中谷潤人vsクエジャルはスリリングな打撃戦必至、無敗の挑戦者を倒すカギは?
24日に有明アリーナで防衛戦
プロボクシングのWBCバンタム王者・中谷潤人(27=M・T)が24日、東京・有明アリーナで同級6位ダビド・クエジャル(23=メキシコ)と3度目の防衛戦を行う。
2020年11月にジーメル・マグラモ(フィリピン)に8回KO勝ちしてWBOフライ級王座を奪って以来、2023年5月にスーパーフライ級、2024年2月にバンタム級とあっという間に3階級制覇。ここまで29戦全勝(22KO)と負け知らずで来ているためどこか楽観ムードが漂うが、今回の相手は強敵だ。
クエジャルは2017年にデビューし、WBCスーパーフライ級シルバー王座やWBCインターナショナルフライ級王座などを獲得。2023年10月にはフライ級、スーパーフライ級の元2階級王者ルイス・コンセプシオン(パナマ)を8回TKOで下した。
戦績は28戦全勝(18KO)。身長は174センチあり、バンタム級では長身の中谷(173センチ)よりも少し高い。基本に忠実な右構えのボクサーファイターでコンビネーションも多彩。特に左フックは腕が長い分、並の選手なら当たらない距離でも一撃で倒す破壊力を秘めている。サウスポーの中谷にとっては死角から飛んでくるだけに要注意だ。
中谷の左ストレートとボディーブローが炸裂するか
試合はスリリングでハイレベルな打撃戦となるだろう。この日のセミファイナルとして行われる那須川天心(帝拳)vsジェイソン・モロニー(オーストラリア)、アンダーカードの堤聖也(角海老宝石)vs比嘉大吾(志成)のWBAバンタム級タイトルマッチも好カードだが、中谷vsクエジャルはメインにふさわしい熱い戦いが期待できる。
身長は1センチしか差がないが、中谷はスタンスが広く重心が低いため、それ以上に体格差を感じるかもしれない。足を使う挑戦者を王者がじわじわと追う展開になりそうだ。
とはいえ、クエジャルも好戦的なタイプのため中盤から激しい打撃戦になる可能性も十分。お互いに一発で試合を終わらせるパワーを持っており、ハラハラする展開になることは間違いない。
中谷としては、踏み込んでいきなり放つ左ストレートがポイントを奪うはず。ボディーブローも使って上下に打ち分けながら挑戦者のスタミナを削っていきたい。
最後は3階級制覇の中谷が、世界初挑戦のクエジャルにキャリアの差を見せつけるだろう。ダウン経験すらないクエジャルを倒して初黒星をつければ、来年にも実現が噂される井上尚弥戦へ最高のデモンストレーションとなる。
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記事:SPAIA編集部