文・編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年6月12日)の情報に基づき、一部情報を加筆しています。