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「みんなが最高のヒーローになった物語」の連載10年の軌跡を巡る 「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』原画展」レポート

SPICE

原画展描き下ろしキービジュアル「ヒーローVS敵(ヴィラン)」

2025年秋にTVアニメ『FINAL SEASON』の放送が決定している人気ヒーローアクション漫画『僕のヒーローアカデミア』。そんな本作の展覧会「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』原画展」が、CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京・京橋)にて2025年8月31日(日)まで開催中だ。本展は、連載10年の歩みを巡る大規模展覧会。アナログ原稿をはじめデジタル完成原稿や線画、ネーム、19点の描き下ろしイラストを含む計564点の作品が展示されており、堀越先生の作品への情熱と熱量を体感することができる。

『ヒロアカ』世界への扉となるプロローグエリア

プロローグエリアでは、連載終了までの10年間に刊行されたコミックスのカバーイラスト41点が集結。さらに作中で起きた出来事がオリジナルタブロイドで振り返ることができるというなんとも贅沢なエリアが広がっている。まさに『ヒロアカ』の世界への扉が開いたようだ。

プロローグエリア (C)堀越耕平/集英社

起きた出来事が描かれたオリジナルタブロイド (C)堀越耕平/集英社

タブロイド(新聞の判型の一種)形式での展示によって、実際にヒーローたちがいる世界線で、彼らの活躍を新聞で読んでいる市民になったかのようだ。

最高のヒーローになるまでの物語の幕開け

最初の「Zone1 「架空ゆめ」は「現実」に。」では、物語の始まりであるデクとオールマイトの出会いからヒーローと敵(ヴィラン)の「全面戦争」突入までの原画が展示されている。

Zone1 (C)堀越耕平/集英社

Zone1の「SPRING(春)」エリア (C)堀越耕平/集英社

Zone1の「SUMMER(夏)」エリア (C)堀越耕平/集英社

雄英高校に入学したデクたちの雄英体育祭やヒーローインターンなどの思い出や襲いかかる事件の数々を存分に振り返ることができるエリアだ。しかも、時系列順に原画が展示されているため、成長していくキャラクターたちの姿を目で追えるように工夫がされている。

各所に描かれた堀越先生直筆の絵は必見! (C)堀越耕平/集英社

壁に描かれた複数の堀越先生直筆の絵も必見だ! また、堀越先生による各エピソードを描いていた当時の心境などを語った特別解説もついており、アルバムを覗いているかのよう。作者が作品に込めた想いや情熱を感じ取ることができる。

中央に設置された各キャラにスポットが当たった展示エリア (C)堀越耕平/集英社

各キャラにスポットが当たった展示エリアの死柄木弔の原画 (C)堀越耕平/集英社

中央にあるオールマイト/オール・フォー・ワン、死柄木弔、爆豪勝己、緑谷出久、轟焦凍/エンデヴァー/荼毘、麗日お茶子にスポットが当たった展示エリアでは、各キャラクターやキャラクター同士の関係性についてなど、読者必見の制作裏話を楽しむことができる。ここでしか見ることができない貴重なコメントをぜひ読んでほしい。

Zone2の前にはデジタル作画解説のパネルが設置されている (C)堀越耕平/集英社

“とある工夫”で1/1スケールの“黒デク”フィギュアがより楽しめる!?

続く「Zone2 「ヒーロー飽和社会」の終焉。」では「第二次決戦」直前までの原画がずらり。こちらではデジタル完成原稿のほかに線画やネームといった直筆資料が多数展示されている。

Zone2 (C)堀越耕平/集英社

堀越先生直筆のイラストたち (C)堀越耕平/集英社

ここには、描き下ろしスケッチを基にした1/1スケールの“黒デク”フィギュアも。凄まじい存在感で鎮座しており、その高いクオリティに驚いてしまう。

1/1スケールの“黒デク”フィギュア (C)堀越耕平/集英社

この“黒デク”フィギュアは子供の目線に合わせて製作されたとのことで、しゃがんで顔を見てみると、黒デクと目が合うという驚きの仕掛けが施されている。来場の際はぜひしゃがんで、下から黒デクの顔をのぞいてみてほしい。

『僕のヒーローアカデミア』の線画やネームが展示されている (C)堀越耕平/集英社

Zone2に展示されている「第二次決戦」直前までの原画 (C)堀越耕平/集英社


死闘を繰り広げるヒーローVS敵(ヴィラン)の姿に鳥肌

「Zone3 ヒーローと敵ヴィラン、最後の戦い。」に入ってすぐ目の前に広がるのは、バナーを用いた空間展示。描かれているのは、死闘を繰り広げるヒーローVS敵(ヴィラン)たちの姿だ。

Zone3のバナーを用いた空間展示 (C)堀越耕平/集英社

天井からは瓦礫を模したバナーが吊るされており、埋もれた瓦礫の中での「第二次決戦」の戦禍の臨場感がよりリアルに、来場者に訴えかけてくるようだった。

VS HIMIKO TOGAのエリア (C)堀越耕平/集英社

VS TOMURA SHIGARAKIのエリア (C)堀越耕平/集英社

VS HIMIKO TOGAやVS TOMURA SHIGARAKIなど、ヒーローと敵(ヴィラン)の戦いを辿っていく。名場面の数々に鳥肌が立ち、自然と胸が熱くなる。ここでは、並んで展示されているネームと原画を見比べて、変更された箇所を見つけていくのも面白い。

VS REMNANTSのエリア (C)堀越耕平/集英社


堂々の完結、最後は「みんなが最高のヒーローになった物語」

「Zone4 繋ぎ、紡がれる想い。」では、死柄木弔そしてオール・フォー・ワンとの決着がつき、ついに物語のクライマックスを迎える。ほかにも、エピソードのひとつ「みんなが最高のヒーローになった物語」を大迫力の空間展示で堪能することができるエリアだ。

Zone4 (C)堀越耕平/集英社

本作には「みんなが最高のヒーローになるまでの物語」という言葉が出てくる。しかし最後は「みんなが最高のヒーローに“なった”物語」と過去形に変わり、堂々の完結を果たすのだ。

「みんなが最高のヒーローになるまでの物語」 (C)堀越耕平/集英社

奥のエリアには堀越先生珠玉の原画展描き下ろしキービジュアル「ヒーローVS敵(ヴィラン)」が特大パノラマフォトスポットとして登場! 色々な角度から写真を撮って思い出を残そう。

原画展描き下ろしキービジュアル「ヒーローVS敵(ヴィラン)」 (C)堀越耕平/集英社

また、最後の「Zone5 少年少女たちが取り戻した“日常”の記録。」では、コミックス最終巻に収録された描き下ろしエピソード「No.431」の線画原稿が特別公開されていた。これは完結後のキャラクターたちの日常をデクが撮影したという着想のもと企画された描き下ろしだ。

ほかにも、「Special Illustrations “Snapshot”」と題して同展のために描き下ろしたイラストが公開されているので、こちらも要チェック!

物販エリアも要チェック (C)堀越耕平/集英社

物販エリアでは「だいなま もちもちぬいぐるみ」(税込7,700円)や「アクリルMEGAフィギュア W デク&オールマイト」(税込7,700円)などといったグッズが並ぶ。「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』原画展 公式図録」(税込2,970円)や展覧会開催を記念したオリジナルグッズが多数販売されているので、ぜひ立ち寄ってほしい。

「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』原画展」は、8月31日(日)まで、東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOにて開催中。

(C) 堀越耕平/集英社
文・写真=笹本 千尋

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