農業に関心を!小金井の農業をテーマにトレカ製作
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今日は農業の話題です。
トレーディングカード「やさいじん」
子どもたちに楽しく農業に触れてもらおうと、東京・小金井市の農業をテーマにした「トレーディングカード(トレカ)」が完成しました。
カードは「やさいじん」という名前で、企画したのは、普段子どもたちの収穫体験も行なっている、地元の惣菜店などのメンバーです。小金井市の惣菜店「PARITALY」の江頭みのぶさんのお話です。
小金井市の惣菜店「PARITALY」 江頭みのぶさん
小金井市内に実在している農家さんをモデルにしたトレーディングカードゲームになります。ずっと前から収穫体験してたんですけど、一回一回新しくお客さんを募集するのではなくて、継続的に畑に子どもたちが遊びに来るきっかけ作りができないかなと思っていて、トレーディングカードの収集するというところと、あと実在する農家さんの畑に実際に行ったときに「そのキャラクターの畑に行こう」って言うと、子どもたちの敷居がグッと下がって、身近に農業を感じてもらえる機会になるんじゃないかなと思って発案しました。小金井市では今、市内で55ヘクタール、畑があるって言われているんですけど、年間2ヘクタールぐらい無くなっているんです。担い手もすごく少ない。小さいうちから畑に触れてもらって、地元の野菜を食べて「美味しいからまた行きたい」ってなるような取り組みをできたらいいなと思っています。
小金井の農家さんをモデルにしたカード。
カードにQRコードがついていて、読み取ると農家の紹介ページにつながります。
ゲームはいろいろなカードを駆使して、数字の大きい・小さいでバトルをして、最終的に農地に野菜を3種類植えた人が勝ち、というものです。去年10月に「やさいじん」のスターターキットを発売しました。スターターキットは、それさえあればゲームができるもので、1セット36枚。「やさい」の語呂に合わせて税抜で831円です。JA東京むさしの直売所「小金井ファーマーズ・マーケット」や惣菜店「PARITALY」のHPなどから購入できます。これまでも定期的に農家の畑で子どもたちの収穫体験をしてきましたが、これからは収穫体験すると、その農家の限定カードをゲットできます。
子どもたちの反応は
先月、小金井市の農家「大澤農園」で大根とニンジンの収穫を体験した子どもたちに、収穫の感想や、カード「やさいじん」について話を聞いてみました。
・「大根が大きすぎるのがびっくりした。」
・「大根はスポって抜けるのかなと思ってたけど、あまり抜けなかった。おじいちゃんとおばあちゃんのピーマン大好き。」
・「特にニンジンを手で掘って、いっぱいとれることが楽しかったです。大澤農園さんっていろいろな学校に給食とか、スーパーに出されているのを初めて知りました。一対一で戦えて知らない人ともコミュニケーションをとりながら、楽しく遊べるゲーム。小金井市にこんな農家さんがいるんだなって思いました。」
・「ニンジンは深くまで埋まっているから結構掘らないととれないから難しかった。とれたときは嬉しかった。すごい種類があって覚えたら意外と簡単。いろんな農家さんのことが知れて、あとは学校で調べてみようと思ったりしました。」
この日は10人ほどの地元の小学生・中学生が参加。収穫体験の後は、大澤農園で育った野菜が入った豚汁などを食べて、真剣にやさいじんのゲームをして、楽しんでいました。このほか、ニンジンと畑の土を絵の具にして、ニンジンの絵を描くなどして地元の野菜に触れていました。
収穫した大澤農園は350年ほど受け継がれてきた農園で、ニンジン・大根・白菜・キャベツなど20品目、50品種ほどを作っています。お子さんの話にもありましたが、小金井市の小中学校14校の給食にも野菜を提供しています。
都市ならではの苦労も 350年続く大澤農園
限定カード「サクラ2.5」のモデルになっている大澤農園の大澤桜さんに、「やさいじん」の受け止めや、都市で農業を続ける苦労などを伺いました。
大澤農園 大澤桜さん
すごい綺麗に可愛くかっこよく描いていただいて、ありがたいなと思う。これをきっかけに小金井市の農業のことを知ってもらって、いっぱい人が来てくれたらいいなと思いました。周りに畑が少なくて、家が多いので、騒音や埃などに気をつけてやっています。「やさいじん」をきっかけに、子どもたちに来てもらえたので、もっと苦労や喜びを知ってもらって、買って応援してもらいたいです。知ってもらえることで、親御さんとかにも伝えてもらえるので、どんどん広げていってほしいなと思います。
「周りに畑が少ない」ということでしたが、取材した収穫体験の日も、大根の畑とニンジンの畑が離れていて、5分~10分ほど歩いて移動しました。大澤さんは「移動が大変なので効率よく動けるように考えたり、トラックにタンクを乗せて水を運んだりする」ということで、都市農業の大変さを話していました。
子どもたちにとっては、カードで楽しく地元の農業に触れる貴重な機会になっているようです。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:西村志野)