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たまの贅沢に!!プラス数百円で「座れる通勤電車」はいかがですか?

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日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。

ゲストは、鉄道ライターの杉山淳一さんです!

今回のテーマは・・・「座れる通勤電車」です。
通勤時間帯は、始発駅でない限り、なかなか座れないですよね。でも、少し料金をプラスして座席が確保できて、快適な通勤ができる列車があるんです

普段使っている路線だとご存じの方も多いと思いますが、意外と使ったことない方多いのではないでしょうか?
堀井さんは小田急線ユーザーだそうで、小田急と言えばロマンスカーです。ロマンスカーは、1930年代に運行が始まったとされています。もちろん観光のための路線ですが、「さがみ」「あしがら」には、観光客ではないスーツ姿のお客さんがいたそうです。郊外に住んでいる方が、自発的に通勤に使っていたんですね。実は、座れる通勤電車って、観光特急のピークとは逆方向なんです。

それを参考にして、1984年に国鉄が特急電車の回送を使って「ホームライナー」を走らせたんです。ロングシートではなく、座席はクロスシートで指定して座ることができるんです。これが好評で、JRになってからも走っています。

首都圏では格が上がって特急列車になりました。現在では、特急「湘南」「はちおうじ」「スワローあかぎ」など。京葉線は2000年から、海浜幕張に「わかしお」「さざなみ」が停まるので幕張メッセのイベントの帰り道がラクになりました。

実は新幹線にも通勤用に設定されている列車があります。
東海道新幹線「こだま」は通勤用の短距離があります。東北新幹線だと「なすの」が通勤用です。

さて、JRのホームライナーを見て、今度は、小田急が「いっそ、ウチも通勤用途を前に出そう!」ということで、
1999年に「さがみ」の一部と「あしがら」を「ホームウェイ」に改名しました。2018年に「モーニングウェイ」が誕生しています。

「ホームウェイ」は夕方から夜の下り、帰宅する人向け。
「モーニングウェイ」は朝の上り、会社や学校に行く人向け。
・指定席でゆったり。通勤なのにちょっと旅気分な列車として人気です。
・新宿と、藤沢方面、小田原方面をつないでいます。
→私の知り合いは通院にも使ってます。満員電車には身体がキツイので助かっているそうです。

他にも小田急では、「メトロホームウェイ(2008年)」「メトロモーニングウェイ(2018年)」があります。こちらは、千代田線と直通しているので、北千住駅や大手町駅まで直接行くことができます。

現在、ホームウェイは平日に17本、メトロホームウェイは6本、モーニングウェイは12本、メトロモーニングウェイは2本。料金は距離によって違って、片道500円~1400円くらいです。

例えば・・・

西武鉄道の座れる通勤電車は観光におすすめ!秩父と横浜をつなぐS-TRAIN!

「S-TRAIN」はどんな列車なんですか?

西武鉄道「S-TRAIN」は2017年から。
平日は東京メトロ有楽町線に乗り入れて、下りは豊洲から小手指へ 5本あります。上りは所沢から豊洲まで 2本あります。料金は510円です。
・西武池袋線から座って豊洲までいくことができます。

面白いのは、休日はルートが変わって、西武鉄道から東京メトロ副都心線に入って、さらに、東急東横線、みなとみらい線に直通して元町・中華街まで往復します。

西武鉄道沿線の人は横浜へ遊びに行けて、東急電鉄沿線の人は秩父へ行けちゃう。
・料金は距離によって変わって 300円~1060円です

例えば、秩父で昼間遊んだあとに、夜に横浜に移動して中華街でゴハン。というコースもできます。その場合の料金は・・・、移動時間は・・・となります。

ちなみに・・・西武鉄道は特急電車を持っているんですけど、 地下鉄を走る条件として、運転席正面に非常口が必要なんです。そこで、S-TRAIN専用車両の4000系を新しく作りました。

Q:ほかに「座れる通勤電車」はどんなものがあるんですか?

・東急「Qシート」は2018年から大井町線の一部の急行の3号車が指定席です。
大井町~長津田 料金は500円。東横線も2022年から連結しています。
渋谷~横浜 料金は500円

始発駅からは並べばたいてい座れるんですけど途中駅から座れるのがいいです。
僕は大井町線の旗の台駅近くで同級生がやってる焼き鳥屋があって旗の台からたまプラーザまで座って帰れます。

・東武東上線「TJライナー」は2008年から。池袋~小川町間。
下りは平日に15本 上りは平日に5本 料金は上りが470円 下りが370円です。

東上線には特急がないので、この列車のために50090型という電車を作りました。
ふだんは通勤電車として、ロングシートという横長の席ですけどTJライナーの時は座席が2人掛けずつ90度回転して、前向きになります。こういう座席は近鉄が1996年に実用化してるんですけど関東では始めてて、東急のQシート、西武鉄道のSトレインなどができました。

・京王電鉄「京王ライナー」は2018年から。平日は新宿から京王八王子行きが7本
新宿から橋本行きが13本 八王子から新宿行きが6本 橋本から新宿行きが6本あります。

こちらも土休日の運行があって、さらに、新宿と高尾山口を結ぶ「Mt.TAKAO号」もあります。料金はどれも410円です。

・京急「ウイング号」は1992年から。
平日下りイヴニングウイング 8本
平日上りモーニングウイング 3本
料金は300円
休日は快特の一部の2号車だけ指定席で「ウイングシート」と呼ばれます。
料金は300円 車内で買うと500円です。

Q:通勤以外で使うのもおすすめですよね?

座れる通勤電車に座ってプチ旅気分になるもよし、座れる通勤電車でレジャーにも行くもよし、です。
場合によっては、「今日はやっぱり会社いくのや~めた!」とふらっと旅に出かけることもできます(笑)

また、リモートOKな会社の人は、郊外でのんびり生活しつつ、座れる通勤電車を使って、たまの通勤をする。というライフスタイルも。

以前は駅やホームでチケットを買っていたが、いまはスマホで気軽に買える。「今日は仕事がハードでゆっくり帰りたい」と思ったら、会社のデスクで予約!というのが賢い使い方かもしれません。

杉山淳一さん
・1967年、東京生まれ。
・信州大学大学院を卒業後、出版社でパソコン雑誌やゲーム雑誌の広告営業職を担当。
・96年にフリーライターになると、IT、PCゲーム、eスポーツ、ゲームアプリなどの分野で執筆されます。
・鉄道趣味歴は40年以上で、常日頃、全国の鉄道路線完乗かんじょう=完全制覇を目指して旅をしつつ、“書き鉄=鉄道ライター”として活動されています。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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