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「これから一緒に歩んでいけるんだなと感じて、とても嬉しかったです」East Of Eden 1stアルバム「The First Eden - Seeds Of Hope」Ayasaさん×湊あかねさん×MIZUKIさん×MINAさんが語る新たな一歩

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

5人の個性が共存した奇跡の女性ロック・バンド、East Of Eden。異なるルーツを持つ5人が奏でる、メタルを軸としたロック・サウンドは多くのファンを魅了してきました。

そして2025年3月12日(水)、待望の1stアルバム「The First Eden - Seeds Of Hope」がリリース! アニメイトタイムズではリリースを記念して、バンドメンバーのAyasaさん、湊あかねさん、MIZUKIさん、MINAさんにインタビューを実施。

アルバムの魅力はもちろん、ベーシストにMINAさんを迎えるなど新たなスタートラインに立ったEast Of Edenのバンドサウンドについてお伺いしました。

East Of Edenメンバーは、いつ、どうやって練習している? アルバム収録楽曲の中から選ぶ、メンバーのお気に入り楽曲とは? 新体制となったEast Of Edenの魅力がたっぷりと詰まったインタビューをお届けします。

インタビューと同時に公開された、新規撮影のビデオメッセージとあわせてお楽しみください!

【写真】East Of Eden 1stアルバム発売記念インタビュー

タイトル『The First Eden - Seeds Of Hope』に込めた想い

──アルバムタイトル『The First Eden - Seeds Of Hope』には、どのような想いが込められているのでしょうか?

Ayasaさん(以下、Ayasa):まず、「The First Eden」というタイトルについてですが、今後もアルバムをリリースしていくことを考えたときに、ナンバリングシリーズとして積み重ねていけるようにしたいと思ったんです。数字を入れたタイトルにしたいと考えて、「1つめの楽園」という意味を込めて「The First Eden」としました。

「Seeds Of Hope」に関しては、実は裏話があって。最初は「Shooting Star」というタイトルを考えていたんです。「Shooting Star」は、MINAちゃんが加入して初めてお披露目した曲でもあるので、このアルバムの象徴的な存在になると思っていました。

でも、制作のタイミング的に「Shooting Star」をアルバムタイトルにするのは、曲名が先行してしまうため難しくて。そこからスタッフさんと、再度話し合って考えました。

──なるほど。

Ayasa:これまでに「Forbidden Fruit」というタイトルで、2枚のアルバムをリリースしているのですが、その“果実”を自分たちで消化し、ライブなどを通じてファンのみなさんに昇華していただきました。

これまでの「果実」とは異なり、今回は「まだ成長途中の種」のようなイメージです。これから芽を出し、大きな夢へと成長していく。そんなテーマと想いを込めて「Seeds Of Hope」というタイトルをつけました。

湊あかねさん(以下、湊あかね):1枚目で「種をまいた」ということは、2枚目では芽が出るのかな。

Ayasa:芽が出るかもしれないね!

湊あかね:そのあとは花が咲いて、

MIZUKIさん(以下、MIZUKI):樹になって……

Ayasa:また新しい果実が実る、と。

MIZUKI:それでまた種が落ちて……

Ayasa:永遠に続くね(笑)。それこそ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』みたいにリピート記号がつくかも。

MIZUKI:ゆくゆくは「シン・エデン」とかになるんじゃない?(笑)

Ayasa:「シン・エデン」! 「シン・Seeds Of Hope」とかもいいかも!(笑)

MIZUKI:『エヴァ』好きすぎるやろ!(笑)

Ayasa:「序」「破」……って、続けていこう。

──MINAさんは、East Of Edenとして初めてのアルバムリリースとなりますが、タイトルについていかがですか?

MINAさん(以下、MINA):私にとっては、このアルバムがEast Of Edenのベーシストとしての正式な一歩目なので、「Seeds Of Hope」というタイトルが温かく感じました。スタートラインに一緒に立たせていただいて、これから一緒に歩んでいけるんだなと感じて、とても嬉しかったです。

Ayasa:「破」からじゃなくて、「序」からスタートだね。……ごめんなさい、まだ『エヴァ』を引きずってて……(笑)。

──(笑)。みなさんで一緒にスタートする、という意味も込められているのですね。

タイトなスケジュールで行われたレコーディング。そして感じた「若いエキス」とは?

──今回のアルバムは、みなさん個別に収録されたのでしょうか?

Ayasa:そうですね。今回はスケジュールがかなりタイトで……。各作家さんからデモが上がってきたら、それを受けてスケジュールが合うメンバーから順番に収録していく形になりました。

その中でも、MIZUKIさんが全ての曲を最初に録音してくださったんです。自分の収録時点でドラムの音源があるのは、私たちとしてはとても助かりましたね。MIZUKIさんは大変だったと思いますが……。

MIZUKI:いやぁ……本当にスケジュールが(笑)。アルバム収録は12月に行っていたのですが、ライブもあったので、スケジュールが詰まっていて。

お休みしようと思っていた日もポツポツとあったのですが、そこにレコーディングが入ってきて、曲も難しくて。「この曲たちはいつ練習するんだ、私は!?」と、かなり追い込まれていました(笑)。でも、なんとかやり切りました!

──特に難しかった曲を挙げるとすると……?

MIZUKI:「Darkside Lotus」! バスドラムで複雑なリズムを踏むのは難しいんです。足って、手に比べてどうしても不器用じゃないですか。そのリズムを身体に入れ込むのに時間がかかりました。

──「Darkside Lotus」は、拍子が次々と変わっていくのもエキサイティングですよね。

MIZUKI:それに加えて、テンポの変化もありますからね! 「ドリーム・シアター」(※アメリカのプログレッシブ・メタルバンド)っぽいなと思っています。カッコいい曲です。レコーディングは大変でしたけど(笑)。

──ちなみに、MIZUKIさんはハードスケジュールの中、何日間で収録を終えられたんですか?

MIZUKI:今回は3日間くらいでしたね。

──3日間でこの曲数、しかも難易度の高い楽曲を収録するのは、プロのミュージシャンの方々にとっては普通なのでしょうか……?

Ayasa:結構辛いと思います。劇伴などの短い曲であれば、1日で何曲も録れることもありますが、フル尺の曲を詰め込むとなると……。

MIZUKI:どうなんでしょうね。サポートミュージシャンだったら録ることもあると思います。バンドの皆さんはどんな感じなんでしょうね。

──それだけハイレベルなレコーディングをこなされたんですね。

Ayasa:今回は、「演奏経験のある難しい曲」をレコーディングするわけではないですからね。

その上、作家さんから楽曲が上がってきたら「はい、準備!」「はい、録ります!」という感じで、とにかくすぐに取り掛からないといけなくて。毎回「来たものから即レコーディング!」というスケジュールでした。

MIZUKI:(準備期間は)1週間もなかったもんね。あっという間に時間が流れていったので、実はレコーディング中のことはあまり覚えていないんです(笑)。

湊あかね:お疲れ様でした……。

MIZUKI:みなさん、お疲れ様でした……。

──Ayasaさん、湊さん、MINAさん、そしてYukiさん(Gt.)のレコーディングの際は、MIZUKIさんの演奏音源を基盤として進めることができたのですね。

Ayasa:そうですね。フレーズを合わせるために、デモの打ち込み音源ではなく、MIZUKIさんのドラムに合わせることを意識していました。

レコーディングのときには、MINAちゃん、Yukiさんに「絶対にMIZUKIさんのドラムを聴きながらやろう!」と話していました。

──MINAさんは、今回のレコーディングはいかがでしたか?

MINA:ある夜、MIZUKIさんから「(レコーディングが)ヤバかったから、あとは頼むよ……!」というご連絡をいただいたりして。大変でした……(笑)。みなさんと連絡を取り合いながら、頑張りました!

──やはり、バンドの一体感を大切にしながらのレコーディングだったのですね。湊さんはいかがでしたか?

湊あかね:みんなが言う通りタイトで……準備が中々追いつかないこともありましたね。

MIZUKI:歌詞がレコーディングの前日に届いたこともあったよね。

湊あかね:前日じゃないよ。当日の朝だよ。

──当日の朝!

湊あかね:歌詞自体はいただいていたのですが、当日の朝に歌がハマった音源が届いたんです。それを聞いて初めて、「こうやって(メロディーに歌詞を)ハメるんだ!」と(笑)。

収録は1回につき2曲ずつ録っていたのですが、その日は2曲とも当日の朝に届いて。その場で覚えて録りましたね。難易度が高かったです。

──そうなると、言葉の回し方やニュアンスの付け方も、その場で考えながら歌うことになりますよね?

湊あかね:いただいていた歌詞をもとに、事前に「こういうハメ方かな?」と想像はしていました。ただ、その場での調整も必要でしたね。

ちなみにさっき話題に上がった「Darkside Lotus」は、このような流れではなく、しっかりと準備して臨むことができた一曲です。

──Ayasaさんのバイオリンレコーディングはいかがでしたか?

Ayasa:バイオリンに関しては、コード譜をいただきつつ、作家さんによっては「ここはこんな感じで弾いてほしい」という指示を書いてくださる方もいらっしゃるので、それを参考にしながらアレンジを加えていきました。

──コードやメロディーとのバランスも考えながらの演奏になったと。

Ayasa:そうですね。バイオリンは上モノ楽器(※:リズムセクションが作る基盤の上に音を乗せる楽器・パート)なので、コードに対してある程度自由に動けるのですが、歌にぶつけてしまうのは気持ち良くなくて。

恐らくライブ中にも歌いづらくなってしまうと思うんです。なので、歌とどのように絡ませるかを考えながら演奏しました。

今回のアルバムでは、このような部分にも細かく気を配ることができたので、大変ではあったものの楽しかったです。「Darkside Lotus」は今回のアルバムの中でもお気に入りの一曲でもあるので!

──ギターのYukiさんとの掛け合いについて、具体的なエピソードがあれば、お聞かせください。

Ayasa:Yukiさんが先に録音した曲では、私がそれに合わせる形で弾けたのですが、当然その逆のパターンもありました。

そのときは、上にギターソロが乗ることを想定して、「下でハモりたいのですが、デモだとどのように弾いているのかイマイチわからないから、バリエーションをつけて弾きました。そこだけ合わせていただくことは可能ですか?」とYukiさんにメッセージを送りましたね。Yukiさんも「じゃあその部分は聞いて合わせるね!」と演奏してくださいました。

今回は、MINAちゃんと私が同時進行で録音することが多かったので、MINAちゃんの演奏を聴きながら弾ける曲と、そうでない曲がありました。(ベースを)聴けない場合は、ある程度想像しながら演奏することもありましたね。

事前に詳細な打ち合わせはしていなかったのですが、「Doesn’t Matter」の1番と2番のBメロにおいて、表現の濃淡がMINAちゃんとハマったんですよね。そのときは感動したなぁ。

MINA:この曲は、デモのベースがシンプルだったんです。なので「支え」のベースが合うかな、と思って録っていたのですが、それだけでは寂しいのではないかと。2番のBでは少し動きを取り入れるなど、フックを入れたら……。

Ayasa:偶然ハマったんですよね。嬉しかったです。やはり、サポートミュージシャンとしてレコーディングに参加するのとはまた違って、曲の構築に深く関わる楽しみがあるのもバンドだからこそですね。

──East Of Edenならではの制作スタイルですね。

Ayasa:そうですね。あとは、Yukiさんが宅録というのも大きなメリットだと感じています。全員がスタジオでの収録だと、録り直しのハードルが上がりますが、宅録だとある程度の微調整が可能なので。

本当は、いつかスタジオで、全員でレコーディングがしたいですけどね。ギターはどうしてもトラック数が多くなりがちで、レコーディングにかかる時間も長くなってしまいますから……。

作家さんからのオーダーと言いますか、レコーディングをしたあとの直しもあったとお伺いしています。

MIZUKI:「レクチャー動画が届いた」って言ってたもんね。「こういう感じで弾いてください」みたいな。

Ayasa:そうだね。スタジオで録る強みもありますが、自宅で録音することで細かい調整がしやすかったので、今回はすごくスムーズに進められたと思います。

──MINAさんは今回のレコーディングについて、いかがでしたか?

MINA:私は、East Of Edenに加入して最初の楽曲である「Shooting Star」が、強く印象に残っています。

この曲では、East Of Edenらしいサウンドを意識しつつ、ベースラインのバランスにもこだわりました。バンドの支えに回る部分と、スラップやウォーキング、タッピングなどの技巧的な部分を織り交ぜることで、演奏面でも楽しめるアレンジを目指したので、楽しんでいただけたらいいなと思っています。

──MINAさんの音が合わさったEast Of Edenの楽曲を、初めて聴いたときの感想はいかがでしたか?

湊あかね:しっくりきたよね?

Ayasa:「Shooting Star」も、もちろん他の楽曲でも「ここでベースのフレーズが入ると良いな」と思っていた部分に、キャッチーなフレーズを足してくださっていて。「良いなぁ……!」と思っていました。

湊あかね:本当に、とても良かったですね。「こういう感じで入ってくるんだ」と思って。……なんだか「若いエキス」が入って、より良くなったなと。

──「若いエキス」……?(笑)

MIZUKI:ずっと言ってるよね、「若いエキス」(笑)。

湊あかね:だって、聞こえてこない? 「若いエキス」がさ、耳からさ。

MIZUKI:いやまぁ、わかるけどさ。

湊あかね:ベースが若い感じがして、すごく良いのよ。

MIZUKI:元気だよね。いいよね。

──MIZUKIさんも、「若いエキス」を感じていたのですね。

MIZUKI:そうですね! (MINAさんの)動画をずっと見ていたので、East Of Edenでもスラップは絶対に入れてくるだろうなと思っていたんです。結果として、入れてきてくれたので、これがEast Of Edenの個性になっていくんだろうなと思っています。

プロのミュージシャンは、いつ、どうやって練習している?

──率直な疑問なのですが、ご多忙の中、みなさんはいつどのように練習されているのでしょうか?

湊あかね:うーん……改めて聞かれると……。

Ayasa:どうやって練習してるかなぁ……?

MIZUKI:一番ご多忙なのは……(Ayasaさんに視線を向けて)。

Ayasa:いやいや! 何をおっしゃいますか!(笑)

湊あかね:たしかに。いつ、どこで練習しているのかなって、いつも思ってるよ。

MIZUKI:もしかして寝てない?

湊あかね:かもね。

Ayasa:いやいや、寝てます!(笑)

MINA:でもAyasaさんとやり取りをしていると、結構夜遅く、深夜までラリーが続くことがあるんですよ。寝る間も惜しんで、明日の仕事の仕込みをしているんだろうなぁ、と……。

一同:(笑)。

Ayasa:顔を立てていただいている……?(笑)

──(笑)。実際は、どのように練習されているのですか? やはり寝ていなかったり……?

Ayasa:寝てますからね!(笑) 夜中に練習することが多いのは確かですけど、私の練習は「覚える」というよりも、弾いて身体に刷り込んでいくイメージです。

本番が決まると、「この曲の難易度なら、何日前から始めよう」というように逆算してスケジュールを組んで練習し始めることが多いかな。

MIZUKI:(練習は)何時間くらいやってるの?

Ayasa:翌日にお仕事があったら、早めに切り上げるけど……日によっては結構長くやってるかな。

私は完全に夜型なので、とにかく夜遅くにならないとギアが入らないんですよね。だからテッペン(深夜0時)を超えてから練習し始めることもあって。

MIZUKI:そうなんだ。遅い時間までやってそうだね。

Ayasa:曲の難易度にもよりけりだけど、そうだね。新曲の仕込みをやっているときは、気がついたら朝になってることもあるかな。

MIZUKI:毎晩じゃないよね?

Ayasa:毎晩じゃないよ!(笑) 何もせずにちゃんと寝る日もあります。

MINAちゃんも夜に練習することが多そうだよね。

MINA:そうですね! どちらかと言えば私も夜型なので、今のお話に共感する部分が多かったです。

Ayasa:ちなみにMINAちゃんは動画もたくさん投稿しているけど、新しい曲の仕込みはどうやってるの?

MINA:ショート動画であれば、スタジオに入ってその場でフレーズを作って覚えて、撮影して終わりという流れですね。次から次へと覚えて撮ってを繰り返しています。

長尺の動画は2日ほどかけて練習して、3日目に撮影という流れが、効率が良いかなと思っています。

Ayasa:動画撮影のサイクルができているのって、すごいことだよね。

湊あかね:曲もその場で覚えられて、すごいね……やっぱり若いからかな。

MIZUKI:まだ脳が活性化してるんだろうね。

MINA:いやいや!(笑) ショート動画くらいの尺だったら、意外と覚えられますから!

MIZUKIさんは、普段どのように練習してるんですか?

MIZUKI:休みの日に6時間くらいスタジオに入って、まとめて練習することが多いかなぁ。

本当に詰まっているときは、本番が終わったあとに、そのままスタジオに行って練習することもありますね。

──ドラムは特に、練習する場所を選ばなければいけないですよね。

MIZUKI:そうなんですよね……自宅では練習できないので、どうしてもスタジオに行かなきゃいけなくて。そうなると、お仕事終わりとかになっちゃうときもあるんですよね。

──湊さんはいかがですか?

湊あかね:私の場合、練習場所はお風呂場ですね。基本的に、全部お風呂場で覚えるんです。

熱いお風呂に入りながら、いかにすべてを覚えるか、と取り組んでいます。そこで間違えたら「ダメよ、ちゃんと覚えなさい!(頬を叩きながら)」って自分に言い聞かせています(笑)。

──お風呂場での練習ですと、のぼせてしまいませんか?

湊あかね:ライブ本番は熱い状態で歌うことになりますからね。(本番に)近い状態で覚えるようにしています。

MINA:ずっとそのやり方なんですか?

湊あかね:そうだね。もうずっとこのやり方でやってるかな。

MINA:すごい……!

MINAさんは『エヴァ』のアスカのような存在?

──第一線でご活躍されているみなさんから、ミュージシャンを目指している方に向けて、何かアドバイスをするとしたら、いかがですか?

MIZUKI:アドバイスか……。ドラムは身体に染み込ませることが大切なので、とにかく叩くしかない! スタジオに入って、練習してください!

最近はスタジオに入るのも大変なんですけどね……1時間のスタジオ料金も値上がりしたし、消耗品であるスティックも値上がりしたし。かと言って家では練習できないし! うるさいって言われるし!(笑)

Ayasa:防音物件でも、ドラムは演奏NGのところが多いよね。不動産屋さんに「音楽をやっているから防音物件がいいんですけど」と相談すると、「何の楽器ですか?」と聞かれることも多くて。

湊あかね:え、そうなの!?

MIZUKI:そうそう。多分、振動がダメなんだと思う。でも練習あるのみなので、頑張ってください!(笑)

──次に、ボーカリストを目指している方に、湊さんからアドバイスをお願いします。

湊あかね:最近はSNSや動画投稿のツールが多くなったので、以前よりもボーカリストを目指しやすくなっていると思います。

まずは、そういった手段を活用してみるのもいいかも。見つけてもらってください、がアドバイスですかね。

──多くの人の目に留まることも重要ですよね。バイオリンに関してはどうでしょうか?

MIZUKI:イメージだけど、始めるのが大変そうだよね。

Ayasa:そうかも。ただ、クラシックのイメージが強いバイオリンも、最近は活躍できる場が増えてきているのではないかと思います。例えば、歌番組のストリングスセクションやアニメソングのレコーディングなど、バイオリンを活かせる仕事や機会が以前より多くなったと感じています。

でも、何より大事なのは「続けること」でしょうか。先ほども話に出ましたが、楽器の維持費などが高くなってきてはいるものの、できる範囲で演奏を続ける、動画を投稿し続ける、練習をし続けることが重要かなと。

──まさに「継続は力なり」ですね。それでは、MINAさんにベース・ベーシストについてのアドバイスをお伺いしたいです。

MINA:自分に合った楽器を見つけることも、とても大事な要素だと考えています。

私は、ベースの弦の振動が好きなんです。聴いていて気持ちいいし、持っていると落ち着くと言いますか……自分に合っている感じがするんですよね。この感覚が長く続けるための近道かなと。

あとは、楽しめる環境を整えることも大切だと思っています。ずっと紙の譜面を使っていたのですが、East Of Edenのみなさんにならって、最近はiPadに切り替えたんです。そうしたら、すごく便利で楽になりました。

今、みなさんに色々な便利グッズを教えていただいているんですよ。

──具体的には、どのようなグッズを?

MINA:この前、Ayasaさんに「譜面めくりペダル」をお借りしました!

──「譜面めくりペダル」?

Ayasa:フットスイッチのことですね。

MIZUKI:なんだか『ドラえもん』のひみつ道具みたいだったね。

Ayasa・湊・MIZUKI:「譜面めくりペダル」〜!

一同:(爆笑)。

MINA:(笑)。それがすごく便利で、すぐに同じものをポチりました。

──East Of Edenに入ってから、新しい経験をし続けているのですね。ちなみに、MINAさんが新メンバーとして加入してから、何か新しい風のようなものを感じたエピソードはありますか?

湊あかね:リハの雰囲気が明るくなりましたね。

MIZUKI:今まで暗かったみたいじゃん!(笑)

湊あかね:(笑)。今までも暗くなかったけど、より明るくなったよね。

Ayasa:明るい性格でヒロイン感があって……『新世紀エヴァンゲリオン』のアスカ的な、活気のあるアニメキャラクターみたいだなと思っています。

MINA:えぇっ!? すごく嬉しいです、光栄です……!

Ayasa:なので、リハーサルやこのようなインタビューでも、新鮮な空気感になるんだと思います。とても楽しいです。

MINA:私も楽しいです! アスカかぁ……光栄すぎる……!

Ayasa:初めて会ったときから、そんな印象があったんですよね。

MIZUKI:でも、本当にアスカだとしたら大丈夫……? 途中から雲行き怪しくなるよね……。

湊あかね:本当じゃん! もしかしてヤバい?

Ayasa:登場間もないころのアスカのままで、よろしくお願いします……!

MINA:(爆笑をなんとか抑えて)リハ中も、こんな雰囲気なんですよ……(笑)。

メンバーが語る、お気に入り収録楽曲とは。

──さきほどAyasaさんが「Darkside Lotus」がお気に入り、とおっしゃっていましたが、みなさんのお気に入りの楽曲についてもお聞きしたいです!

湊あかね:私は「IKIZAMA」ですね! 最初にデモを聴いたときに、鳥肌が立ったんです。

「聴いて鳥肌が立つ曲」って、今まであまりなかったのですが、この曲は最初から「すごい!」と思いました。カッコいい曲です。男性バンドが演奏していても違和感がないくらい、パワフルな印象を受けました。

──「IKIZAMA」は、どのようなニュアンスを意識して歌われましたか?

湊あかね:まず、歌詞がすごく力強くて、「後ろ指をさされながらも進んでいく」という内容が印象的でした。ほとんどの曲の歌詞が、打ちのめされているニュアンスが強いのですが……(笑)。

自分たちの歩んできた道や過去を振り返りながら、いろいろ言われたりしながらも、「見てろよ!」っていう気持ちで歌いました。全部、ぶつけました。

──まさに、自分たちの“生き様”だ、と。そしてこの曲は、本アルバム発売時のフォーカストラックにもなっているとお伺いしています。

湊あかね:特に、特別な一曲です。大好きな曲です。

Ayasa:最初にリード曲を決めるときに、「Shooting Star」と「IKIZAMA」のどちらを押し出すか、とても悩んだんです。

「Shooting Star」はメンバーそれぞれの個性が光る楽曲で、「こういうメンバーがいますよ!」と紹介するような曲。一方で、「IKIZAMA」は「私たちはこういうバンドです!」という強い意志が込められている。

一発目のMVで「Shooting Star」を発表してメンバーを知っていただいて、「そんな我らが集まっているのがEast Of Edenです」と「IKIZAMA」で見ていただく。アニメのオープニングのような流れですね。キャラクターの紹介から入って、集合絵で終わる、みたいな。

MINA:「IKIZAMA」、カッコいいですよね……! 特にサビの〈今 この場で息絶えてしまったとしても〉のフレーズのハマり方がとても好きなんです。絶妙に言葉を詰めながら、攻撃力の高いエネルギーが詰まっている感じがカッコよくて。

あかねさんの歌声は、どんな音色にも馴染むのですが、「IKIZAMA」のようなパワフルな曲では芯から突き刺さるような感じがするので、バンドとしても戦闘力の高い一曲になっているのではないかなと思いました。

──3月に控えているZepp公演での披露を楽しみにされているファンも多いかと思います。

MIZUKI:みんなで「オー、オー」って言いたいですよね。今まさに、リハーサルで作り込んでいるのですが、ぜひ声を出してほしい曲です。

ただ、結構フェイントが多いので、しっかりと聴いてきてほしいなと思っています(笑)。

湊あかね:そうそう。みんな頑張って覚えてきてほしいね(笑)。

MIZUKI:そうだね。「IKIZAMA」は、ライブを重ねるごとに成長していきそうな一曲ですね。お客さんが入ることで、さらに楽曲の持つパワーが大きくなるのではないかと思います。

「Shooting Star」と比べるとテクニカルな要素は抑えめで、シンプルで王道ラウドロックの雰囲気がありますから、どのように成長していくのかが楽しみです。

──次に、MINAさんのお気に入り楽曲についてもお聞かせください。

MINA:たくさんあるんだよなぁ……! アニメイトタイムズさんのインタビューなので、やっぱりアニメっぽい楽曲を選びたいなと思うんですけど……「Red Line」でしょうか!

BPMが速く、イントロのギターがかっこよく決まる楽曲です。オープニング曲みたいな印象もあるので、選びました。

ベースラインにはタッピングとノイキャン(ノイズキャンセリング)を入れているんです。特にこの部分は頑張ったので、ぜひ意識して、たくさん聴いてほしいですね!

──湊さんは、「Red Line」をどのように歌い上げたのですか?

湊あかね:この曲は歌いやすかったんですよね。肌馴染みがよくて、「知ってるな、この感じ!」って思いながら歌っていました(笑)。

ただ、ちょっと変えた部分もあって。〈宿命を、限界を超えて〉というフレーズなのですが、最初はもう少しステイな発声だったんです。ただ、私の歌い方のクセ的に自然と上に上がっていく感じになって……最終的にはそのほうが良いよねと、調整しながらレコーディングしました。

Ayasa:この曲はデモの時点でほぼ完成してたよね。

湊あかね:そうそう。だからレコーディングもすごく早く終わったんです。

MIZUKI:私も一発で終わった記憶があるなぁ。

── 一発録り!

MIZUKI:もともとアニソン系のサポートをやっていたこともあって、この手の楽曲は得意なんです!

録り直しを何回もやると、疲れてしまって逆に良いテイクが取れなくなることがあるので、新鮮な一発目をそのまま収めました。

──その勢いが楽曲のエネルギーになっているんですね。Ayasaさんは「Red Line」についてどう思われますか?

Ayasa:Elements Gardenさんの曲は、『バンドリ!』でずっと演奏させていただいているのですが、Elements Gardenさんは楽曲の資料もとても丁寧にご準備くださるので、曲全体のイメージができやすい状態でお渡しくださるんです。今回も、スムーズに作り上げることができました。

あと、個人的に藤永(龍太郎)先生の楽曲が以前から大好きなんです。「Morfonica」の楽曲も手掛けていただいているのですが、それ以外のバンドに向けた楽曲も大好きで。East Of Edenでも、いつか藤永先生の楽曲を演奏したいなと思っていました。

先ほどおっしゃられた通り、MIZUKIさんもアニソンの現場を多く経験されていますし、MINAちゃんもアニメが大好きで、彼女自身も「弾いてみた」をやっている。さらに、あかね氏もYouTubeにアニソンの「歌ってみた」を投稿していたりして、みんなアニソンとの親和性が高いんです。

加えて、藤永先生ご自身がギタリストなので、Yukiさんとのシンクロ率も高いという確信がありました。そんな要素がすべて揃った今こそ「藤永先生にお願いするしかない!」と思って、楽曲制作を依頼しました。

──念願叶っての一曲だったのですね。

Ayasa:そうですね。あかね氏のボーカルで藤永先生の曲が聴けるのも、今までとは違う雰囲気があって良いなと思いました。(藤永先生は)アニソンが好きな方に刺さる楽曲を書いてくださるという、絶対的な信頼がありますね。

……あと、藤永先生ってこんな歌詞を書くんだ……とも思いました。

湊あかね:えっ!? これ藤永先生が(歌詞も)書いてるの? すごいなぁ……。

Ayasa:そうなのよ……!

湊あかね:発注に対する対応力がすごいのかな。歌詞の方向性とか、私たちにピッタリだし、見てくださっているってことかな。この曲でもやっぱり打ちのめされているけど……(笑)。

MIZUKI:……たしかに、「ハッピー! イエーイ!」みたいな歌詞の曲、ないね。

湊あかね:果実が実ったときに明るい歌詞の曲が出てくるんじゃない?

Ayasa:「ハッピー! イエーイ!」って?(笑)

MIZUKI:そうそう(笑)。「収穫して食べようぜ!」みたいな。

──良い意味で、ファンを裏切る一曲になりそうですね(笑)。それでは、MIZUKIさんのお気に入りの楽曲を教えてください。

MIZUKI:バラードの「I don't say goodbye」ですね。ドラムとしては休みが多いのですが、(ドラムの入りが)キメから入るんです。これがすごく気持ち良くて……!

そのまま曲が流れていって、2番のサビ前に入るあかねっちの〈Come again〉……これがたまらないですね。拍が一拍増えて、そこがもう最高なんです!

バラードは二拍四拍のハマりが気持ち良くて、叩いていて楽しいし気持ち良いんです。この曲の最後に入る「ドカドカドコドコドコドコ」という畳みかけるようなフレーズも、めちゃくちゃお気に入りです。

──湊さんはボーカルとしてこの曲はどのようなイメージで歌いましたか?

湊あかね:これは「人が死んでしまった曲」だなと思っていたので……ちょっと、脳内で悲しい気持ちになりながら……とにかく感情のままに歌った曲ですね。

MIZUKI:ハモリもいっぱい入ってるよね。グッとくるんだよなぁ……!

湊あかね:そうそう。MEG(MEGMETAL)さんの曲って、コーラスが厚く入ることが多いのですが、上にも下にも声が入っていて安心感があるんです。自分の声に支えられている感覚です。

MIZUKI:私、Queenの曲のように、たくさんコーラス入っているのが好きなんです。それも相まって、刺さりましたね……良い曲です。

──湊さんのコーラスがたくさん存在すればするほど、喜ぶ人が多そうですよね。

MINA:(大きく頷いて)

湊あかね:じゃあもっとたくさん入れようかな(笑)。

MINA:この曲は聴けば聴くほど、どんどん好きになる曲で……もう大変です。めっちゃ好きになっちゃってて(笑)。

この楽曲でしか得ることができない「心の揺れ」を感じることができて、リハーサルでも「好き……!」って思いながら演奏していました。今でも「好きバロメーター」が上がり続けています(笑)。

MIZUKIのドラムと合わせるのが気持ちいい一曲でもあるんです。Aパートのフレーズを合わせる際、MIZUKIさんの方を見ながらピッタリと合わせていくのが音楽ゲームみたいで。

Ayasa:視覚的な気持ちよさもあるのね(笑)。

East Of Edenとしては、バラードってあまり演奏していなくて。会場限定で演奏してきたバラードはあったのですが、その曲も途中でプログレ(プログレッシブ・ロック)っぽくなる箇所があったり、変拍子が入ったり、様子が変わっていくんですよね。

そうでない、王道かつスタンダードのバラードが手に入ったのが嬉しいです。ライブをする上でもバラードは絶対に必要ですから。(ライブでは)照明などにもこだわって、みなさまにお届けできたらいいなと思っています。

East Of Edenのこれから

──Ayasaさんはさきほど、お気に入りの楽曲として『Darkside Lotus』を挙げてくださいましたが、特に気に入っているポイントを教えてください。

Ayasa:この曲って、最初は和のテイストが入っていて、そこから壮絶な間奏を経て、最後にテンポがゆっくりになってサビが来るんですよね。初めて聴いたとき、『ひぐらしのなく頃に』のタイアップが合う曲だなと思いました。この曲がオープニングになったら、カッコいいんじゃないかなって。

今後、こういう雰囲気の曲でアニメタイアップをやってみたいなと思いました!

──アニメタイアップのお話も挙がりましたが、最後にEast Of Edenとして今後挑戦してみたいことや、ライブで取り入れてみたい演出について、お一人ずつお聞かせください。

MINA:世界ツアーを回りたいです! 上海での公演も予定されていますが、アメリカをはじめ、もっとたくさんの国でライブができるようなバンドになりたいですね。

MIZUKI:私は、大きな会場でドラムを叩きながら動きたいです! ステージがせり上がったり、回転したりするような演出ができたらいいなと。ドラムセットごと回れるようなステージで演奏することを目指したいです!

湊あかね:私は、プロジェクションマッピングを使った演出をやってみたいなって思っています。East Of Edenの楽曲は、それぞれに強い世界観があるので、視覚的な演出を加えることで、より世界観の変化を感じていただけるのではないかなと。ぜひ、やってみたいです!

Ayasa:世界ツアーも回りたいのですが、日本国内の細かい地域でも演奏したいと思っています。

東名阪(東京・名古屋・大阪)だけじゃなくて、47都道府県すべてを回るようなツアーをして、最終的に大きなファイナルライブをやる。そして、その勢いのまま世界へ……みたいな!

最近は、武道館クラスのアーティストさんが、あえて地方のライブハウスを巡るツアーをしていたりしますから、私たちも、お客さんとの距離が近いライブと、大規模なライブの両方を楽しめるようなツアーができたらなと思っています!

【インタビュー・文:西澤駿太郎 文章・動画編集:太田友基 写真:胃の上心臓】

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