藤原大祐、窪塚愛流「学生時代にイヤだなと思っていた授業や宿題も振り返ってみると意外といい思い出」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は2月7日公開の映画『大きな玉ねぎの下で』に出演した、藤原大祐さんと窪塚愛流さんが登場。学生時代を振り返ってのリアルなアドバイスや、背中を押してくれる楽曲を教えてくれました。
【写真】藤原大祐、窪塚愛流の撮りおろし藤原大祐、窪塚愛流が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.友だちと旅行に行く
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことは?
窪塚:友だちと旅行に行くこと。というのも、僕らはコロナ世代なので。大祐は修学旅行あった?
藤原:あった。
窪塚:俺、なかったんだよね。だから仲のいい友だちだけで一緒にディズニーランドに行ったんだけど。
藤原:それは楽しいね。
窪塚:修学旅行や遠足とはまた別で、友だちといろんな思い出を作るのはかけがえのない時間になったなと思います。振り返ってみても楽しかったし。そういう楽しい思い出はとことん作るべきだなと思います。
藤原:僕は学校内恋愛をしなかった人生だったんで、したらよかったなと思いました。一緒の制服を着て一緒に登校して、一緒に帰ってそのままどっかにデートに行ったりとか、なんでしなかったんだろうと大後悔時代ですね(笑)。
窪塚:『ONE PIECE』やん(笑)。
2. 学生時代にイヤだなと思っていた授業や宿題も振り返ってみると意外といい思い出
――おふたりが学生時代に励まされた楽曲や、学生におすすめの曲はありますか?
藤原:僕は自分の曲で「ぽけっとびーと」を聞いてほしいですね。人生の中には楽しい瞬間もあれば楽しくない瞬間もあって、特に学生時代は僕も「いや、これ意味ないだろ」と思うことがあったんですよ。そういうことって大人になっても結構いっぱいあって、でもその全部の瞬間が軌跡として木の年輪みたいに自分というものを太くしてくれて、振り返ってみたら意外とよかったなと思うことも多くて。学生時代にイヤだなと思っていた授業や宿題も振り返ってみると意外といい思い出だったり、「あれ、イヤだったよね」と大人になって会話することが面白かったりして。「ぽけっとびーと」はそんなものがもしかしたらポケットから出てくるかもよということを歌っている曲なので、聞いてちょっとでも元気を出してもらえたらなと思います。
3.「I gotta go」を聞くと今を生きている感じがする
窪塚:
僕はGeGさんの「I gotta go (feat. Hiplin, WILYWNKA, KojiKoji)」です
。「桜木の木漏れ日が」という歌詞から始まるのですが、歌詞一つひとつが僕の青春時代に重なるんです。この曲を聞くと今を生きている感じがして、その時間がすごく輝いて見えてきます。この曲を聞きながら朝、学校に行くのがすごく好きでずっと聞いていました。
見てもらった人に記憶に残る2人にしたいねと話した
――おふたりの出演映画『大きな玉ねぎの下で』が公開されますが、お互いが演じた役と似ているなと思ったことや共通点を感じたことはありますか?
藤原:僕、台本を読んだときに大樹は愛流がいいなと思っていて、そしたら本当に愛流だったんで、それは嬉しかったですね。
窪塚:言ってくれていたよね。
藤原:3回目の共演で僕との関係値もそうですし、ビジュアル的なイメージも僕より背が高くてクールな人がいいなと思っていたし、あとキャラクターもハマりそうだなと読みながら勝手に考えていて。でも大樹のほうが結構役作りをしていたよね。オーバーに演じるというプランがあったんで、普段の愛流に近いというよりは“役”という感じがあったかな。
窪塚:確かに、結構オーバーに体を大きく使って表現していました。普段はどちらかというとボソボソ話す感じだったので、探りながら現場で作っていった感じはありました。でも今回は相手が大祐だったからなんでも受け止めてくれる包容力があるし、とても安心できました。僕が思う大祐と虎太郎との共通点は、真面目で丁寧なところ。そして虎太郎は大樹のことをすごくわかってくれていて、大祐も僕自身のことをすごくわかってくれているから、芝居をしていてめっちゃ楽しかったです。
――撮影前にお互いに連絡を取ったり、共演を知って話すことはありましたか?
窪塚:僕たちは回想シーンでの出演だけど、見てもらった人にとって記憶に残る2人にしたいねと話しました。現代のシーンに負けないようにというか。
藤原:そうだね。僕は台本を読んだときにこの役がすごく際立って見えたんですよ。なので、台本には忠実に、でもそれを越えるくらい爪跡を残してやろうぜみたいな話はちょっとしましたね。虎太郎も大樹もすごくいい役だったので、それを演じきりたいねって。
――現場では演じる前にお話することもあったのでしょうか。
窪塚:どういう芝居をするかというのは、「本番、よーいスタート」で見せる感じで。お互いを信頼しているからこそ本当に自由自在でした。それがとても楽しかったです。僕が放送室でドタバタ動きながら話すシーンがあるのですが、
台本を読んだときにはまったく想像できていなかった感じになって、いい意味での化学反応が起きた
なと思います
。
藤原:楽しかったね、マジで。僕にとっても台本を読んでいたときには想像できない芝居をしてくれたし、前に共演した作品からそうなんですけど、「こういうお芝居でくるんだ!」と玉手箱を開けるみたいな気持ちになれるのが毎回楽しみなんですよ。
窪塚:こちらこそです。
藤原:いやいやいや。昔共演したときは同世代だし、「こっちからボールを投げてみよう」と思っていたんですけど、愛流はいつも投げてくれるんで、今回は受けていこうというスタンスでいましたね。
何気ない時間の積み重ねで気づいたら仲良くなっていた
――今回の共演で驚かされたり、グッときた瞬間はありますか?
藤原:もともとの関係値があるからかわかんないですけど、愛流とお芝居していると台本以前の話が思い浮かんでくるんですよ。作品の中では幼なじみでも役者同士はそうじゃないので、そこまでの背景を掴むのが一番大事だと僕は思っていて。でも愛流とだとそこが全然問題じゃないというか、「ふざけんなよ」という一言でも「これ、昔から言ってきたんだろうな」とか「昔からこういう関係値が変わってないんだろうな」とすごくスッと入ってくるというか、説得力があるんですよね。
窪塚:同世代の俳優さんだと大祐と一番共演しています。だからこそ、なんでも受け止めてくれると思えるし、本番が始まった瞬間に自分が芝居しているか、していないかわからないくらい、役や二人だけの世界にのめり込んでいます。だから、
いろいろな感情も湧き出てくるし、気持ちよくお芝居できていて、今までそういうことを感じられたのは大祐だけだったので、大祐のおかげで没頭できた
と思います。本当に感謝しています。
藤原:ありがとうございます!
――作中では音楽や手紙を通して距離が近づくキャラクターたちの関係性が描かれていますが、おふたりの仲がここまで深くなったきっかけは?
藤原:最初に共演した『神様のえこひいき』は地方ロケで、ずっと二人で一緒にいたんですよ。内容的にも丁寧に演じなきゃいけない役柄でお互いに試行錯誤したのもあって、一緒に苦楽を乗り越えた仲になれて。その一年後にまた学生役で共演して、ほとんど毎日会っていたし、しかも楽屋でずっと隣に座っていたよね。
窪塚:ずっと隣だった。
藤原:そしてまた一年後くらいにこの作品だもんね。これが公開された一年後くらいにまた共演できるかな(笑)。
窪塚:『神様のえこひいき』のときは、僕が間違えたりしたときも支えてくれて。
藤原:何か特別なことがあったわけではないんですけど、単純に一緒に芝居しているのが楽しいんです。
窪塚:あ! 誕生日がめっちゃ近いんすよ。僕が10月3日で。
藤原:僕が10月5日なんですよ。同い年で2日違いなんです。そうだ、その話ロケバスでしたよね。
窪塚:それは結構大きかったですね。プライベートでごはんに行ったこととかはないんですけど、何気ない時間の積み重ねで気づいたら仲良くなっていて。
藤原:そろそろごはんは行きたいよね。でもごはんに行かないくらいじゃ愛流との関係は切れないって思えるな。
PROFILE
藤原大祐
2003年10月5日生まれ。東京都出身。主な出演作に「神様のえこひいき」(22/初主演)、映画『追想ジャーニー』(主演)、映画『モエカレはオレンジ色』、「リビングの松永さん」(24)、ドラマ「柚木さんちの四兄弟。」などがある。またミュージシャン・シンガーソングライターとしても活動中。
PROFILE
窪塚愛流
2003年10月3日生まれ。神奈川県出身。2021年から本格的に俳優活動を開始。主な出演作に映画『麻希のいる世界』(22)、『少女は卒業しない』(23)、ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」など。2024年には映画『ハピネス』で初主演。現在ドラマ日曜劇場「御上先生」に出演中。3月5日には1st写真集が発売される。
映画『大きな玉ねぎの下で』2月7日(金)公開
同じ場所にいるのに会ったことがない2人。丈流(たける)と美優(みゆう)は、 夜はバー、昼はカフェになる「Double」でそれぞれ働いている。“夜の人”と“昼の人”を繋ぐのは、連絡用の<バイトノート>だけ。最初は業務連絡だけだったが、次第に趣味や悩みも綴るようになった。会ったことがないからこそ、素直になれた。でも実は、2人は顔見知り。しかも、全くそりが合わず関係は最悪。お互いの素性を知らないまま、2人は大きな玉ねぎの下(武道館)で 初めて出会う約束をするがー。
一方、あるラジオ番組では30年前の文通相手(ペンフレンド)との恋が語られていた。顔は知らないけど好きな人と武道館で初めて会う約束をして・・・
2組は大きな玉ねぎの下で出会うことができるのか?
令和と平成2つの恋が交錯し、やがて1つの奇跡が待ち受けるー。
https://tamanegi-movie.jp/
取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子