初山獅子舞保存会 70年ぶり伝統の舞い 自治会設立70年に合わせ
神奈川県の無形民俗文化財に指定されている「初山の獅子舞」。初山自治会設立70周年の記念事業の一環として、かつて舞子だった初山獅子舞保存会のメンバー4人が4月5日、初山会館庭で伝統の舞いを披露した。提案者として舞った萩原明さん(84)は「70年ぶりだったが何とかやり切れた。今の舞子たちに態度で示したかった」と思いを述べた。
初山の獅子舞は、江戸時代初期から行われているとされ、舞手は地域の子どもたちが代々担う。保存会の指導を受けた舞子たちは、菅生神社の例大祭で舞を奉納するなど、その伝統を受け継いでいる。
「初山自治会70周年にちなみ、70年ぶりに獅子舞をやってみないか」。そんな萩原明さんの呼びかけに応えたのが、同級生で会長の小金井睦雄さん(84)。その後、萩原進さん(64)と松井淳史さん(41)が加わった。通し稽古は1回だけ。それでも「体に染みついているから」といい、多くの観客が見守るなか、通常より短い中入り前までの型を舞い切った。
小金井さんは「江戸時代から続く伝統のため、指導者の育成に力を入れていきたい」。萩原進さんは「獅子舞に育てられてきた。世界の無形文化遺産を目指したい」。最年少の松井さんは「大先輩に負けないように舞った」と話した。