横浜開港資料館 近代外交のルーツに迫る 日米和親条約から170周年
特別展「外国奉行と神奈川奉行-幕末の外務省と開港都市-」が11月24日(日)まで、横浜開港資料館=中区日本大通=で行われている。
今年は横浜で日米和親条約が締結されてから170周年にあたる。この条約によって日本は欧米諸国と恒常的に外交を行う必要に迫られ、外国奉行と神奈川奉行を創設した経緯がある。近代の日本外交のルーツを考える上でも重要なテーマだが、公的な資料の少なさからこれまであまり研究がされてこなかったという。
展示を担当した吉﨑雅規さんは「外国奉行は外務省の、神奈川奉行は神奈川県(庁)の前進にあたり、現在の日本につながる。今回、各所から貴重な資料が集まったことで歴史を紐解くことができた」と話す。
会期中に展示替えを行う。(Part1は10月20日まで、Part2は26日から)。古写真、絵画、絵図、古文書など総計約150点の資料が展示される。
20日までのPart1は、幕末の激しい国際環境の中、幕府外交のかじ取りを担った外国奉行に焦点を当てる。
今回、初公開されるのは、初代駐日アメリカ公使、タウンゼント・ハリスの肖像写真と開港前の横浜の手書きの地図。肖像画の原資料は同館が今年入手したもので、国内では他に所蔵が知られていない。手書きの地図は1859年3月の様相を書いたものとされる。現在の本町4丁目あたりに三井越後屋と書かれていることから、この辺りが街の中心で一等地だったことが分かる。
他にも、外国奉行の柴田剛中に関する資料群30点ほどを出陳する。昨年国立歴史民俗博物館に寄託されたもので、外国奉行に関する資料群としては質・量ともに群を抜くという。
26日から始まるPart2は、開港場周辺の行政を行いつつ、居留地で外国人との折衝も担当した神奈川奉行に迫る。
入館料は一般500円、小・中学生・市内在住65歳以上が250円。月曜休館(祝日の場合は翌日)。(問)同館【電話】045・201・2100