【快眠チェックリストつき】あなたの❝眠り❞は大丈夫? 「寝る前ストレッチ」が良質な睡眠につながる理由
「疲れているのに眠れない」「十分寝たはずなのに疲れが取れない」など睡眠のお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は、『NHKまる得マガジンMOOK 今日から快眠! 寝る前ストレッチ』より、健康的で熟睡&スッキリ目覚める快眠生活を手に入れることができるストレッチをご紹介します。
まずは眠りの悩みの原因を探るための「快眠チェックリスト」で自分の睡眠に問題がないか、確認してみましょう。
まずはCHECK! あなたの“眠り”は大丈夫?
快眠チェックリスト
A:睡眠充足度チェック
ぐっすり眠れない、スッキリ目覚められない……。そんなあなたは、知らないうちに「快眠」を妨げる行動をしているのかもしれません。下のリストで、睡眠の充足度をチェックしてみましょう。
□ 日中、眠気に襲われることが多い
□ 夕食後、2時間以内に就寝する
□ 就寝時刻は毎日バラバラ
□ 「バタンキュー」と眠りにつく
□ 部屋着のまま寝てしまう
□ 考えごとをしてしまい、眠れないことが多い
□ 寝つけないときは寝酒をたしなむ
□ 夜中に目が覚めることがよくある
□ アラームが鳴っても、すぐに起きられない
□ 起床時にだるさを感じる
➡ このリストに1 個以上チェックがついた人は、質の良い睡眠をとれていないと考えられます。深部体温のアップにつながるストレッチをメインに始めましょう!
B:体ガチガチ度チェック
快眠できない理由はいろいろありますが、「血行不良」もその一因。体のどこかの血流が滞ると、「こり」や痛みが生じて眠りにつきにくくなるのです。下のリストで、体がガチガチにこり固まっていないか、チェックしてみましょう。
□ デスクワークを長時間している
□ 立ち仕事が長い
□ スマートフォンが手放せない
□ 運動をする習慣がない
□ 入浴はシャワーを浴びるだけ
□ 寝る寸前までテレビやスマホを見ている
□ 姿勢が悪いと言われる
□ 歩き方が不安定だと言われる
□ 寝ているときに足がつることが多い
□ 肩こりや腰痛に悩まされている
➡ AよりもB のほうに多くチェックがついた人は、体のこりや痛みによって快眠できていない可能性が大。こり固まった筋肉をやさしくゆるめるためのストレッチも積極的に行いましょう。
なぜ、寝る前にストレッチ?
快眠生活を手に入れるためにおすすめなのが、主に就寝前にベッドやふとんの上で行う「寝る前ストレッチ」。寝る前にふさわしいマッサージや軽い筋トレも含まれています。なぜ寝る前に行うのか、その理由を解説しましょう。
「こり」や痛みがやわらぎ、快眠できる
ストレッチを行うと、硬直した筋肉が柔軟になり、血行が良くなります。血行が良くなると「こり」や痛みがやわらぎ、体も心もリラックスして、眠りにつきやすくなるでしょう。
運動の時間をとりやすい
忙しく過ごす現代人にとって、ようやくホッと一息つける時間が「寝る前」です。なかなか運動する時間をとれない人でも、あとは寝るだけというこの時間なら、自分の体のメンテナンスにあてやすいはずです。
習慣化しやすい
毎晩行っていると、脳が「これは入眠の儀式だ」と認識して、やがて条件反射のように眠りのスイッチが入るようになります。そうなれば、ストレッチは寝る前の習慣となり、無理なく続けられるでしょう。
安全に運動できる
ベッドかふとんの上で寝たまま、あるいはベッドなどに腰かけて行うものがほとんどです。ハードなトレーニングは行わないので、体を動かすことに不安がある人でも、危険や負担が少なく、安心して取り組めます。
「寝る前ストレッチ」を始める前に
このストレッチには、「寝る前」ならではのポイントがあります。快眠につなげるため、またストレッチを継続するために知っておきたいことを紹介します。
ポイント1 毎日、寝る前に行う
「寝る前ストレッチ」は、一日の終わりに体と心をリセットする「儀式」のようなもの。できれば毎日ストレッチをして、習慣化しましょう。
ポイント2 長くやりすぎない
体調に合わせて、1日5~10分間、最長でも30分以内で切り上げましょう。
ポイント3 呼吸しながら行う
呼吸しながらストレッチをすることで、血流が促進され、筋肉が伸びやすくなります。力を入れるときに息を吸い、脱力するときに息を吐くとよいでしょう。
つらい症状をやわらげて快眠に!
スマートフォンやパソコンを見るとき、猫背になっていませんか? その前傾姿勢が原因で「肩こり」になる人が、最近増えています。重い頭を支えるために肩や首の筋肉が緊張を強いられ、血行が悪くなるのです。それが肩こりを引き起こし、ひいては寝つきも悪くします。こり固まった筋肉をやさしくゆるめるために、「寝る前ストレッチ」を始めましょう。
ひじでクロール&背泳ぎ
肩こりがある人は、肩関節の動きが悪くなっている可能性が大。プールで泳ぐときのように、肩を回して関節をやわらかくしましょう。肩関節を支点に、ひじを肩甲骨から動かすことがポイントです。
ステップ1
両方の肩に手を置き、ひじを左右交互に前回しする。3回繰り返す。
ステップ2
次は左右交互に後ろ回し。3回繰り返す。
『NHKまる得マガジンMOOK 今日から快眠! 寝る前ストレッチ』では、全29種類の「寝る前ストレッチ」を紹介しています。さらに巻末付録の「睡眠ノート」も活用して、一緒に快眠生活を手に入れましょう!
著者:白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
医学博士・産業医・睡眠専門医。慶應義塾大学訪問准教授、福井大学医学部客員准教授、早稲田大学睡眠研究所招聘研究員。東京医科歯科大学呼吸器内科や睡眠制御学快眠センター勤務等を経て、2013年に睡眠・呼吸器科の専門医院を開設。翌年には経済産業省海外支援プログラムに参加し、インドネシア等の医師たちへ睡眠時無呼吸症候群の教育を行う。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院の客員研究員として睡眠に関する先端の研究に従事。現在、日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学)、日本サーフィン連盟アンチドーピング医科学委員を併任。社会医学系指導医、日本睡眠学会指導医、日本医師会認定産業医。著書に『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』『熟睡法ベスト101』(ともにアスコム)など多数。
◆『NHKまる得マガジンMOOK 今日から快眠! 寝る前ストレッチ』
◆写真 和田裕也